※日替わりオープニング曲を聴きながら読んでいただけると感情移入もなんとなくできて

楽しく読んでいただけると思います

すぐ終わってしまうので動画画面上で右クリックしてループ再生推奨

 

 

 

 

 

 

ゴブリンといえば何を想像するだろうか…?
弱くて醜くて冒険で言えば一番最初に倒されるモンスタ-
そう誰もが思い描くだろう


しかしこの話は一風変わったゴブリンが主役なお話
笑いあったり怒ったり悪者と戦ったり、
そんな人間とほとんど変わらないようなゴブリンたちが成長していく…

物語



さあ

若かり懐かしかったあの頃の時代へと戻ろう

行こう

一緒に…

まだの者は共に未知の冒険へと旅立とう


夢羽ばたく冒険へと…

 

 

 

 

 

ドクタ-ベルケルの人界、魔界全てを巻き込んだ恐るべき野望
ワタルたちとドクタ-ベルケルとの魔界、人界全ての命運をかけた戦い…


それは誰も想像だにしなかった衝撃の結末を迎える

衝撃の結末…
未曾有な大災害がおこったことにより、
魔界軍全てが壊滅的被害を受けるというものだった


そして、それは多大な死者と犠牲を払うこととなる

それに突然の魔界を絶対者として君臨しているはずの魔王の死
最下層であるはずのゴブリン(ワタルたち)の今だかつてない前代未聞の大反乱劇


そして肝心のワタルやドクタ-ベルケルはゲ-トの中へと呑み込まれてしまう転末


そんな激動の中、ワタルは気がつき目を開ける

「ん…あっ…」
「ここ…は…?」

そしてすぐさま我に返り叫ぶ!
「ツバサ…!」
「バージェット…!」
「ミネア…!」
「マ-ニャ…!」
みんなの名を呼ぶ

「ここにいるよ」
「ああ…」
「無事だったみたいね」

「みんな無事だった…」
「よかった…」
マーニャは心から安堵する

「でも…」
みんなはうかない顔をした
そして次にみんなの視線はバージェットに向けられる


「大丈夫だっ!」
「あいつらは必ず生きてる!」

「それに誓ったんだ!」
「こっちの世界で会おうってな!」

「あいつらはそう簡単にくたばるタマじゃねえ!」
「それはお前らが分かってるだろう!?」
みんなは頷いていた
二人はあれほどの死闘を生き抜いた

そしてみんなは信じ感じていた
二人の強さを…!


そんな時ふと前を見る
みんな声をつまらせ絶句する



そこには…








人界の大海原が広がっていた




今いるところは丘だ
地面は綺麗な緑色に染まり、かもめが鳴いている
海は穏やかで、海風の匂いがここちよい
そして、そんなみんなを守るかのように綺麗に石が3つ立っていた

死闘があり、たくさんの死者が出て、
大切な仲間と別れてもなお、初めての人界の美しい風景は、
ワタルたちの心に入り込んでくる


「なんて…」

「綺麗なの……」
マ-ニャは言った
気づけば綺麗な瞳からポロポロと滴が落ちている

「美しい…」
ミネアも涙していた


全員がその風景に魅いられる
人界に住む者たちなら特に何も思わないのかもしれない
だが魔界に住むワタルたちにはその穏やかな風景が、
何よりも新鮮で心に響いていた


バージェットもまた魅いられていたが、
あることを誰にも聞こえない声でポツリと言った
「この世界のどこかに桜の国が…」


ツバサもまた魅いられる
「きれいだ…」

しかし、突如として真面目な顔つきになった
「僕の両親の手がかりがどこかに…」

「なぜ僕は人間であるにもかかわらず魔界にいたのか…」
「なぜこの黒刀から温かい何かを感じるのか…」


「僕は知りたい!」


ワタルもまた思いを馳せる

村を出てから、今まで数々の出会いがあった
戦いがあった
時には異次元の世界へと行き戦いに明け暮れた日々もあった

それに本来は魔界を冒険し力を蓄え、
バルクスゆくゆくはどうにかして人界へと行く予定だったが、
ひょんなことからドクタ-ベルケルの恐るべき野望を知り、
それを止めるために死を覚悟してあの地を目指した

