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去る9月5日、オアハカの巨匠画家、フランシスコトレド氏がお亡くなりになられました。
オアハカは喪中に服しており、トレド氏の存在の大きさを日々感じています。

トレド氏はメキシコを代表する画家ですが、作品だけでなく様々な活動で評価されています。
オアハカから古く伝わる伝統技術(自然染色法、製紙技術、タイル製作技術)を保護する活動、
IAGOというアート学校、図書館、写真美術館、コンテンポラリーアート美術館、アートセンターなど、
私財を注いでオアハカ文化のために様々な活動をされてきました。

また、オアハカ市内はユネスコの世界遺産に指定されていますが、以前市内にマクドナルドが
建設される計画があった時も、町の美観を守るために反対活動をしたそうです。
そのほかにも、43人の学生が殺害されたアヨツィナパ事件に際しても、頻繁にアート活動にして、
事件を風化させないような活動をされていました。

彼の存在は質素そのもので、いつもボサボサの風貌に、シャツ・パンツ・サンダルという出で立ちで
何か考え込んだような顔で市内を歩いてらっしゃるのが印象的でした。
昔の写真をみても着ている服も風貌も変わりはなく、私欲とはかけ離れた人のようです。

オアハカの街中には、トレド氏の作品がいたるところに見られます。

また、彼の才能を引き継いだ子供たちが様々な分野で活動されています。
日本になじみがある方として、アーティスト兼タトゥーデザイナーのDr.ラクラは、日本との
つながりも多いようで、故山本KIDのタトゥーを手掛けたり、日本の雑誌にも取り上げられた
こともあります。

オアハカの偉大な守り神のような存在がなくなったことで、喪失感に沈むオアハカですが
トレド氏が残してくれた信念を受け継いで、文化豊かなオアハカを守っていきたいです。
オアハカをアートの町へと導いてくれたトレド氏、いまは安らかに空の上から見守って
くれていることを願います。