異世界こぼれ話 その三十三「体外離脱の世界 中編:フォーカスレベル」 | Siyohです

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音楽とスピリチュアルに生きる、冨山詩曜という人間のブログです

モンローの2冊目の著書「魂の体外旅行」を読んで、私は早速ヘミシンクを試さなければと思いました。ヘミシンクは、両耳から異なる周波数の音を聞かせると、その差分にあたる周波数の脳波が生まれやすい、という原理を利用して、脳波を誘導する技術です。

 

モンローは一冊目の最後に、こうしたら体外離脱できるのではという方法を書いていますが、それを突き詰めて、意識の一般的な拡大を狙ったのが、ヘミシンクによる変性意識の入門編である「ゲートウェイ・エクスペリエンス」です。私はそれを購入しました。

現在は日本語版も出ていますが、当時は英語版しかありませんでしたね。またフォーカスも15までしかありませんでした。

 

ここで「フォーカス」という言葉を説明しなければならないでしょう。これは意識の状態を表します。モンロー研究所のこちらのページに簡単な説明がありますが、著書に使われている特別な用語が説明に使われているので、これだけではわからないかもしれません。ざっくり言うと、フォーカス21までが生きている状態で、それ以降は死後の意識の状態です。とは言え、体外離脱すれば22以降の意識状態にもなれます。死後の世界は無数にあって、その中には階層構造があります。死後の意識状態は、どの階層と最も親和性が高いか、という視点でも捉えられるでしょう。その観点も交えながら、私なりにフォーカス22以降を少し説明してみましょう。


フォーカス22 – 意識が断片的になっている状態。生きていても、この意識状態になることがあります。モンローの著書では、「薬物やアルコール依存による意識錯乱や、痴呆症が含まれ、麻酔中や昏睡状態の患者もここに入る」と書かれています。

フォーカス23 – 死んですぐの人が、その先に行けずに迷って、生きている人たちを見ながら過ごす世界。本格的なあの世と、この現界との接点のような世界で、幽界と呼ばれることもあります。体外離脱で言えば、エーテル体で動き回れるのが、ここまでのレベルです。ちなみにエーテル体は流派によって、幽体、複体とも呼ばれることがあります。

フォーカス24-26 – ここがいわゆる死後の世界です。階層に応じて、生きている間にとらわれてしまった信念から、段々と開放されていきます。フォーカス24の下層は住心地が良くなく、しばしば地獄と呼ばれてきました。でもそこに行く人達は、このレベルの意識を持っていて、その階層で過ごすのが一番しっくりと来るから、そこにいるのです。

フォーカス27 – 生きている間にやり残したことを死後に実現したりしながら、人間世界での信念から解き放たれ、もうこの世に戻らなくてもよくなった状態。ここまでが、死後にアストラル体として過ごす世界です。死後にこの先に進むには、アストラル体も脱ぎ捨てて次の体になるのですが、この身体の名前は流派によってかなり幅があります。現在の神智学ではマナスと呼ぶようですが、その中には高位と低位の身体があります。この低位の身体をメンタル体、高位をコーザル体と呼んだり、合わせてメンタルコーザル体と呼び、それに高位と低位とがあるとする流派もあります。また、これらを翻訳して漢字にしたりすると、またややこしいことになります。ここではメンタルコーザル体という言葉を使います。


フォーカス35 – 生まれ変わりを卒業してから、形状を持たないメンタルコーザル体として生きてきて、この宇宙の他の存在たちとも交流できる世界の、一時的な終着点。他の私達と一緒になってグループソウルを形成し、記憶の共有も行われます。

フォーカス42 – 様々な世界(未来、過去、異世界など)に分散していた「私達」がすべて一緒になっていく世界。ちなみにキリストはフォーカス42-49の意識レベルだと思われます。

フォーカス49 – この宇宙を卒業できるレベル。メンタルコーザル体をも脱ぎ捨てて、最後の魂と成る瞬間です。我々の宇宙を作った神と同レベルの世界とも言えます。ただし、ここでいう「神」は、どの宗教の神とも違います。その先は、自分で自分の宇宙を作り出すのかもしれません。なお、モンローはこのレベルまで訪れています。ということは、アストラル体も脱ぎ捨ててメンタルコーザル体として動いていたのでしょうか。それははっきりとは書かれていませんが、著書を読んで得た印象だと、アストラル体の振動数をどこまでも上げて、この辺の世界に行っているように思えました。

 

モンローは自分のエーテル体、そして肉体に戻るまで、特に身体を入れ替えていないようです。また、フォーカス49に行った後、いつもの非物質界の友人たちに会った際、こんな思考が流れてきたと3冊目の「究極の旅」に書かれています。

