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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

「ドクターO,多分すぐに

心肺停止になる患者が来ましたから」

と、シニア研修医

 

老人ホームから運ばれてきた患者

いきなりの呼吸停止、意識状態低下

救急隊が既に気管内挿管済み

 

脈はかろうじて触れるけれど

血圧、かなり低い

ナースが抹消静脈ルートを確保したが

昇圧剤がいるだろうし

研修医に中心静脈ルート確保を支持

 

これとこれをやっといてね、と

シニア研修医に頼み

ジュニア研修医と一緒に

肩関節脱臼の患者の部屋へ

整復のために鎮静剤を投与しようとしたところ

 

「ドクターO,脈が触れません!」

 

さっきの患者だ

 

輸液と昇圧剤をはじめ

状態、それなりに落ち着いたじゃない

それなのに、心停止?

 

ER技師が胸骨圧迫を始める

その瞬間、

 

"Hey, what's going on?"

 

後ろを振り向くと、そこにいたのは

ブラック・クラウドの後輩J君

今日はオフィスで仕事のはずなのに

何でERに居るの?来るの?

 

J君は、通りかかっただけで

患者が心肺停止になるという伝説の男

そんな話を誰かから聞いたことがあり

私の患者もJ君がやって来ると同時に

容体急変→心肺停止になった経験がある

 

「何してるんだって、仕事してんのよ

あなたこそ、何でERでフラフラしてるの?」

「XX君(研修医)に話があって...」

「あなたが来たら、このザマよ

皆、あなたが悪いんだから」

 

J君、こんな私の悪態は聞き慣れている

J君、昔バンドをやっていたそうです

これ、リクエストしていいですか?

 

 

他の同僚も人込みに気付いて

「何か手伝う事ある?」

「大丈夫。J君のせいだから」

「ああ、ソレね」

 

J君のブラック・クラウド性

公式認定されている

 

ぜんぜん関係がないのに

そこにいるだけで心肺停止、これで3件目

J君の記録、まだまだ更新中...

 

 

 

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