原題:PHANTOM THREAD
製作:2017年 アメリカ
監督:ポール・トーマス・アンダーソン
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
音楽:ジョニー・グリーンウッド
出演:ダニエル・デイ=ルイス、レスリー・マンヴィル、ヴィッキー・クリープス、カミーラ・ラザフォード
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1950年代のロンドン。仕立屋のレイノルズ・
ウッドコックは、英国ファッション界で名の
知れた存在だった。

ある日、ウエイトレスのアルマと出会った
彼は、彼女をミューズとしてファッションの
世界に引き入れる。しかし、アルマの存在が
規則正しかったレイノルズの日常を変えていく。
(シネマトゥデイ より)
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ポール・トーマス・アンダーソン監督、
主演のダニエル・デイ=ルイス、
そして音楽のジョニー・グリーンウッドが
2007年の『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』以来
再び集結した作品。

ちなみにポール・トーマス・アンダーソンと
ジョニー・グリーンウッドは4度目のタッグとなり
もはや欠かせない相棒的存在。

奇しくも、本作でドレスの仕立て屋役を演じた
ダニエル・デイ=ルイスは俳優業を引退し
ファッションデザイナーとしての道を歩むんだとか。

まあ役作りで1年間修業して、実際にドレスを
作れるまでに至ったダニエルなら何をやっても
成功しそうですが。

さてそんなダニエルの演技は相変わらず素晴らしい。

最初はウエイトレスのアルマを
どちらかというとドレスのモデルとして
格好な相手として見初め

選び抜かれた言葉と繊細な指先、
射貫くような視線とともに
美しいドレスを仕立てていく姿は
同性から見ても洗練され、そしてどこか甘美的。

ただ若いアルマも従順ではなく
レイノルズのルーティーンを乱すことも厭わず
次第に主導権を握っていきます。

さらにもう一人の女性、レイノルズの姉であるシリルが
レイノルズとアルマの間でちょくちょく言葉を挟むのが
端的で、そしてどこか憎らしい(笑

それでもレイノルズが倒れたときは代わりに
ドレスを急ピッチで仕上げさせたし
男女の別れのタイミングを見計らって
レイノルズに気持ちを尋ねたり。

そう、劇中のレイノルズとっても
ダニエルの演技に引けを取らない相手としても
なくてはならない女性… 
特に結婚するまでは。

このシリル役のレスリー・マンヴィルは
主役を張るタイプではないけれど、
いわゆる英国らしい名女優さんですね。
ゲイリー・オールドマンの最初の奥さんだったりします。

またミューズのアルマ役は、
まだ世界的には無名に近いヴィッキー・クリープス。
ルクセンブルク出身なんですね。

学生の短編映画だと思って
オーディションを受けた彼女。
ダニエルを見つめる表情の移り変わりに要注目です!


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