行雲流水

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赤肉団(しゃくにくだん)上に一無位の真人あり(臨済録)

2020年10月13日 | 禅の心
上堂。云く、

「赤肉団(しゃくにくだん)上に一無位の真人有って、

常に汝等諸人の面門より出入す。未だ証拠せざる者は看よ看よ」。

時に僧あり、出て問う、

「如何なるか是れ無位の真人?」。

師禅床を下がって把住して云く、

「道(い)え道え」。

その僧擬議す。師托開して、

「無位の真人是れ什麼(なん)の乾屎屎ケツ(かんしけつ)ぞ」

と云って便ち方丈に帰る。




義玄禅師はおっしゃった

「ワシらあの体の中には一無位の真人がいて、

常にあんたらあの皮膚の穴から出たり入ったりしとるんじゃ。

まだこれを見とらんかったら、さあ見てみんさいや」。

その時1人の僧が進み出て質問した、

「その無位の真人とはいったい何ですかいのう?」

義玄禅師は席を降りて僧の胸ぐらをつかまえて

「さあ早う言いんさい」と迫っていった。

その僧は困ってすぐに答えることはできなんだ。

義玄禅師は僧を突き放して、

「お前さんの無位の真人はなんと役に立たんウンコをかく棒じゃのう。」

と言って方丈に帰った。
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