今までのことが走馬灯のように流れる
そしてドクタ-ベルケルとの決着はつけなかったが奴の野望を食い止めることができた
経緯はどうであれ、まだまだ先のことだと思っていた人界へとくることができた

ワタルは考える
これもみんなのおかげだ
みんなが死を覚悟してもなお自分についてきてくれたからこそこの結果を得ることができた

だが素直に喜べない理由があった
それは魔界に残るみんなのことだ

大丈夫だろうか…?
無事だろうか…?
自分たちはゲ-トに呑み込まれてしまい自分たちのことで精一杯で周りに気を配る余裕はなかった

だがうっすらと覚えている
それは…




時は少し遡り、天変地異がおこりワタルたちがゲ-トに呑み込まれる時へと



「うわぁぁあああ-------!!??」
ツバサは凄まじい力でゲ-トへ吸い込まれ地面を離れてしまう!

「ツバサぁぁああ--!!!!」
ワタルはすかさずツバサの手を掴む

だがワタルもまた吹き飛ばされそうになる

「ワタル…!」
「掴まって!!!」
ミネアがワタルへと手を差しのばす

「お姉ちゃん…!」
マ-ニャはミネアの手を掴みちょうどあった木にしがみついていた

だがそれも長くは持ちそうもない
大地震で大地は隆起し今も激しい揺れが続いている
天は割れ風は物凄い勢いでゲ-トの中へ全てのものを呑み込まんとす

マ-ニャも限界だった

その時…!

「マ-ニャ!」
「掴まれっ…!!!」
バージェットは物凄い勢いでドスン…!と
持っている大戦斧を地面に突き刺すと、
マ-ニャに手を差しのばした

「うぉぉおおおお-----!!!」

しばし、その大暴風の中耐える
周りは無数の小隕石が落下し、地面からは溶岩が噴火し悲惨な状態となっている



「ヨサク…!」
「ジェニ-…!」
「お前らも早く俺たちの方へ…!」

「分かってるっす」
「そっちに行きたいのは山々なんすけど何せこの風が…」

ぶぉぉぉおおおお----!!!
物凄い暴風が吹き荒れている

「くっ!?」
「バージェット様…」


そのあとヨサクたちは踏ん張りもう少しでバージェットたちの所へと届く時だった

しかし、地面は耐えきれずゲ-トの風に呑まれ浮き上がってしまう
当然バージェットが大戦斧をその地面に突き刺し、何とか耐えしのいでいたので意味はない

「うわぁぁあああ----!!??」
ワタルたちはそのまま空中へと放り出されてしまう




バージェットは必死な形相で叫ぶ
「ヨサク…!!!」
「ジェニ-…!!!」



「掴まれぇぇええええ------!!!!!!」

この続きは前話通りになる



この時ワタルは自分たちのことで精一杯とはいえかすかにだが感じていた
周りの状況を!



ワタルたちが呑み込まれるほんの少し前

「はぁぁああああ----!!!!」
「シ-ルド結界…!!!」

「みんな…!」
「私の中に入ってくれ!!」
ジャスティンは叫ぶ!

