バハムートの焼肉@オイレンのラノベ置き場・双札

月から金、土はときどきを目標に私が書いたラノベを置いていきます。

騎士剣戦隊キシケンジャー/11

騎士剣戦隊キシケンジャー 11
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 
f:id:OirenW:20200313215221p:plain
 
 「ようやく、講義が終わったぜ、資料見せてもらいに行くとするか!」
 『おう、そうだな!』
  大学の校舎より構内にでて別の出入り口の方に歩いて行く・・・
 『にしても、お前が大学生だなんて初めて知った時は驚いたが・・・』
 「そうか?言うほど珍しいことでもないと思うがな・・・ん?あれは・・・?」
 空の上からデカいドラゴンが降りてきて、街に火を吐きまくっている!?
 黒い赤を基礎とした火山と溶岩でデザインされたようなドラゴンだ、レッドドラゴンより、尚も大きい!?
 『あれは・・・ヴォルケーノドラゴンか!?』
 意外な発言にリストバンドにくっついたレッドリアの方を思わず見る
 「知っているのか!?」
 『ああ、守護精の一体だが・・・?』
 「もしかして、行方不明になってた?」
 『いや、それとは・・・あ!』レッドリアの声にヴォルケーノドラゴンの方を見る、と、
 っつ、あの竜の周りに結界が!?
 「とにかく行こう、あいつを止めるんだ!」
 
