実際のところ、幽霊や心霊現象というのは科学的に存在すると考えてもいいのでしょうか? | Siyohです

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Quoraのこの質問に本気で答えて見ました。

 

幽霊と呼ばれる、故人の幻像を見たり、それと会話できたりする現象が存在すること、心霊現象と呼ぶしかない、通常の科学では説明し難い現象が存在すること、この2つは、科学的に証明された事実と言ってよいでしょう。ここ100年ほど、最初はイギリスで、その後は世界中で体系的に研究されて来ています。

しかし、その現象を死後生存の証拠とするかどうかは別です。例えば、この手の現象を調査して、死後も意識は残ると結論したリチャード・ホジソンの例を少し紹介しましょう。



今までに生きた最も劇的で傑出した霊媒の1人に、アメリカのボストンにいたレオノーラ・パイパーがいます。SPRは彼女の本格的な調査のためにホジソンを、アメリカSPR(ASPR)に送りました。ホジソンはこの際、今まで誰も暴けなかったパイパー夫人のトリックを暴くのは、自分しかいないと語っています。

こうして意気揚々と最初の調査に乗り出したホジソンですが、その報告書はこんな感じになってしまいました。

「私はまったく何も証明することができない……。詐欺を証明することができない、不正行為をしていると証明できない、パイパー夫人がトリックを用いたことを証明できない、しかし……私以外の誰も信頼しないで欲しい、とにかく私を信じて、この件に関する真実を握るのは私だけなのだ……」

彼は私立探偵にパイパー夫人を尾行させ、彼女が家以外で誰に会ったか報告してもらい、彼女の手紙を検閲し始めました。ときには誰にも知られていない偽の人間を作り上げて、その人を彼女の交霊会に招き、夫人がその架空の人物について何を言うか確かめ、その他にもパイパー夫人が本物の霊媒でないことを証明するためにできる限りのことを行いました。後には、彼女を身の回りの人から引き離すために、単独でイギリスに招待しています。滞在中の行動はすべて前もって計画され、生活には常にSPRのメンバーが同行し、SPRの管理下で88回の交霊会が持たれました。それでも、信じられないほど正確な情報がパイパー夫人を通じて流れ続けたのです。

その説明としてホジソンは、パイパー夫人が、交霊会に出席している人たちだけでなく、遠くにいる関係者たちの心まで読めるという仮説を立てました。このテレパシー仮説は、死後の世界仮説よりはましなものとして、SPRに受け入れられました。この説であれば交霊会で起きた事柄をすべて説明できます。

ホジソンが死後の世界を認め始めるのは、彼のレポートに「ジョージ・ペラム」と仮名で書かれている友人が亡くなり、それ以来トランス状態のパイパー夫人を介して、自動筆記でその存在を伝えて来てからです。
 

これでホジソンは、亡き友人に向かって、彼らの関係について何千という質問をすることができる特殊な地位を占めることになりました。それから二年間、パイパー夫人の体を借りたジョージ・ペラムは、ホジソンの何千もの質問にすべて正確に答えてくれました。まるでペラムがそこにいるようです。ホジソンは何ヶ月かにわたって、延べ一五〇人の人たちをトランス状態のパイパー夫人に紹介してきました。このうちの三〇人は生前のジョージ・ペラムと面識があり、他の者たちは一度も彼に会ったことがありません。ペラム(パイパー夫人)は、一人の女性を除いて残り二九人を即座に分かり、姓よりも名で呼ぶほどの親しさを見せ、生前の思い出を語り合って旧交を温めました。しかし、その一人はどうしても心当たりがないと言います。それもそのはずで、ペラムがその女性に会ったのは、彼女がまだ幼い子供の頃だったのです。

一八九七年、パイパー夫人の調査を開始してから一〇年が経過し、ホジソンはついに霊界説を認めました。今までの報告において彼がどのように間違っていたかを詳細にまとめ、今や完璧に死後の世界が実在することを受け入れたと書き送ることになったのです。実際、ホジソンはその報告書の中で、彼は他界の知的存在と交信をし、彼自身がそこに着くのが待ち遠しいとまで述べています。

彼は死後の世界が確かに存在することを次のように語っています。

「……現在、前述のページで私が参照してきた主だった『交信者』は、紛れもなく彼らが主張する通りの個性を示す実体であることに、疑いの言葉を挟むことはできない。彼らは我々が死と呼んでいる変化を切り抜け、いわゆる生者であるパイパー夫人のトランス状態にある生体を通じて、直接我々と交信してくるのだ」
 

「視えない世界はこんなに役に立つ」第二章「超常現象は静かに、しかし確実に起きている」より

 

 

ホジソンはこうしてやっと死後の世界を認めましたが、その後に笑い話のような後日談があります。

1905年12月、スポーツをした直後に突然の死を迎えたホジソンは、その後間もなく、ジョージ・ペラムからパイパー夫人の支配霊の座を引き継いだのです。彼は死後の世界について、さらにたくさんの情報を伝えてきましたが、自分のことをホジソンだと認めないものが何人かいるのに気づいて驚きました。ASPRのウィリアム・ジェームズはこう言っています;

「そう、この情報を送ってきているのは多分ホジソンなのだろうが、私にはあまり確信がない・・・」

ホジソンは、生きていたときと同様に論理的に事を運ぶことができず、ただ欲求不満のあまり感情を破裂させるだけでした;

「もし私がリチャード・ホジソンでないなら、リチャード・ホジソンという人間はいなかったということだ!」

要は、頑固な否定派は、死後の世界があるとはそうそう認めないということです。他人がどれだけ調査しても、その調査には穴があると思います。そして、自分自身で調査しても、10年以上の時間と、よく知っている人が亡くなって、その人と会話できる状況にでもならなければ、この結論には至らないようです。そうした幸運に恵まれなく、ただ調査の年数を重ねて来た人は、心霊現象の説明を、生きている人の超能力と、まだ知られていない世界の仕組みに求めるようです。例えば宇宙は巨大なコンピュータのようなもので、死者の幻影を生者の希望に合わせて再現する、とか。。。

最後に、ウィリアム・ジェームズによる、超常現象に関する名言を挙げておきましょう。

「それを信じたい人には信じるに足る材料を与えてくれるけれど、疑う人にまで信じるに足る証拠はない。超常現象の解明というのは本質的にそういう限界を持っている」