天変地異の中…
みんなを守るためにジャスティンはシ-ルドを張っていた


「フロ-ラ…!!!」
バーバラは叫ぶ

「はい!」
黒魔女や白魔女たちもシ-ルドを張り何とか生存をはかろうとする

魔族たちはパニックに陥り大混乱だった

「う゛ぉあ゛ぁぁああ゛あ-----!!??」
「ぎゃあ゛あぁぁあああ-----!!??」
多大な犠牲者が出る

地面の裂け目に飲まれる者
天雷に打たれ跡形もなくチリとなり消える者
突風に呑まれどこかへ飛んでいく者…
小隕石に当たり藻屑と消える者
地面からの溶岩にやられる者

様々だ
そのみなが阿吽発狂する光景は、
まさに地獄と呼ぶ以外のなにものでもなかった


その光景を見てある者が叫ぶ

「くそっ!!」
「俺たちはどうすりゃいいんだ!!」
張飛だった
あまりの惨事に言葉を失う

そして痺れをきらしたように叫んだ
「おい孔明…!」
「何か策は!!??」

「策は…」

孔明が答えようとしたそんな時あるシ-ンを目撃する

「うわぁぁあああ-----!!??」
なんとツバサたちが空中へと呑み込まれるシ-ンだ


「ツバサ…!?」
「ワタル…!?」
「バージェット…!?」
張飛は悔しそうに叫ぶ

「くそ…!」
「くそっ…!!」
「くそっ……!!!」

「くそぉ゛っ……!!!!!」


「孔明!?」

「どうすりゃ…!!??」


さらに張飛はゲ-トを見上げ深刻な顔つきになる
「あれはやべえぞ…!!!」

「俺たちが通ってきた異次元の入り口に似ているが更にべつもんだ…!」
「さらにやべえ!!!」

「あれに呑まれちまったら人界どころじゃねえ」
「どこか異次元の狭間に永久に…」
張飛はブルブルと身震いをする
ワタルたちがあの中に呑まれてしまったらどうなるか全く分からない
張飛はパニックに陥りそうになるがそんな時孔明が答える

「私が何とか結界術を張りあれを何とか押さえ込みましょう…」

「ですが…」
孔明は口ごもる


「力が足らぬのだな?」
信長は言った

孔明は信長の言う通りだと首をコクりと頷いた

「どうすりゃ…」
張飛は困惑する

すると謙信は答えた
「私の宝珠を使え…」
謙信は首にかけていた宝珠をとるとそれを見せた

「この宝珠は我が家に代々伝わってきた家宝」
「これは周りの者たちの力を集め…」
「それを更に増幅し一撃必殺の力を授けると聞く」


「そんなものがあるなら何故今まで…」


「ただしこれはたった1度しか使えない最大必殺の物…」
「私は孔明の話を聞いた瞬間、
これが今この時のために存在したのだと確信した」

この突風の中、謙信は孔明にこの宝珠を手渡し託す


「ありだたく…」
孔明はその宝珠を受けとる

「それを持って天にかかげよ…」
「そして念じるのだ」

「我々は手を天へとかざしそれが力となってそなたに集まろう」

孔明はコクりと頷き目をつむった
宝珠を天へとかかげた
目をつむることによってその宝珠が不思議な力を宿しているのがよく分かった

周りの力を感じる

孔明は叫ぶ

「我が友たちを救うために力を貸してくれっ!!!!」


張飛たちはコクりと頷くと両手を天へとかざす


まず手をあげたのは信長だった

「我は第六天魔王織田信長なりっ!!!」
「きゃつらは我が道を外しそうな時、己の命をとして救ってくれた!!!」
「その時の恩はまだ返しておらぬ!!!」

「それを返す時は今…!」
「我らの世界での恩義を返す時は今…!!!」

「我につどう全ての力を捧げようぞ!!!」



「HAHA!」
「この奥州筆頭独眼竜政宗…」

「俺も捧げるぜ」
「GIVE YOU HEART!!!」
政宗は高々と片手を天に掲げた

「この上杉謙信…」
「あっちの世界にいる信玄や幸村…」
「そしてみんなに変わって我が捧げよう」


「信道…」
「それはすなうち義の道なり!」

「道は決して終わることはない」
「道は続く」

「どこにいようともその思いの力は届く!」
「我らの義の力を受けとれ!!!」

謙信もまた片手の拳を握りしめ高々と天に掲げる!


「お前ら…」
張飛はみんなの思いに胸を打たれる
特に驚いたのは信長だ
信長がこのような言葉を口にするような男ではない
それがより一層自分の心へと響いた

張飛はゲ-トを見上げた

「へへっ」
「ツバサ…」
「ワタル…」
「バージェット…」

「お前らと出会えることができてよかったぜ」
「これがお前たちが俺たちにしてくれたせめてもの恩返しだ…」

「俺らの力を受け取ってくれ!!!」

「なあ…」
「兄者!!!」

 

 

関羽はコクりと頷いた
寡黙だった
しかし、その中に威厳と力強さと優しさを感じられる



「届けぇぇえええ------!!!」
張飛は叫ぶ


そんな時孔明は悲痛な叫び声で言った
「くっ!!」
「このままではだめだ…!」
「失敗する」


「おい孔明こんな時にそんな冗談は…」



「冗談でこんなことは言いません…」

「力が…」
「力が足りないのです」

「くっ…!」
「俺たちの力じゃ足りないっていうのか」

「それじゃあどうしたらいい!!!」
張飛は叫ぶ!


