武弘・Takehiroの部屋

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大相撲の土俵は広げられないのか?

2024年04月04日 03時23分29秒 | スポーツ

<以下の記事は2014年11月26日に書いたものですが、一部修正して復刻します。>

相撲ファンとして一言いわせてもらいたいが、大相撲がなんとなく面白くなくなってきたと、多くの人が思っているかもしれない。それは日本人力士の優勝がずっとないとか、日本人の横綱誕生が途絶えているとか、いろいろな理由があるだろう。
それはともかく、私はズバリ言って、土俵の広さにも原因があると思っている。現在の土俵は直径15尺・4,55メートルなのだが、これは1931年(昭和6年)以来続いているものだ。それまでは直径13尺・3,94メートルだったが、その年に、相撲をより面白いものにしようという趣旨で広げられた。
これで、より攻防の激しい相撲になったと思うが、実は終戦直後の1945年(昭和20年)に、当時のGHQの指令で一時、土俵が16尺・4,85メートルに広げられたことがある。しかし、力士会などの強い反対があって、もとの15尺に戻ってしまったのだ。GHQはおそらく、土俵が狭いと感じたのだろう。
それはさておき、ここに面白い資料がある。私はそれを読んでこの一文を書くことになったのだが(以下の記事を参照 ⇒http://binderbinder.blog123.fc2.com/blog-entry-58.html)、それによると、土俵の広さは同じでも、力士の体格は1931年当時に比べて今は格段に大きくなっている。その当時は幕内力士の平均で身長が176センチ、体重が108キロだった。
ところが、現在の力士は平均で身長が186センチ、体重が152キロなのだ。身長でちょうど10センチ伸び、体重で実に44キロも大きくなっている。83年前は、体重90キロ台の幕内力士が沢山いたのだ! なんと大きな違いだろう。
参照記事をぜひ読んでもらいたいが、こんなに身長も体重も違う力士が、同じ15尺の土俵で相撲を取ればいろいろ変わってくるのは当然だ。まず、やたらに前に落ちる相撲が増えたこと、はたき込みで手をつく力士が増えたことだ。要するに、相撲の取り口が単調になり、あっけなく決まることが多くなった。
土俵が狭いのでより体重を増やし、一気に勝負をつける相撲が多い。こうなると、体重ばかり増えて怪我(けが)をしやすい。昔はそんなことは少なかった。皆が今と比べると小さいので、いろいろな技を繰り出し相撲も千変万化だったと思う。だから、今の大相撲はつまらなくなったのだ。
以上が私の大体の結論だが、異論もあるだろう。しかし、83年前に土俵を2尺広げて相撲を面白くしたように、力士の体が巨大になったいま、同じように土俵を広げても何らおかしくはない。いや、むしろ広げるべきだ。どうせなら私は、16尺よりも17尺にした方が良いと思っている。そのくらい広げないと、意味がないだろう。
学生相撲の実験では、土俵を1尺程度広げても勝敗にはほとんど影響がないという。軽量力士が少しだけ有利になるそうだが、今と大差はない。それならば、増えすぎた体重を落とし、今よりも“多彩な技”が見られるであろう広い土俵の方が良い。相撲ファンや関係者にぜひ、一考をお願いしたい。(2014年11月26日)


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土俵の拡張 (shubou)
2015-12-01 10:29:51
私は相撲が体格差によるランク分けをしないで成り立っている理由は土俵の広さ(狭さ)が絶妙だからだと思っています。しかし、15尺を決めた時代と現在とで力士の体格が仰せのように大きな変化があるのであれば、土俵を少しは大きくすることも必要かと考え直しているところです。戦後GHQの命令で土俵を広くしたとき力士が反対した理由は勝負が長引いて疲労が酷いということであったと聞いています。私は土俵が広ければ広いほど勝負が長引き相撲の面白みは漸減していくと思っていますがいかがでしょうか?
ただ、学生相撲で実験した結果、土俵を1尺広げたら軽量力士が有利になったというのはどういう理由によるのか知りたいです。
相撲を面白く (矢嶋武弘)
2015-12-01 15:37:47
年6場所で力士は大変でしょうが、今の土俵は狭いと感じます。
とにかく、立ち合いの「はたきこみ」で勝負が決まるような相撲が多く、見ていて面白くありません。実にあっ気ないですね。
土俵を広げれば、軽量力士にかえって有利になりそうというのは、参照記事によるものです。詳しい要因は分かりません。
力士には大変ですが、土俵を広げればもっと多彩な技が増えるでしょう。
力士の体格がもの凄く大型化したため、もう一度考え直す余地はあると思います。
Unknown (おきよ)
2019-11-24 14:03:44
私も若い頃から大相撲ファンです。昔に比べ大型力士が増えましたね。
若い頃両国に住んでいたので普通に力士を見ていましたが着流しで歩く力士たちはそれほど大きくはなかったように思います。
大相撲も国技館で観ましたが、今よりは動きがきびきびしていたような。。大鵬が大関の頃でした^^
大型力士 (矢嶋武弘)
2019-11-25 10:00:13
昔に比べて本当に大きくなりました。
鏡里という横綱がいましたが、とても大きくて肥満の力士でした。ところが、今や鏡里ぐらいの力士は大勢いて、それより巨大な200キロぐらいの力士が何人もいます。
体格が巨大になったせいか、怪我も増えていますね。
土俵を広げれば技が多彩になるはずで、動きももっとスピーディーになって、体が締まってくるでしょう。そう期待したいものです。

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