ヤニス・バルファキスの本。

まず一言。どこが美しいんやねん?

さて、経済絡みの本を読んでみた。
表題通りにとてもわかりやすかったが、残念なことにかなり俺の好みとはかけ離れていた。
何処が美しいのかも、さっぱり分からなかったし。

なによりもかけ離れていたのは、生産設備や高度な技術によって制作された機械について、それを大勢で共同所有しようと主張していたところだ。
折角丹精込めて作った機械や設備で、自分が儲からないことが確定してしまったら、やる気を無くしてそれ以上の発展はしないのでは無いだろうか?
だからこそ、共産圏の技術はいびつだったのだと認識しているのだが、違うのだろうか?

まあ、性に合わないのはこれだけだった。
ほかの所、例えば、経済的な民主主義を実現しようという話には大賛成だ。
経済についてうんちくを語れるくらい勉強している人間はいるかもしれないが、それでも日本が破綻すると主張するあたりに問題が有るとは思うが、方向性としては賛成である。
アポリジニガイギリスを植民地にしなかった理由とか、かなり納得が行く答えだったのも好感が持てる。

この本を読んでいて一番面白いと思ったのが、戦時中の捕虜収容所内で、通過として煙草が使われていたという話の所だ。
確かに、通過として一定の基準を見たいしていると思う。
煙草とビットコインの比較などは、かなり面白く読ませてもらった。
そして、最初から胡散臭いと思っていた仮想通貨から、更に足が遠のく結果となった。

そうそう、少し経済から離れるんだが。

俺はてっきりファウストはゲーテが原作だと思っていたのだが違ったようだ。
この本を読むまで知らなかった。

まあ、それは良いとして、ファウストという一つの話を見ただけでも借金と返済についての考え方が分かるという話は、とても興味深かった。
借金を帳消しにしてくれないと地獄が続くらしいことは知っていたが、それがどうやら現代の、資本主義の原則の一つらしい。

資本主義と言えば、借金をしないと成功できないというのも原則の一つらしいことが分かった。
いや、まあ、借金することも難しいというオチはある物の、何かを始めるには元手がいることだけは間違いないだろうし、それを借りるという選択肢があるだけでも、上場なのかもしれない。

さて、そろそろ結論。

何カ所か抵抗を感じる物の、この本は経済を理解するための一助になってくれると思う。
是非時間を作って読んでみてもらいたい。

そうそう、これは蛇足なのだが。
ギリシャは債務を帳消しにしてもらい、経済的な復活を果たした。(らしい)
ファウストは神様の手を借りて悪魔との契約を反故にした。
では、これからの社会で、真面目に借金を返す人間が馬鹿を見ることは無いのだろうか?
韓国じゃあるまいに、そんな事は無いと思うのだが、この本を読んでみて、それがとても気になった。


ランキングに参加しています。お暇なようでしたら、下の電子住所をひっぱたいてください。
http://blog.with2.net/link.php?1740066