「いるではないか…」
今までほぼ何も語ることのなかった関羽が語る

「どこに…」


「この地にいる他の者たち全てだ…」


!? 


「敵も味方も中立や傍観を決め込んでいた者たち…」


「全ての!!!…」



「さすがにそれは無理だぜ兄者…!」
「味方たちは分かるが他の者たちは敵だ!」

「さすがにワタルたちのために力を貸してくれるわけが…!」


「やれないじゃない」
「やらなければならぬのだ」

「やれないのであれば全てがあれに呑み込まれてしまう…」


「ふっ」
「分かったよ兄者…」

「やってやりゃあ…!」

張飛は大きく息を吸うとあらん限りの声で叫ぶ


「みんな゛…!!!」

「聞いてくれぇ…!!!」

「俺たちはワタルたちを助けたい!!!」

「だからっ…!!!」
「○☆×※米!!!!」

張飛はあらん限りの声で叫んでいた
しかし張飛の声は届かない
なぜならこの天変地異の中みんなに声など届くはずはなかったからだ
張飛の声は大災害の音にかきけされ虚しくその場に響く
何度叫んでもそれは無意味だった

張飛もこのことに気づき絶望する

「くそったれ…!!!」
「こんな状態の中でみんなにどうやって伝えれば!!!!」
張飛たちに絶望が訪れる
彼らにはどうしようもなかった
この天変地異の中でみんなに伝える方法などあるはずもない


そんな時だった


「あー…!」
「大の男がそんなに揃って情けないね!」
1人の影がそこに現れる

「あ、あんたは確か…」


その影は答える!

「あたしはバーバラ!」
「黒魔女さぁ」


「ばぁさんが何で…」


「はぁ!?」
「決まってるだろ」
「助けにきてやったのさ…!!」


「助けにって…」


「つべこべ言わない!」
「時間がないんだろ!?」

「あたしが手伝ってやるって言ってんだ!」
そう言うと張飛の元へとバーバラは飛んで行った

「ここにいる者たちに声を届けたいんだろ?」

「ならあたしに触れな…!」

「あたしの魔念波で届けてやるさ!!」

張飛はみんなと顔を見合わせる
そしてコクりと頷くとバーババラに触れる

「ただこれほどの人数相手となるとかなりの魔力が必要でね…」


そんな時張飛は気づいてしまう
そして声を荒げた!
「ばぁさん」
「あんた…!?」

「ふっ」
「大丈夫平気さ…」


バ-バラのズボンの下からポツポツと滴が落ちていた
なんとそれは血だった



「ちょっとここに来るときに隕石にやられちまってね」
「ごほっごほっ…!」


「ばあさ…!!」


「大丈夫さっ!!!」
「時間がないんだろ?」

「あたしのこんな傷みなんてあの子たちに比べたら全々さ!」

「それにっ…!」
力強い眼差しで張飛を見つめる!

「心配しなくたっていい」
「必ず届けてやる!」
「お前さんの声をみんなへとをね!」

「この命に変えてもっ!!!」


張飛はその後なにも言わなかった
バ-バラの覚悟を悟ったからだ
それにこのバ-バラなら何とかしてくれそうな気がした

「はぁぁあああ----!!!!」

バ-バラは魔力を高める
そしてこの地にいる者たちを感知する

だがしかし

「ぐっがっ…!」
「ぎぎっ!」

「はぁはぁ…」
「これはちょっと骨が折れそうだねえ」
バ-バラの顔にある血管は浮きで苦しそうな表情を浮かべる

そんな時…


「あんたたち…」
バ-バラは驚きの声をあげる

なんとそこには張飛たちがいた
バ-バラの周りを囲み両手を前に差し出している
周りにいるメンバ-は張飛、関羽、信長、謙信、政宗の計5人だ


そして…! 

