風見鶏の本。

まず一言、黄昏れているな。

さて今回は、短編連作という体裁を整えつつ、長編的な話の流れになっていた。
二巻の完全な短編連作とは少し違うが、これもなかなか良い感じだった。

五巻目は冬になりかけの時期の話なのだが、のっけから、同じ台詞を口にしつつ、同じ動作をしているのに全く感想が違うという、人として最も妥当な展開から始まった。
俺が読んでいるのは、もう冬本番なので時期的にかなり一致しているために、思わず家にも暖炉が欲しくなってしまったほどだ。
ガスファンヒーターがあるが、これは少し風流では無い。

さて、今回、完全な短編連作にならなかったのは、ある老人の暗躍が原因だったのだが、もう少し突っ込んで行けば、原因を作った老人に情報を流した黒幕がいるはずだ。
まあ、ゴル爺だとは思うのだが、その辺余り突っ込まずに想像で楽しんだ方が良いだろうと思う。
そもそもゴル爺なる人物が、どこで何をしているのか全く分からないという、謎に満ちていることだし。

本筋とは余り関わりが無かったが、兎親分の過去に少し触れられており、人生の黄昏を感じてしまった。
ついでのように、喫茶店の看板を描いた画家の話も出てきたが、こちらはまあ、若いので色々大丈夫だろう。

さて、もうすぐ出版されている話は読み終わってしまうが、とりあえずどんな結末へ持って行くのか楽しみだ。
出来れば今年中に読み終わってみたい。


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