切らないで! | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

外傷患者が来た際、様態によっては

ザザァッとトラウマ・シアーと呼ばれる

なんであんなに切れないのかと思うハサミで

服を切ってしまうときがある

 

裁ちバサミなんかの方がスパッと

気持ちよく切れると思うんだけどね

切れ過ぎて、切っちゃいけないものでも

弾みで切っちゃうから駄目なのか

 

「なんでも切れる」と評判のレザーマン社製「ラプター」

アメリカで買うとこれよりは安いが

それでも一つ$70はするうえ

結構失くす、失くなる物なので買う決心がつかない

 

交通事故に巻き込まれた女性

意識ははっきりしているものの

頚椎は固定されているうえに、骨折しており

起き上がって服を脱いでくださいと

いうわけにはいかない

 

ナースがTシャツをビーッと切ると

その下にシンプルなブラを付けていた

 

「あっ、駄目!それは切らないで・・・」

 

患者が言い終わる前に

ナースはブラの真ん中をハサミで

 

パチンッハサミ

 

...切っちゃった...汗

 

1時間ほどして

 

その患者の骨折した足を

シーネで固定していた研修医(男性)

「なんか、あの患者、物凄く怒っていて

なんであんなに機嫌、悪いんですかね?」

 

「そりゃあ、怒りもするわよ」

「お気に入りのブラだったんじゃないの?」

「うん、あれ新品ぽかったよね」

「ブラッて結構値段が張るもんね」

「新品のブラ切られたら、私だって怒り狂うわ」

「あんまりよねえ、アレは」

 

女医3名、患者に同情で一致

 

男性研修医

「いや、でも、時と場合とかって...」

 

女医一同「そんなもん、関係ない

あなたには分からないの!」

 

そんなもんですかねぇ、と

やはり解せないような男性研修医

 

自分が緊急で病院に運ばれる際

みっともない格好はしていたくはないが

お気に入りの服を切られるのはやはりショック

 

男性だと「バイカーのレザージャケット」を

例えに出すと解ってもらえる様です

 

 

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