 と、駆けつけた公園で、大きな赤いひし形が集まったような魔怪人がいた・・・
 頭や胴などを適度に一つのひし形で兜や鎧にしつつ隙間には黒い全身スーツの人型が垣間見え、両手のそれは剣のように長い
 そこに、みんなも集まってきた
 するとそいつはおどけてか両腕を広げ
 「お初にお目にかかるキシケンジャーの諸君、我は新世代魔怪人、ネオ!」
 「ネオ?」
 「魔怪人には違いないのね?」
 「その通り、この結界も私が展開させてもらっている」
 マコミの質問に律儀に答えるネオ
 『ならば、あのヴォルケーノドラゴンも・・・』
 「無論、我らが連れてきて、暴れてもらっているよ、無理矢理痛みを与える鎖をつけてね・・・」
 「キシャアアア!!」
 痛みでか大きく吠えて周りに炎を吐きまくるヴォルケーノドラゴン・・・
 「なら、おまえを倒してあの鎖も解けばいいだけだ!キシケンチェンジ!!」
 勢い込むシルバーダと共に、俺達も変身!
 キシケンチェンジ!!
 「赤の騎士!キシケンレッド!!」
 「青の騎士!キシケンブルー!!」
 「黄の騎士!キシケンイエロー!!」
 「緑の騎士!キシケングリーン!!」
 「桃の騎士!キシケンピンク!!」
 「銀影の騎士!キシケンシルバー!!」
 騎士剣戦隊・・・キシケンジャー!!
 背後からの爆発と同時に、俺達も前に出て行く
 「おっと、君たちの相手は私ではないよ、先生!せんせ~い!!」
 すると、木陰より一人の騎士が不気味かつ、威風堂々と出てきた!
 その身にまとう赤い鎧は血のように赤く、シルバーダの物よりも先鋭的で、かつ、剣も盾も少し鋭いものになっている
 『何っ!?あれは・・・』『そんな、まさか!?』『なんで・・・あの人が敵に・・・』『ううむ・・・』『ど・・・どうしましょう・・・』
 レッドリアたちが戸惑う声を上げる中で、それはゆっくりとこちらを見据え・・・
 「お前達が・・・キシケンジャーか・・・?」
 「あいつのこと、知っているのか?レッドリア?」
 『・・・あれは・・・ザムレッド、私の師にして・・・長年行方不明となっていた、史上最強の騎士と言われた男・・・』
 「し・・・史上最強・・・!?」
 『ま、始祖の騎士団をのぞいてだけどね、』「始祖の、騎士団?」
 『我がジャステールナイツ王国には一つの騎士団が建国に深くかかわっていてね、その時の騎士団長が今の王族の祖先であり、その騎士団が始祖の騎士団って呼ばれてるってわけ、もちろん、僕達が所属するジャステール騎士団はその直系に当たるのさ、ま、伝説上の人物たちと言っても過言じゃないし、美化してる人も多いからね、実力そのものは定かじゃない、名実ともに、あの人が最強の騎士だって言われてても不思議じゃないだろう』
 『そして・・・ヴォルケーノドラゴンの主でもある・・・』
 「あの、ヴォルケーノドラゴンの・・・?」
 思わず一瞬だけヴォルケーノドラゴンを見る、それは今だに苦しそうに暴れている・・・
 『そう、師匠がいなくなった後、誰も己の主と認めず・・・結果、基地に擬態して、砦として長らくひっそりと生きていた・・・』
 「そう、だったのか・・・」
 そして、俺たちは改めてザムレッドの方を見る、
 『師匠、私です、レッドリアです!!』
 「レッドリア?知らぬ名だな・・・」
 『ああ、そうか、名前を変える前に行方不明になられたのですから知らぬのも当然ですね、私です、ガラドです!!』
 「ずいぶんと懐かしい名だな、だが、今の貴様と私は敵同士、手加減せずに行くぞ!!」
 『師匠、なぜですか!なぜ魔皇帝の手先などに・・・』
 「そのことを言う必要性はないっ!!」
 ザムレッドがこちらに駆け出してくる!
 「史上最強の騎士か・・・面白い!」『待てサトル!ええい、行くしかないか!!』
 「はぁああ!」
 キシケンブルーの裂帛の気合いと共に、最も得意な突きの一撃が放たれる、しかし、それは難なく盾で弾かれる、
 痺れるほどの衝撃と共に、キシケンブルーが一瞬剣を取り落としそうになるほどの一撃、
 「こんなものか!」
 対するザムレッドの突きはキシケンブルーの突きよりもわずかに遅い、しかし、その力と狙いは十分すぎるほどであり、
 確実にキシケンブルーの胴体を捕らえ、弾き飛ばした!
 「がはっ!ならこれで」『バタフライアンドサンダービークレスト!!』
 追撃の袈裟懸け斬りを舞うように避けるキシケンブルー、がそこで繰り出したカウンター突きの一撃は読まれていたか、盾に難なく躱された、
 更なる追撃も舞うように避ける、が、カウンターはしない、
 舞う様にザムレッドの周りを回る、キシケンブルー・・・
 「そこだ!」
 ブルーのザムレッドへの背後からの容赦無い一撃、が、いつの間にか盾が後ろに配されていた・・・読まれていた!?
 「なにっ!?」
 再度盾に弾き飛ばされ、そこからの回転切りの一閃、続けざまの流れるような連続攻撃を喰らうキシケンブル
 「いくら強い剣でも、想定された状況でしか力を発揮できないのならそれはお遊戯会の剣に過ぎない!!」
 とどめの大縦振りの剣を喰らい吹き飛ばされるキシケンブルー!
 「次は私!」『ミラーデブリ&リフレクショットクレスト!!』
 周りに鏡の破片をばら撒いてからの連続銃撃、しかし、ザムレッドはひるみもせずに近づいてくる
 「ちょ!?止まりなさいよ!」
 さらにショットの密度を上げるが、まったく効いていない、
 しまいには十分近づかれて鏡の破片ごと砕くような横振りの剣を喰らってしまう
 「がはっ!」
 そこから袈裟懸け、反袈裟懸けと剣げきの嵐!
 「いくら遠距離攻撃が得意でも、近づかれた時に力を発揮できぬ剣術の腕しか持たぬものに、騎士たる資格はない!!」
 振りかぶっての大横切りに吹き飛ぶイエロー!
 「がはぁっ!」
 「次は俺だ!」『ウォールシールド&ウォールハンマークレスト!!』
 キシケングリーンが城壁を出現
 「そんな物に意味はあるのか?」
 それをザムレッドは縦に一気に二連斬して三等分にし、中央を蹴り倒す
 「ぐはっ!」
 潰されるキシケングリーン、が、それでも立ち上がり、
 「はっ!」
 残った城壁を持ち上げ縦にして叩きつけて行く、これを盾で何事もなかったように防ぐザムレッド
 「いくら力自慢でも攻撃をきちんと当てられなければ意味はない」
 盾で弾きつつ一気に駆け走り、キシケングリーンの横まで移動し
 「なにっ!?ぐはっ!!」
 横切りで一気に吹き飛ばした
