弁理士が教えるネーミングのテクニック | 知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

知財を活用した「知財ポジショニング戦略」 徹底解説!

仕組みやモノのアイデア権利化コンサルタント・弁理士 遠藤 和光

ネーミングのテクニック11個紹介します。

  
なお、「○○」は商標、(△△)は指定商品又は指定役務の
意味で使用しています。
   
   

(1)単語を合成する(プラス)

これは2つ以上の単語を合成(プラス)するものです。

「タフ(頑丈)」と「マン(男)」を合成して
⇒「タフマン」(清涼飲料)(商標登録第
2082237号)

 

「なでしこ」と「ジャパン」を合成して
⇒「なでしこジャパン」(商標登録第
5478980号)

これは2011年の流行語大賞になりましたね。
  

「熱」と「さます」と「シート」を合成して
⇒「熱さまシート」(保温保冷具)(商標登録第
4278142号)
  

創業者の「水野」氏と出身地の「美濃」を合成して
⇒「美津濃」(運動用具)(商標登録第
238547号)
 

製品が完成した「葉月(はずき)」と製品の「ルーペ」を合成して

⇒ 「ハズキルーペ」(ルーペ)(商標登録第5412848号等)

 

 「絶頂」して高まって寝落ちする「睡眠」とを合成して

⇒ 「絶頂睡眠」(あん摩・マッサージ及び指圧等)(第5768669号)

 

さくっと食べれるイメージの「いきなり」と食品「ステーキ」とを合成して

⇒ 「いきなりステーキ」(飲食物の提供等)(第5663544号

 

   
(注1)「-」「・」等で単語を繋げて商標登録出願した場合、
それぞれが別々に識別力が判断され、全体として識別力無し
と判断される可能性ありますので、避けた方がいいです(審査基準)
  

(注2)標準文字の場合、スペースを入れて
30文字以内という制限があります(審査基準)。
標準文字というのは特許庁が定めた文字のことです。
ロゴにすれば文字数に制限はありません。
   

 


(2)略語にする(マイナス

これは正式の名前を短縮して略語(マイナス)にするものです。
   
正しくは「着信メロディー」を略語にして
⇒「
着メロ」(電話による通信)(商標登録第4194385号)
2550万円で落札されたそうです。
   

正しくは「アラウンドフォーティ」を略語にして
⇒「
アラフォー」(コーヒー)(商標登録第5358623号)
これは
2008年の流行語大賞になりました。
「アラフォー」は異なる指定商品で他に

3件商標登録されています。
   
創業者の名前の「伊藤萬太郎」を略語にして
⇒「
イトマン」(トイレットペーパー)(商標登録第829793号)
 

片づけコンサルタントとして世界的に有名になった近藤麻理恵

⇒ 「こんまり」(知識の教授等)(商標登録第5907598号)

 

 

  
(3)単語を合成し、略語にする(プラスとマイナス

これは単語を合成(プラス)した後に略語(マイナス)にするものです。
   
「ウォッシュ」と「トイレット」を合成して
⇒「ウォッシュトイレット」とし、これを略語にして
⇒「
ウォシュレット」(便器等)(商標登録第4079967号)
    

「ダスト」と「雑巾」を合成して
⇒「ダストゾウキン」とし、これを略語にして
⇒「
ダスキン」(布地)(商標登録第3057097号)
   

PAINTING」と「PASTEL」を合成して
⇒「ペンティングパステル」とし、これを略語にして
⇒「
ぺんてる」(絵具等)(商標登録第1102296号)
 

開発担当者の友人である「りかこさん」がじゃがいもを

美味しそうに食べている様子から、

「じゃがいも」と「りかこ」を合成して

⇒ 「じゃがいもりかこ」

⇒ 「じゃがりこ」(商標登録第3123266号等)カルビー

 

コアラの絵柄のお菓子たちが、工場から続々と出荷される様子から

マーチングバンドを連想し、「コアラ」と「マーチングバンド」を合成して

⇒ 「コアラマーチングバンド」

⇒ 「コアラのマーチ」(商標登録第4399233号)

 

   
(4)同じ語の繰り返し  

これは同じ語を繰り返すものです。
   
anan」、「nonno」、「vivi」、
cancan」、「キレイキレイ」、「ひえひえ
⇒これらは女性受けするのではないでしょうか?

 


(5)並び替え

これは言葉を並び替えるものです。
   
カラダの言葉を並び替えて
⇒「
DAKARA」(清涼飲料)(商標登録第4498409号)
   

デニム「DENIM」を並び替えて
⇒「
EDWIN」 (洋服等)(商標登録第795545号)
   

本名の「森田」を並び替えて
⇒ 芸名の「
タモリ
」 
   

   
(6)頭文字で作る

これは単語の頭文字から作るものです。
   
Japan External Trade Organizationを頭文字にすると
⇒「JETRO」(経済情報の提供等)(商標登録第4965488号)
   

雑誌名の「女性自身」をローマ字にすると
⇒ローマ字「
Jyosei Jishin」となり、これを頭文字にすると
⇒ 「
JJ」(雑誌)(商標登録第1636588号)
   

Japan United Stores Companyの頭文字にすると
⇒「ジャスコ」(登録商標第1526455
号)
   

創始者「小野」、「岩崎」、「井上」の頭文字にすると、
⇒ 
小岩井農場(乳製品等)(商標登録第1536634号
    

ラテン語の格言の「Anima Sana In Corpore Sano」

(健全な精神は健全な肉体に宿る)

⇒ 「ASICS」 (第1534388号等)

  

 


(7)当て字を使う

当て字を使うのもインパクトがあっていいと思います。

 

有名人 ⇒ 「湯名人」(ガス湯沸かし器)(商標登録第2351952号)

助かる ⇒ 「タスカール」(避難梯子等)(商標登録第1383107号)

降りろ ⇒ 「オリロー」(救命用具等)(商標登録第1607118号)

顔 ⇒ 「花王」(香水等)(商標登録第297479号)

観音⇒「KWANON」⇒「CANON」(ファクリミリ等)(商標登録第3023550号)

カメは万年⇒「 亀甲万」⇒「キッコーマン」(調味料)(商標登録第1502150号)

折る刃⇒「オルファ」(手動工具)(商標登録第784404号)

 

 

 

(8)言語を変換する

外国語を日本語に、又は日本語を外国に変換する。

  

商いする意のラテン語「mercari

⇒ 「メルカリ」(商品の売買契約の媒介等)(第5739824号)

 

社員のひとりが夢で見たギリシャ神話に登場する勝利の女神である

「ニケ」 ⇒ 英語読みにしてNIKE(ナイキ)(第0470527号等)

 

 

 

(9)キャッチフレーズにする

例えば、ライザップの次のものがあります。

「結果にコミットする。」(商標登録第5878027号)

その他のキャッチフレーズはこちら

 

   

(10)流行語を参考にする

皆さん結構利用しているようです。

 

2013年の倍返し⇒ 「倍返し饅頭」(商標登録なし)、
         「倍返したこ焼」(商標登録第5666540号)、

         「倍返しチョコ」(商標登録第5669804号)

 

(11)特許情報プラットフォームを参考にする   

気になる商標で検索すると類似する商標がヒットします。

これが意外と参考になります。