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宗教法人の優遇税制を見直せ!

2024年04月18日 03時31分47秒 | 政治・外交・防衛

<以下の記事は2011年2月1日に書いたものですが、もう一度皆さんに訴えたいと思います。>

★ 宗教法人への税制優遇措置は、不公平税制の最たるものだ!

朝日新聞の1月30日付の朝刊に、宗教法人が事実上「売買」されている特集記事が載っていた。興味を惹かれたので読んでみると、驚くことばかりだ。宗教法人は税制上かなりの優遇措置を受けているから、今やそのメリットが目的で、インターネット上でも堂々と売買の取り引きがされているという。
その背景には、休眠中の宗教法人が急増していることがある。「休眠中」とは、1年間の活動報告が国や都道府県に提出されていないものだ。朝日新聞の調べでは、全国18万2527の宗教法人を調べたところ、休眠の法人が1万6750、全体の9,2%もあったという(2009年度末時点)。
この休眠宗教法人を狙って、不動産業者らが売買に介入しているのだ。関係者によれば、休眠状態の法人格を買うのが手っ取り早いのだそうだ。

休眠法人を悪用する手口としては、会社名義のホテルや飲食店で得た利益の受け皿を宗教法人にして、所得隠しをすることが多い。例えば、長野県のラブホテルの実質経営者が、宿泊料や休憩料の一部を休眠法人への「お布施」と偽ったりしていた。このケースでは14億円もの所得隠しが発覚している。
また、東京・渋谷で地上げをしていた不動産会社の元社長が、休眠法人を使うなどして57億円を隠したとして、法人税法違反容疑で摘発された例もある。 こういう例を挙げるとキリがないので止めるが、とにかく「宗教法人」が悪用されているのだ。
宗教法人には課税対象となる「収益事業」と、非課税の「非収益事業」があり、先に触れたお布施やさい銭、墓地や保育園の経営は非収益事業となる。
これに対して、収益事業になるのは物品販売業、料理店や飲食業、旅館業などであるが、これらについても、経費を除いた所得のうち2割を事実上控除でき、残り8割にかかる法人税率も、通常の30%よりはるかに低い22%で済むというのだ。また、利子や配当なども原則として非課税になっている。

これでは、宗教法人が悪徳業者から狙われるわけで、宗教法人への税制優遇措置は酷すぎるのではないか。一般の常識では考えられない。不公平税制もいいところだ!
私は宗教を否定するものではない。信仰や信心は良いものだ。信教の自由も認められている。しかし、一般常識を超える優遇措置は問題ではないのか。
悪徳業者の介入はもちろん取り締まればいいのだが、それにも限界がある。と言うのは、活動報告を提出しない「休眠法人」がこのところ急増しているのだ。先に全体の9,2%と言ったが、これは5年前(2004年度)の4,4%から倍以上に増えている。
なぜ休眠法人が増えるかと言えば、過疎化などで信者が減ったり、後継者がいないなどの理由による。この傾向は今後ますます強まるだろう。ところが、国や都道府県も目が行き届かないのだろうが、2009年度中に解散などで整理された法人はたったの180件しかない。これはそれより10年前の456件に比べ激減している。整理されない「休眠法人」がどんどん増えるわけだ。

私はもともと、宗教法人への優遇税制に疑問を抱いてきた。立派な宗教団体も勿論あるだろうが、中には怪しげな宗教も沢山ある。霊感商法だとかカルトだとか、詐欺まがいの宗教団体もイヤと言うほどある。こんなものは本当の宗教ではない。
しかし、悪徳宗教がはびこる背景には、税制上の優遇措置があることも事実だ。これは不公平税制の最たるものだと考える。 長くなるのでそろそろ終わりにするが、今日は宗教法人への優遇税制を問題にした。これからも機会を見てこの問題を取り上げていきたい。(2011年2月1日)


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (中やん)
2012-06-18 14:54:11
こんにちは 茨城(KI)県那珂市です.
これ覚えがありますよ.
同感ですと書き込んで,
翌月に大震災・原子力爆発事故が
起きましたっけ.
有難うございます。 (矢嶋武弘)
2012-06-18 15:41:05
中やんさん、覚えていてくれて有難うございます。ヤフーのブログが削除されたので、こちらでも復刻しました。
宗教法人の優遇税制や法人名の悪用など、見直すべき点が多々あると思います。
なんと命知らずなタイトル! (ヒデ★)
2012-08-06 00:34:54
聖域中の聖域ですね。
こんなの多分カルロスゴーンしかできません。
私はパチンコに課税して社会貢献させるべきかと・・・。
優遇税制の見直しは当然 (矢嶋武弘)
2012-08-06 06:01:48
聖域中の聖域ですか? タブーなんですか? もしそうなら、全くおかしいですね。
宗教は良いものです。しかし、それで増長するようではかえって「害毒」になります。私が知っている宗教法人にも、優遇税制見直しに賛同する人がいますよ。
あくまでも、国民や社会あっての宗教です。
織田信長やカルロス・ゴーンのような改革者の出現が必要です。

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