《放射をコントロールしてくれ! 我々を灼きつくす気かい!》

これらからアストラル体で行ったのだと考えられるわけです。

 

さて、死後のフォーカスレベルを一覧したところで、改めて21までの、普通に生きているレベルのフォーカスについて書きます。「魂の体外旅行」には、最初に数々のモンロー研究所被験者たちの体験が載っています。

 

モンロー研究所は、地球のエネルギー的によい場所を選んで、さらにその中の状態が良くなるように水晶などで調節していると聞きます。そのため、単にヘミシンクを聞いただけでは体外離脱できない人たちも、ここでなら成功したりします。また、ここで被験者となる人がヘミシンクを体験するときは、それをモニターしている人たちがいて、被験者の状態を見ながらヘミシンクの周波数を変えたり、その状態の被験者と会話したりしてします。そうした記録が、本に載っているのですが、この会話が往々にして、被験者ではない場合があるのです。実は、ヘミシンクを聞いている状態の被験者の身体を何者かが借りて、それが話してくることが頻繁にあります。そんな会話の一つに、フォーカス21までの意識状態を説明しているようなものがありました。

 

その存在はこう言います。世界には振動数とでも言うものが合って、植物は第1から第7の段階に合っています。動物は第8から第14。その説明では、この動物に人間も含まれているかのように見えます。そして 第15以降は、自ら意識状態を変えない限り到達できず、15〜21は人間特有の段階みたいです。その後は、22〜27までが橋渡し的な段階。第28以降はもう人間の形状をとることはなく、新しい次元に進んでいく。その存在は、7段階で分かれた階層が全部で7つあり、段階としての最後は49だと伝えています。フォーカスレベルは、こういった目に見えない存在たちからの言葉も借りながらできていった概念なのでしょう。

 

ここから考えると、おそらく人間以外の動物はフォーカス8、そして人間は通常フォーカス9で生活しているのでしょう。それを10にすることによって、身体が寝ているけれど精神は起きているという状態が作られ、その先に上げていくと、いろいろな可能性が出てくるわけです。例えばヘミシンクにHuman Plusというシリーズがあります。これは様々な目的に応じた自己暗示をかけるための訓練ですが、私自身非常にお世話になっています。実際これがなかったら、私の人生は変わっていたことでしょう。このHuman Plusの自己暗示を受け入れるためのフォーカスが11で、さらにフォーカス12になることによってその暗示を定着させる感じです。体外離脱できるレベルまでフォーカスを上げなくても、十分ヘミシンクは役に立つのです。

 

ヘミシンクはいうなれば、エーテル体と肉体をずらすためのメソッドだと言えます。普通に生きていると肉体とエーテル体はガチガチに結びついていて、決してずれません。そのため、エーテル体から認識できるのは、いわゆる「現実」だけになります。しかし、フォーカスが上がるほど、これがずれてくるのだと思われます。そしてエーテル体は、アストラル体でないと知覚できないものを知覚し始めるのです。ちなみに、こうしたズレが大きくなればなるほど、エーテル体が肉体を離れて独り歩きしやすくなるのでしょう。そして、このズレがある程度大きくなったら、今度はエーテル体とアストラル体がずれ始める。フォーカスレベルが上がると起きてくる変化は、こんな感じなのだと思います。

 

ところで、「魂の体外旅行」に書かれた被験者との会話記録の中に、ひとつ笑い話的なものが載っています。モンロー研究所においてとても優秀な被験者だった、ROMCと呼ばれる女性がいます。彼女は毎週水曜の夕方に実験セッションをしていたのですが、ある水曜日、彼女はその実験をキャンセルしていました。その日は、モンロー研究所での研究に強い不信感を抱いている、ある女性心理学者が訪ねてきました。モンローたちはその女性にたくさんの説明を試み、その末に、実際にヘミシンクを試してもらうことになったのです。この際、ROMCがキャンセルしたために空いていたブースを使うことになりました。

 

開始後5分くらいして、彼女の声がモニターとしてそこにいたモンローに聞こえてきました。

「ブースに誰かいます」

私はマイクのボタンを押して「確信が持てますか?」と聞いた。

「もちろん確信できます。実際のところ四人いますよ。」

私はもう一度彼女とコンタクトし、「四人いることは確かですか?」と聞いた。

「極めてはっきり彼らが見えます。私の足許に二人、頭の所に二人です。」

私は再度マイクのボタンを押した。「彼らは何をしているのですか?」

「私を私の体から持ち上げようとしてるんですよ、信じられないかもしれないけど。」

ここでモンローは気づきました。時間的にちょうどROMCがこのブースにいて、この見えない存在たちの助けを借りて体外離脱するはずだったのです。つまり彼らはこの心理学者をROMCと間違えて、体外離脱させようとしたわけなのです! モンローは思わず笑い出しながら成り行きを見守りましたが、結局五人目の存在が現れ、持ち上げるべきではないと言い出し、議論になった末に、彼らはやっと別の人だと気づいたようです。実験セッション後心理学者は、呆然となりながら帰っていきました。