力はバ-バラへと集まっていく

「ふっ」
「礼は言わないよ」

バ-バラはゲ-トをキっとした表情で見上げる!

「ごほっごほっ…」
「運命の神様よ」

「なんでもあんたの思い通りになると思いなさんなよ」

「あたしの大事な子たちを死なせてたまるかい…!!!」
「それにこの魔界を好き勝手にはさせないよ!」

「決してね!!!」


「はぁぁあああ------!!!!!」

「今だよ…!!!」
バ-バラは叫んだ!

張飛はバ-バラの肩へと触れる


「みんな…!」

「この声が聞こえてるいるか!!??」
張飛は問いかける



「なんだ…」

「この声は?」

「頭の中に直接声が…?」

そこら中から驚きの声が聞こえてくる

「アリス団長…!?」

「しっ…」
アリスは口に手をやり話すなと合図をする


「この声が届いているなら手を天へと上げてくれ!!」
「それが力となる!!」


「こいつは何を言って…」
まさに正論だ
この天変地異の中、いきなり手をあげろと言われて手をあげるやつなどいない


「これはワタルたちを救うためだ!!!」


「ワタルたち…?」


「みんなが手を上げてくれることによって、
あのゲ-トに呑み込まれちまったワタルたちを救うことができる!」

張飛は必死に訴えた
だがその場は一笑にふす
反応も冷ややかだった

だれがこの訳の分からない指示に加え、敵であったずの者たちに手を貸すだろうか?
それにたかがゴブリン
魔界では最下等種の存在

「誰がゴブリンなんぞに手を貸すか!!!」
「そうだそうだ!!!」

「それに俺は見たぞ」
「ワタルというゴブリンから力が溢れだし、
それがあの機械を暴走させこんな現状を作ってる!」

「それにドクタベルケルさまもあの様だ…!」

「全てはワタルたちのゴブリンの責任…」
「この疫病神めっ!!!」
それから様々な罵声が浴びせられる

しかしそれ以上罵声を言っている暇はなかった

「そんなことより逃げろぉ゛---!!!」
「ぎゃああああ!!???」
天変地異の猛威に魔族たちは呑み込まれていく


「頼むっ!!!」
「お願いだ…!!!」
張飛の懇願するような叫び声も虚しく響く


張飛はどうしていいか分からず心は折れそうになる

そんな時…

「ごほっごほっ」
「何難しいこと考えてんだい」
バ-バラは吐血をしながら力ない声で叱る

「何も難しいことは考えなくたっていい」
「あんたの思ってるままに言えばいいんだよ…」

「俺の思っているまま…」

張飛は決意をした表情で関羽を見つめそして周りのみんなを見た

そして大きく息を吸い込むとバ-バラに触れた
思いのままの言葉を口にする!

「いい加減目を覚ませてめぇらぁ…!!!!」

「誰が死を覚悟してまでお前らを救ってくれたと思ってる!?」
「あいつらがどんな思いでこの戦いをしたと思ってる!!??」


「あいつらは敵も味方も関係ねえ!!!」


「全ての者たちを救おうとしてこの戦場にかけつけたんだぞ!!!!」

「ワタルたちは駆けつけなかったらお前たちはどうなってた!?」
「あの機械のせいでお前らはあのドクタ-ベルケルの操り人形になってたんだ!!」

「人界でただただ殺戮を繰り返す獣としてなっ!!!」

「そんなことも分からねえのか!!??」


「それにあのゲ-トを何とかしねえとこの地はあれに全て呑み込まれ終わっちまう!!!」
「お前らこのまま死んでもいいのか!!」

「だから手を上げて力を貸してくれって言ってんだよ!!!!」

「はぁ…はぁ……!」
張飛は息を切らしながら言い終わる

その場に静寂がなった
だが誰も反応しない
このまま死を迎えにいくだけかと思われた


そんな時


「私は力を貸そう!!!」

ジャキは拳を天高く振り上げる! 

「私の命はワタルたちと共にあるっ…!!!」
「このムズカルド帝国の者たちは全て同じ考えだ!!!」


「私も力を貸します…!!!」
ウェリタスは手を掲げる!

