スピカは足が悪い。
歩く時、ひょこん、ひょこんて、びっこひく。
段差の多い田舎家は負担やったんやね、かわいそうなことした。
あちこちに踏み台置いてるけど、歳と共に悪化してる。
せめて体重が増え過ぎんよう、ご飯量コントロールしてる。
けど、もう一人のお姫様「いち」は、ちょびーっとずつ何時間もかけんと食べてくれへん。
そやから「いち」のお皿には、いっつもご飯が残ってる。
スピカにしたら拷問みたいなもんやろね。
私に怒られるってわかってても、ついついつまみ食いしてまう。
きょうもきょうとて、
第一ラウンド終わったばっかりで、まだいっぱい残ってた「いち」のご飯、
私がお勝手で洗いもんしてるわずかな間に、こんなことになってしもてた。
今更怒ってもわからんかも、
と思いつつ、かとゆうて一応復習しとかなあかん。
「誰かな、これ」
「なんでっしゃろ?」
「これはどなたはんの仕業でしょうか?」
「わてのあずかり知らんことでおます」
「ほんまでっしゃろな?」
「き、記憶にございません」
ちなみに普段のスピカさんは、こんなお顔。
ふぐふぐの膨張、眉間のたんこぶ共に見られません。別嬪さん。