 「次は私が行きます!」『ヒールナースアンドスマッシングキュアクレスト!!』
 キシケンピンクがその剣を幾度も叩きつけるも、涼しい風、
 どころか、一剣で叩き伏せ、それでも立ち上がろうとするキシケンピンクの右肩を掴み、力を込め砕いていく!
 「か・・・肩が・・・」
 「私の時代にも貴様のような戦い方をする騎士がいたものだ、だが、いくら回復能力があったとしても、意味のある攻めが出来なければ無意味だということを覚えておくがいい」
 離した時にはキシケンピンクは崩れ落ち、息も絶え絶え、
 肩を再生するために力を使い切ってしまったか!?
 それを蹴飛ばし跳ねるザムレッド
 「次は俺だ!」
 キシケンシルバーとザムレッドの正面からの騎士剣同士の撃ち合い、
 しかし、盾をかち合わせても・・・
 剣を打ちあわせても・・・
 ザムレッドの方が速く、力強い・・・キシケンシルバーが押し込まれる、
 「正式な騎士の鍛錬を受けているようだな、だが、この程度なら私の方が上だ・・・」
 「いいや、まだだ!ブリザードガストアンドフリーズリターンクレスト!!はっ!」
 纏う吹雪の一撃、これをザムレッドは真正面から斬り裂いた
 「なにっ!?」
 「そこだ!」
 振るわれる二撃目と、ザムレッドの剣、押し勝ったのはザムレッド!キシケンシルバーが吹き飛ばされる!
 「行くぞ、レッドリア」
 『だ・・・だが・・・』
 「仲間がやられているのを見てられるか?」
 『う・・・ううむ・・・仕方が無い!』
 今度は俺とレッドリアが前に出る、
 前に出るだけでわかる圧倒的な威圧と実力・・・
 「行くぞ、ガラド!!」
 「はぁああ!」『はぁあああ!!』
 大振りからの横剣閃はあえなく受け止められるも、そこからの蹴撃!
 とみせかけての腰下からを狙った大振り剣!
 「ぬぅ!」
 それを後ろに跳び避けられた、が、ここを狙っての突き!
 「馬鹿らしい!」
 向こうが盾で大弾き、しようとするのを両足でどうにか踏ん張り、押し戻す!
 「ほう・・・力で対抗してくるか?」
 「いいや」『ソードアンドシールドクレスト!!』
 近距離より盾の出現で吹き飛ばし、上段よりの出現させた刃の追撃!
 「その程度では届かん!」
 が向こうの盾の力強い一撃に刃は打ち砕かれ、
 「ぬん!」
 今度は逆に、踏込みからの鋭さと力強さを備えた一薙ぎ撃を喰らい吹き飛ばされ倒れこむ・・・だが!
 「はぁあああ!!」
 まだ、立ち上がる!
 「ほぅ・・・今の一撃を喰らって立ち上がるか・・・」
 「ああ、そうだ・・・もう一度・・・!」
 一気に前に出て、体をひねらせ、横に斬る!
 『なんだ!?さっきよりも速くなっているぞ!?それにその剣術は・・・』
 「ぬぅ!?」
 今度は盾で受け止めるが・・・受け止めきれていない!
 滑るように流されつつも両足を踏ん張り、剣を反転して一気に盾を切り弾き、そのまま胸胴に一撃!
 今度こそ、レッドリアにたたらを踏ませた!
 さらに胴中央に突きを入れ、完全に後ろに飛ばす!
 後ろに下がりながらも、少し顔を見上げるように不審げに俺を見るザムレッド
 「なぜだ・・・なぜいきなりここまで・・・」
 「あんたを見てたら、親父の事を思い出してな・・・」
 「親父・・・だと・・・」
 「ああ、そうだ、昔剣道でもしていたのか、こっそりと毎日剣の素振りをしてるような人でな、俺もそれをこそこそと裏で見ていたのさ、母親が好きにさせてやれって言うから、何も言わずにただ見てるだけだったんだが、ま、剣術を教えてくれって言ったって、お前には必要ないと頑なに教えてはくれなかったが・・・だが、その親父の剣を今思い出して来たんだよ!!」
 「な・・・いや・・・黙れ!!」
 一瞬驚いたそぶりをするも、瞬時に俺の横に
 「なにっ!?」
 剣で防ぐ間もなく一気に三連剣を叩き込まれ、
 「はぁっ!」
 一気に吹き飛ばされ、変身を解除されていた・・・
 「な・・・やはり・・・」
 「何を驚いているんだ・・・」
 それでも何とか立ち上がる俺・・・
 「レッドリア、まだ・・・行けるか・・・」『なんとか、やれると思うが・・・』
 「なら行くぞ・・・キシケンチェンジ!!」
 「それならば、仕方が無い、今度は皆で・・・」
 サトルの言葉に、
 全員でザムレッドを取り囲む!
 「甘い、多対一の戦い方を知らないとでも思ったか?」
 剣から炎が噴き出す・・・
 「フレイムスピンスラッシュ!!」
 炎の回転切り!?
 それに全員が吹き飛ばされ・・・ザムレッドが去って行く・・・!?
 「おい、どこへ行く!?」
 「こんな奴ら相手にならん、お前が始末してくれるんだろう?」
 「ふ・・・そういうことか、まかせろ・・・」
 立ち上がりかけたところに、ネオが走り込み、防御する間もないほどの連続攻撃で俺達六人を一方向にまとまり飛ばし
 「とどめだ・・・はっ!」
 両腕からの赤い斬撃に、俺達は吹き飛ばされる!
 「ははは・・・人間とは弱いものだな、どれ、完全に敗北させてやろう・・・はぁあ!!」
 すると、結界の魔力が集まりネオが巨大化!
 「あいつ、まだやる気か・・・!」『致し方ない・・・呼ぶぞ、レッドドラゴン!』
 『ブルーサーペント!!』『イエローキマイラ!!』『グリーンベヒモス!!』『ピンクフェニックス!!』
 「シルバーキュウビ、グラッシュイエティ、ソンゴクウ」
 「余力が無い・・・一気に行くぞ!!」
 完成!デュアルナイツキシケンオー!!
 「はははっ!それっ!!」
 すると、ネオが両腕に力を籠め、一気に外側に振るうと、幾多の小さい斬撃がネオの肩上後方に飛ぶ!
 「そりゃああ!!」
 両腕を振るうと、それに連動して幾多の小さい斬撃が俺達を襲い、
 「これでとどめだ!」
 その斬撃を両腕に戻して吸収、一気に巨大化させこちらに飛ばしてくる!?
 仕方が無い、こっちは・・・
 デュアルナイツキングスラッシュ!!
 赤の両斬撃と光と闇の斬撃、しかし、押し負け、吹き飛ばされた!
 がはぁ!!
 倒れる衝撃に思わず声を上げる俺達!
 「さぁ、とどめと行こうか・・・」
 ゆっくりとこちらに歩いてくるネオだが、俺達に戦う力は残されては・・・
 「キシャアアア!!」
 ヴォルケーノドラゴンがいきなり大声を上げ、鎖の先の鉄球ごとどこかに飛んで行く!?
 「おい、どこへ行く!!おいこら、戻ってこい!!」
 ネオは、そのヴォルケーノドラゴンを追い、どこかへと消えてしまった・・・
 