「ムズガルド帝国軍第1士団長ウェリタス…!」
「持てる全ての力をとして力を捧げましょう!!!」

「同じくムズガルド帝国軍第ニ士団長サイファ-!!!」

「同じくムズガルド帝国軍第3士団長マッスルヘッド…!」

「同じくムズガルド帝国軍第5士団長ガスタフォ-ク…!」
「ネライダ…!」

「同じくムズガルド帝国軍第6士団長イェンザ!」

「同じくムズガルド帝国軍第7士団長アザ-ラ!」
「がぉっ…!」

全ては連鎖していく!!!
まるでこの時のために今までの出会いがあったかのように…

「同じく魔参謀ビネガ-!」

「同じく3魔騎士ソイソ-!」
「マヨネ-!」
「ミゾラ-!」


グランはペッカトゥムを見つめる
ペッカトゥム-はにこりと笑い拳を振り上げた

グランはそれを見ると嬉しそうに笑い自分も拳を振り上げた


「お-におにおにっ…!」
鬼王は拳を振り上げる


「ジェット軍も分かってるなぁ!!!」
バルガスは吠える!

「おぉぉおおおお------!!!」
ジェット軍もまた拳を振り上げる

「おっかあ…」
グランはサラを見上げる
二人はにこりと笑うと拳を振り上げた


それを見届けペッカトゥムに力を貸したあの二人組みも拳を振り上げた

カ-ズの横にいたゼットンも拳を振り上げた


「私たちももちろん力を貸します!!!」
白魔女のフロ-ラは拳を天高く振り上げた!

「私も力を貸します」
シェリルも拳を振り上げる

ムズガルド帝国軍に続き白魔女黒魔女全員が拳を振り上げた

だがそれでは当然といえば当然だが全く足りなかった
味方だった者たち以外が拳を振り上げる気配はなかった


そんな時だった


「うふふふ…」

「それで助かるなら…」
「私たちなら力を貸してあげてもよくてよ…」
「ねえ…?」

フ-ドをかぶった妖艶な声をした女性が隣にいる男に同意を求め二人は手を振り上げた 
その者から圧倒的な死の匂いが漂っている


また別の場所では… 

「私も力を貸そう…」
ある者が拳を振り上げた

「がははは…!」
「どうした詩磨呂?」

「今はお互い睨みあってても意味はない」
「これで助かるなら手を掲げたてもいいと言っている」


「まぁ…」
「そうだな」
「特別に力を貸してやるか…」
赤い鎧のような者をきた者は拳を振り上げる
他にこの男たち一緒にいた者たちも拳を振り上げた
その者たちからも圧倒時なオ-ラを感じる


「大兄者」
「弟」

「ここは手をあげておくべき」

「それにアリスにバレても仕方ない」
「あの天変地異で奮いにかけられた」

「今生き残ってる者たちはある程度の強者」

「それ全員相手するの無理」

三つ子のような3人組みは拳を振り上げた


「俺も…!」

「私も…!!」

「しょうがない…!!」

「今回だけだからな!!!!」


「俺たちも…!!!!」




「信じられん…」

「奇跡だ」
アリスはその様を空中から見下ろし言葉を失った


なぜなら、


全員が手を空へとかざしていたからだ…


この地にいる全員が…!!!!




仮にゲ-トを封じるためとはいえたかがゴブリンを救うために、
一癖も二癖もあるこの者たち
それが協力しあいワタルたちを救うために動いた

これを奇跡といわずとして何といおうか!?

「アリス団長!」
ラルドは伺いをたてる


アリスは決意をした表情で拳を振り上げた!

「我は暗黒騎士団長アリス…!」

「我とほかの暗黒騎士たちもワタルたちを救うためにここに力を貸そうと宣言しよう!!!!!」


「おぉぉおおおおぉぉ------!!!!!」
その場に大歓声があがる!


魔界最強と名高いアリスが正面から初めてこの戦いに協力すると宣言した瞬間だった



場面は張飛をたちへ… 

「うぉぉおお----!!!!」
「やったぜ!!!」
張飛は歓喜の声をあげる


そして叫ぶ!