 

このROMCという被験者は本名がロザリンド・A・マクナイトで、彼女自身も本を書き、この件をモンローから聞いたと述べています。この本も結構面白いです。

この一件で興味深いのは、彼らがなかなか別人だと気づかないで、議論まで始めてしまっている点です。おそらくそうした存在たちは、この世界を私達が見ているようには見られず、ちょうど霊能者がそうした存在たちを見るときのような感覚で見ているのではないでしょうか。霊能者の見え方には人によってそれなりに違いがあり、ある霊能者は子供に見えるのに、別の霊能者は光にしか見えないという類のことがあります。しかし、子供に見えない場合でも、子供であるという情報は視覚ではなく、何か別に伝わってくるのです。きっと、心理学者を体外離脱させようとした彼らは、この時間にこの場所にいる女性であればROMCに間違いないと思ったのでしょう。

 

さて、「魂の体外旅行」にはこうした実験セッションがいくつか載ったあと、モンロー自身の体外離脱体験がずっと書かれています。まず興味を引くのは、肉体に戻るのが難しかったときの気づきです。体外離脱において、この世からかけ離れた世界に行くようになってから、モンローは段々と身体に戻るのに難しさを感じるようになりました。そしてある夜、彼は戻るのが特に難しかった時に、入るのを中断してよく観察してみることにしました。

そうすると目が少し乱視である時とそっくりに自分の肉体が一つではなく二つに見えたのだ。二つの肉体は三、四インチしか離れておらず一つは他方の少し後ろの方にあり、もっとぼけて見える。二つのうちの近い方に近寄ると極めて簡単にすべり込むことができた。ちょっとの間だけそのままの体勢でいると私と私の肉体は部分的にずれていてまだ十分に合致していないように感じられた。

この後もこの話は続きますが、まとめると、

  • 一旦肉体ではなく、この第二の身体に戻らないと、最終的に肉体に戻れない
  • 第二の身体に戻る前は、肉体よりもそれのほうがはっきり見える
  • 第二の身体に戻ると、自分の現在の身体よりも肉体のほうがはっきり見える
という感じです。この第二の身体というのは明らかにエーテル体で、そして体外離脱中の身体はアストラル体だったということでしょう。アストラル体から直接肉体に戻ろうと意識しているとなかなかうまく行かなかったようです。
 
ところでこのエーテル体とアストラル体の性質を、前回紹介したシュタイナーは詳しく書いていて、それらの肉体以外の身体を成長させる手法としてシュタイナー教育を提唱しました。エーテル体は、肉体の素材やその力に生長、生殖作用、体液の循環等の現象を生じさせる働きをするもので、7歳の頃自律するとしています。そのため7歳までの教育には特別の注意が必要で、7歳以降はまずエーテル体の育成(傾向、習慣、良心、性格、記憶力、気質の育成、発達)を考えるべきと述べています。一方、アストラル体は感情と印象を左右するもので、14歳頃に自律するようです。だからそれ以降は、情操教育によって心を育てていくのが主眼となっていきます。
 
シュタイナー教育は面白い世界です。学ぶ方にとってはこうした知識は必要ではないのでしょうが、教える方にとっては、人の見えない身体などに関する知識が不可欠なわけです。
 
「魂の体外旅行」の本に話を戻します。モンローにはガイド的な存在がいて、彼はそれを自分自身が作った言葉を用いてインスペック(Inspec = Intelligent Species)と呼んでいます。モンローはこのインスペックにいろいろな体験をさせられます。過去や未来に行ったり、様々な過去生を見せられたり、正しい対処をするまで何度も同じ場面を見せられたりなどあるのですが、そうしたレッスン的なことが一通り合って、自分が、たくさんの自分の集合体の一部なのだとモンローが分かってきた頃、BBという存在が現れました。この時点で本の1/3程度なのですが、残りはすべてこのBBと一緒に行動して経験したことが書いてあります。
 
インスペックは、BBを助けることがモンローの役に立つと言ってきました。BBは肉体を持ったことのない、全く違う世界から来た存在です。その存在との出会いを通じてモンローは、地球がどうやって、どんな目的でできて、人はその中でどう生きているのかというのを悟っていきます。その詳しい内容は是非本を読んでいただきたいのですが、次回はその概要を紹介しましょう。