 「くそっ!まさか、ザムレッドさんが敵に回っていたなんて・・・」
 何とか逃げた基地でシルバーダが顔を少し伏せるほど憤っていた・・・
 『そういえば、シルバーダは直接会ったことなかったっけ?』ブルーリアが話し出した「なんで直接会ったことないのにこんなに落ち込んでるんだ?」
 サトルの疑問
 『そりゃあ、私達が英雄伝吹き込んだし』「英雄伝?」
 イエローリアに疑問を呈するマコミ
 『魔の森から向かい来る魔物を一人で百体斬ったとか、盗賊団をいくつも壊滅させて来たとか』「それ、全部ほんとのことかよ・・・」
 グリーンリアを見ながら言葉を無くすジンカイ
 『そりゃそうよ、私達の憧れだったわ、結局、指導を受けられたのはレッドリア一人だったけどね』「そうなんですか?」
 ユナがピンクリアの言葉を聞きピンクリアを見て言葉を紡ぎ、
 『・・・あの人は、元から弟子を取りたがるような人ではなかった、私が弟子になれたのも、上から無理やり言われてのことに過ぎない、弟子を取らないならやめろと、それで渋々私を弟子に指名した、足手まといなら置いていくと言われ、付いていくのに必死だった、だが、それもほんの数年の事、いつの間にか姿を消し、それが長くなり、まわりは皆死んだものとばかり・・・』
 「だが、生きていた、魔皇帝の奴らに何かされたとかは・・・」
 『いや、そうとは思えん、あの人がいなくなったのはもう何十年も前の事、守護精が消え始めたのは数年前からだ、関連性があるとは思えん、しかし、それでも関与しているとなると・・・』
 俺の相槌を聞きつつも死後は言葉を無くすレッドリア・・・
 ・・・決めた!!
 俺は立ち上がり、とある場所へと歩き出す
 「ユウキ、どこへ行く」
 「ひさしぶりに、親父の顔が見たくなった、もしかしたら、突破口が見つかるかもしれないしな、すぐに戻る」
 「一人で・・・行くのですか?」
 「ああ、最近、里帰りしたいなーって、漠然と考えててさ」
 「危険だぞ?」
 「なに、すぐに帰ってくるさ、シルバーダ」
 「なら、これをお守りに!」
 俺の前に回り込んだユナがとあるものを両手に持って俺に差し出してくる、
 「なんだよユナ・・・」俺はユナの顔を見つつも差し出された方に目が行く「こいつは・・・?」
 そうしている間にも、他のみんなも俺の前、ユナの左右に回り込み
 「俺のも持って行け」「私のも」「俺達は俺達でどうにかするさ!」「心配しないでください」「すぐに戻ってこいよ!」
 俺はみんなを見て、言い切る!
 「ああ!とっとと行って、とっとと帰ってくるさ!!」
 
