私の記憶に近い位置にオーストラリアとニュージーランドを移した地図がコレ。
今思うと、もう少し右側の方がより自然に感じますが、今そこには関わらないでおきます。
そして、マンガ「美味しんぼ」40巻のある一コマ。
地図のオーストラリアの位置は、現在普通に見られる位置です。昔の地図を見てもみんなそうです。しかしセリフを見てください。
「同じ緯度に存在するのは、南米の一番端のチリの、そのまた一番端あたりだけです。」
このセリフは地図上にCAPE GRIMと書いてある、グリム岬の位置について言っています。
一方、南米のチリを赤く塗ってみるとこうなります。
はい。あなたはグリム岬と、南米の一番端のチリの、そのまた一番端あたり、が同じ緯度にあるように見えますか?
グリム岬の緯度を調べて見たところ40.67 °Sでした。そしてチリで、これに近い緯度にある、ある程度知名度のある都市となるとプエルトモントでしょうか。緯度は41.47です。この都市の位置を地図で示すと、この青い丸になります。
この位置にグリム岬があった時、その緯度をチリと比べるなら「中央よりやや南寄り」などの言葉が適切で、「チリの、そのまた一番端あたり」という表現は出ないと思いませんか。
私は「美味しんぼ」を途中から買うのをやめましたが、この巻あたりなら6,7回は読んでいます。で、思い出して見て、このコマを見つけました。
このセリフは、私と、そして多くの人たちの記憶にだけ存在するオーストラリアの位置があってこそ、初めて生きてくるセリフだと思います!
私がこのページを納得しながら読んでいたときは、地図上のオーストラリアは記憶の位置に描かれていたのでしょう。地図は世界線の影響で変化したけれど、セリフはそのまま残ったのでしょうか?