「がははは…!」

「孔明!」


「これで文句はねえな!!??」



孔明は叫ぶ

「感謝する」

孔明はゲ-トを見上げ叫んだ


「はぁぁあああぁぁああ------!!!!!」


「我ここに禁術を発動する」




「結界術封印…」



「神全結界……!!!!!」





全員が叫んだ!
そこにはもう魔族たちの隔たりはなかった
敵も味方もない
種族間の違いもない
全ての思いをのせて結界術は発動する!!!



「いっけぇぇぇええええぇえ---------!!!!!!!」




そしてその結界術は見事成功する!

しかしそれはあまりに遅かった
ワタルたちの姿はそこになかった


そこにいる一同は落胆するが何故か清々しい気持ちだった
それに何故か全員が感じていた
ワタルたちはゲ-トの向こう側で必ず生きていると
そして再びこの魔界へと戻ってくると…

そんな気がして仕方がなかった



誰かが声を漏らす
「おおっ…!」


なんとあれほどまでに荒れ狂っていた天変地異が、
まるでそれが何事もなかったかのようにおさまっていく


「ひひっ…」
「あの子たちの見送りにはちょうどいい派手な見送りじゃないか…」
バーバラは言った

「必ず…」

「必ず…!」
「帰っておいでよ゛!!!」
バーバラは優しい瞳で涙をこぼしゲ-トを見あげた



「ワタルさん…」

「聞こえていますか?」

ウェリタスは言った

「あなたのお陰で私たちは救われました」

「まだまだオン返しできていません」
「その恩を返させてください」

「だから…」


「だから゛っ……!!!」
ウェリタスは涙を浮かべ叫ぶ!


「必ず生きて出会いましょう゛…!!!」


「私はもっともっと強くなってあなた様に負けないような女になっています゛…!!!!」


「それはみんなおんなじ気持ちです!!!」

「うぅ゛…!」
「う゛う゛……!!」
ウェリタスは涙を流しながらジャキの肩に寄りそう

そしてこの地にいるものたちもまた空を見上げた 
消えようとしているゲ-トのその先をワタルたちを見て…






また別の場所では…

ゲ-トを見上げある者が言った
「うふふふ…」
「今回は特別に力を貸してあげたわよ」

妖艶な声だった
そうあの二人組みだ

その者はフ-ドをとる


なんとその女は…






ジェルチェだった






「うふふふ」
「ヨサク…」 
「知らない間に随分と強くなったわね」

「でもまだまだダメ」
「不合格よ」

「世界を見て周りもっともっと強くなさい」

「そしてその強くなった姿を私に見せて…」


「あなたは必ず私たちの元に帰ってくる」
ジェルチェは断言する


「そういう運命(さだめ)にあるのよ」

「ねえ…」
ジェルチェは光悦な表情で男を見上げる


「魔界にして最強」
「死の頂点におられる私が愛するお方…」


「うふふ…」
「あはは……♪」
ジェルチェは妖しく笑う







また別の場所では…

ある者が言った
「あれってまさか鬼魔貴族の方たちじゃないか…?」
「あっ」
「本当だ…」

「貴族の立場にありながら戦闘においては魔王軍にも対等に渡り合えると言われる存在…」

「何やらあの方たちの前に立ち塞がった者たちは誰もいないとか…」


鬼魔貴族はゲ-トを見あげる

「がははは…!」
「なかなか面白い奴だったな」
「ぜひやりあってみたいもんだ…」

「なぁ…?」
「詩磨呂…!」

「ギルガメッシュ…」
「戦闘狂なのも大概に…」

「そうよ」
「ギルガメッシュ」


「がははは…」
「妲己に言われたくはない!」


「ひゃ-はっはっ…」
「無様ですねえ」
かん高い声で笑う


「うるせえよケフカ!」
「なんならここで闘りあうか!?」


「お前らいい加減に…」


「うるせえよゴルベ-ザ!!!」

「ちょっとお前たち…」

「セフィロスはすっこんでろ…!!」


「やれやれっ」
詩磨呂はあきれ顔になる

そして意味あり気に張飛たちを見つめると誰にも聞こえない声でポツリと言った


「懐かしいな…」
「まさか生きて会えるとは思っていなかったぞ」


「あっちの世界のみんなは……」







そしてまたここにも丘の上からこの戦場を見下ろす1人の老人の影が…
老人は言った


「ふぉっふぉっ」


「全ては…」

 

