自分が子供の頃は、どこのケーキ屋さんでもよく見たケーキ。
そう、たぬきの形のケーキ。
パティシエなんて言葉も知らないあの頃、ショーケース内に並ぶ愛らしいたぬきのケーキに、胸ときめかした懐かしの記憶。

昔食べた時は、バタークリームケーキのたぬきケーキが多かったけど、これは生クリーム。
日本全国隈なく分布したたぬきケーキも、今や絶滅危惧種に認定されてるみたい。
製法には、ある種の共通点があって、耳がアーモンドのスライスだったり、顔の意匠なんかはだいたいどこも同じように作られています。
当時のケーキ職人さん達に、製法が広まった事が実に興味深い。
そこには、大人も子供もこのケーキを見て笑顔になる、微笑ましい光景。
あの頃の僕にも確かにあった思い出。

このケーキを食べる時。
胸が痛むのは、今も当時のままでした。

御馳走様でした。