 玉座の間に、赤い騎士が現れた・・・
 少し焦った様子で我の方を見る赤い騎士・・・
 「どういうことだ!、妻と息子に手は出さないとの約束ではないか!!」
 「手などだしてはいない・・・」
 我の計画を邪魔する不確定要素か・・・
 「どうあっても、キシケンジャーを倒せ、そうでなければ約束は守らん・・・」
 「ま、待て、私の父と母は無事なのか!?」
 「ああ、無事だとも、なんなら、ここに戻ってきて確認するか?」
 「・・・いや、いい・・・」
 「ふん、それじゃあな・・・」
 騎士の幻影がつゆと消え去る・・・
 「いかがなされましょうか?」
 レダか・・・
 「放っておけ、それよりも、お前はお前の計画を果たすのだ・・・」
 「はっ!」
 
 「くそったれ!」
 最強の騎士様が魔皇帝様と何やら話しての通信の後にご立腹か・・・
 何話してたんだ・・・?
 「なぁなぁ、ザムレッドさまよう」
 が、ここにふざけて話しかけるバカ狼が一匹・・・
 「俺と勝負してくれよ、あんたみたいな強い奴を見てるとうずうずする」
 いや、戦闘狂が一匹か・・・
 「味方とは戦わん、大事な戦力だ、模擬戦ならいくらでも付き合ってやる」
 「それじゃあ俺の気が晴れねぇんだよ!!命懸けの戦闘をやろうぜぇ!!」
 「断る、貴様を倒す労力で私は敵を一体屠る、貴様も敵を屠れば敵は二体減る、それだけで戦いは十分有利になる」
 「そんなこっちゃねぇんだよ!キィィイイイイイイ!!」
 あ~あ、地団太踏んでやがる・・・
 「やっぱり、この俺の飢えを満たしてくれるのは・・・あいつらしかいねぇ・・・!」
 ありゃりゃ、どっか振り向いて行っちまった、また修業かな・・・?ん?
 「お!ザムレッド様もどこに行くんで?」
 「散歩だ、付いてくるなよ・・・」
 「そんなあいつじゃあるまいし、命無くすようなマネしませんよ」
 「そうか」
 だが、俺は見た、去ろうとするザムレッドを影から見据える奴がいることを・・・
 
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――