 

 

 

「運命の導きのままに」








場面は再び人界へと



「ワタル…!?」
「あそこ見て…!」
ツバサは慌てた表情で叫ぶ

ワタルは何事かと指をさした先を見つめる
何とそこには人が倒れていた

ワタルたちは駆けよる
「大丈夫ですか…!?」

その者は目を開けた


「うーん」 


「大丈夫!?」
「名前分かる!?」


「な…ま…え」

「なま…え?」

「何も思い出せない」


そんな時ある光景が頭に浮かぶ

「フェ………ス…!」

「…ニクス…!」

誰かが頭の中で叫ぶ声が聞こえる

「フェニックス…!!!!!」


「そう…だ」
「俺の名はフェニックス」

「くっ…!」
「それ以外は何も思い出せない」


ワタルたちが再び言葉をかけようとした瞬間…!



「うぉあ!!??」
なんとフェニックスは男二人組みに拐われている!


そして指輪を天空へかざすと叫んだ!!!
「いくよザインへ…!」

「了解!」

二人組みはあっという間に消えてしまう!

ワタルたちは何がおこったのか分からない
そんな時叫び声が聞こえる


「君たちは何者だ…!?」

「さてはあの二人組の仲間だな!?」 


いつのまにか眼前には弓隊に囲まれている


「私の名はクリフト…!!!」
「ヒーラーエルフだ!!」

 

「アリ-ナ王女をどこにやった!!??」




ワタルたちはドクタ-ベルケルの野望を止め魔界、人界を救うことができた

しかし一難去ってまた一難

目の前にまた困難が立ち塞がる

「はぁー」
「早速かよ」
バージェットはため息をついた

「平和がつかの間…」
ツバサはシュンとする


「全くお前たちと一緒にいるといつもこれだ…」
ミネアも飽きれる


「うふふ…」
「でもこれも冒険て感じで好き」
マーニャは楽しそうに笑う


「君たちは何を笑っている!?」
クリフトは叫んだ


ワタルは言った
「いこうか…!」


ツバサはあきれたように、しかし少し嬉しそうに言った
「はぁ…」

「どうせあの子を助けに行くんでしょ?」
「ザインへ…!」
 

ワタルはコクリと頷くとみんな笑いあう

「ただこの場面を何とかしないとな…」
バージェットはコキコキと手首を鳴らす


「マ-ニャいくよ!」
ミネアは叫ぶ!


「うんお姉ちゃん…!」
マーニャは答える


「せえのぉっ…!!!!!」
 

ワタルたちは進む!
例えこの先にどんな未来が待っていようと突き進む…!


ワタルは思った


この先どんな困難が待っていようともこの仲間たちとなら乗り越えられる!

そして更に力をつけあの地へと帰る


そう愛する故郷 
愛するみんながいる場所へと…!!!!!











冒険はまだまだ始まったばかりだ!!!

 

 

さぁ…!

 

 

ともに進もう!!!

 

 

 

懐かしかったあの未知なる冒険の旅へと…!!!








<ムズガルド帝国編完>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~あとがき~

皆様のお声もあり何とか無事に終わらせることができました

感謝であります(`・ω・´)

話の流れとしては初話から今話が大きくまとめてひとくくりとなります

改めて確認すると約4年と3か月ですねw

いやあ長かったwww

 

もちろんこれからも続きは書いていきますのでお楽しみいただければ幸いです

 

それと詩磨呂というキャラが出てきたと思いますが、

これは詩磨呂さんが全話いいねを下さった特典として書いた特別なキャラです (*゚▽゚ノノ゙☆パチパチ

かなり遅れてしまいごめんなさい┏○ペコリ

 

予定としては50話以内にこれが全然余裕で終わる予定だったんだけどな(・∀-`;)アハハハ

 

それではまた次話でお会いしましょう~