ロードバイクで雨天走行後のメンテナンス

先日ちょっとそこまで、、、の予定だったわけですが、ばったりと!
からの~~~、急遽野外授業!!(笑)

そしてこうなります。
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天気予報のウ・ソ・ツ・キィィィ~!!

この時期の雨は寒いです。。。
基本的にロードバイクは雨でも問題なく走れるようにできています。
(フロント:Hutchinson ギャラクティック TLR リア:Vittoria RUBINO TLRでウエットは問題なしです。)
ロードバイクはオールウェーザースポーツのレース機材ですので、雨で壊れてしまうようなことはありません。しかしその後放置をするママチャリとは違い、メンテナンスが必要になります。

雨って一見水ですのであまり汚くはないように思えます。
しかしです・・・

ということで今回はロードバイクで雨天走行後のメンテナンスをする、そんなお話です。



帰りの道中、一部区間は完全ドライでしたが、基本的には雨!
久しぶりのしっかり雨の走行でした。

凍えるほど寒くなければなんとかなってしまうのも真冬を超え、春が間近に迫っているからでしょうか。

▶雨天走行後の状態確認
ともあれ状態を見てみます。
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一見タイヤもフレームも濡れてはいますが、そこまで汚くは見えません。
※タイヤが綺麗だと車体がしまって綺麗に見えるというのは、お約束です。

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チェーンの油切れ感もありません。
さすがシクロもOKなワコーズのエクストリームです。

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むしろ水分が艶っぽくも。(笑)

しかし細部を見てみると、、、
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雨水と一緒に巻き上げられた砂がすごいです。

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サドルまでジャリジャリ状態です。

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リムは砂とブレーキカスのようなものとミクスチャー!
一枚かわをかぶったような状態に。。。

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オイルが付く部分は、水分とオイルでドロドロです。

ということで結論ですが、、、

雨天走行は細部までめちゃくちゃ汚くなる!
ということです。

で本題の雨天走行後のメンテナンスを状態から考えていきます。

▶雨天走行後に車体に悪影響を与える要因3つ

①水分
水分は残したままにしておいてもいいことはありません。
百害あって一利無しとはロードバイクにとっての水分のことと言ってもいいぐらいのものです。サビの原因にもなりますし、オイルを劣化させます。
水分は除去したほうがよいのですが、そこには注意があります。
それが下の異物です。

②異物(砂)
水分を拭き取ろうと汚れもついたままフレームを拭いてしまうと、水分に紛れ込んでいる異物、砂等の影響でフレームが傷だらけになってしまう場合もあります。
フレームを拭く前は異物をできるだけ除去してから拭き上げることでフレームの傷を防ぎます。

またドライブトレインについた異物はギアやチェーンの摩耗の原因となります。

③油分
油分も水分が混ざることで乳化したり、潤滑剤としての性能は少なからず落ちていきます。
油膜切れを起こせば、金属の摩耗をすすめることになります。これはチェーンだけではなく、ディレイラー等も潤滑不良のまま使い続けるのは良いことではありません。

✓オイルとグリス
本題に入る前にですが、
オイルは日常的(洗車時等)に入れ替える作業が必要になるものです。
グリスは定期的にオーバーホール時などに入れ替えるもので洗車のたびに、というものではありません。
両者代表的なお話ですが、オイルと言えば想像しやすいのがチェーンオイルです。チェーンオイルは洗車時には落として、きれいなオイルを指し直します。グリスといえば想像しやすいのがヘッドパーツです。ヘッドパーツは洗車ごとにグリスを、、、ということはしません。

グリスとオイルは基本的に住み分けられているもので、グリス部分に注油はしませんし、チェーンにはグリスを塗ったくることもありません。
どこがグリスでどこがオイルで、というのを理解することは大切なことです。


▶雨天走行後に最低限やっておいたほうがいいこと
雨天走行後にやっておいたほうがいいことですが、少々乱暴な言い方ですが一番目につくフレームの汚れでトップチューブとか、ダウンチューブの両サイドとかを綺麗に!というのはメカニック的にはあまり重要ではありません。
綺麗にしておくに越したことはありませんが、最近のカーボンバイクであれば多少濡れていても汚れていてもあとからでもなんとでもなります。

重要なのはむき出しのドライブトレイン、ギア周りです。
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前後ディレイラー、ギア歯等です。

ここは普段使っているチェーンオイルの種類や量にもよりますが、ほっとくと錆びます。
ということでフレームを拭き上げるのは後回しにまずは、まずはドライブトレインの水分をなんとかします。
ビショビショでみずが滴ったままではあれなので、何回か自転車をバウンドさせて大まかに水を切るというか落とせる水分を落とします。

その後エアコンプレッサーがあれば水分をバンバン吹き飛ばしてしまえばいいわけですが、ない場合はフロアポンプでもいいかと思います。フロアポンプ付属の先っぽをボール用とか米式とかに変えると使いやすいと思います。(この際に水分が飛びますのでフレームを拭き上げたあとだと二度手間になります。)

別の方法としてはマイクロファイバークロスで柔らかく水分を拭き取って上げるといいと思います。しかしドライブトレイン周りは油汚れもありますので、コストは少々掛かります。

ざっくりとでも水分を除去したあとは、水置換性能のあるスプレーを使用していわゆる水抜きをします。
水置換性能のあるスプレーは水分が多少残っていたとしても使えるオイルで、潤滑だけではなく防錆の役割もあります。

水分の上からスプレーをしても水分の下に入り油膜を形成してくれます。

ワコーズだとラスペネ、ヴィプロスだとマリンルブリカントがおすすめです。
この水置換性のあるオイルは多少ですが、水だけではなくて汚れもまとめて浮き上がらせてくれます。

ということで雨天走行後の最低限のメンテナンスとして、水分を除去して水置換性能のあるスプレーオイルを塗布する。これは必須メンテナンスです。



もう少し突っ込んだメンテナンスができる場合は、やはり洗車です。
さんざん濡れたのに洗車かよ、、、ということもあるかと思いますが、雨天走行は前述のように単純に濡れるだけでなく異物を激しく巻き込んでおります。
ということからも大きくわけて2つの目的です。
①乳化したり劣化したオイルを除去する
②きれいな水分を用いて異物を除去する

ということでやはり洗車がおすすめです。

チェーンオイルを落とすことに用いられるディグリーザーは水分で乳化させ洗浄成分を無効化する製品が多いです。ということはビショビショのチェーンにディグリーザーを使用しても十分な性能を発揮できません。ということでざっとでもいいので水分を除去してからディグリーザーを使用します。

ディグリーザーでオイルを落として、きれいな水をたっぷりと使って異物を除去します。

実はこれ、通常の洗車の目的でも同様で、上記2点がメインになります。

雨の後は
・もともと濡れている
・(巻き上げ等の影響で)汚れが多い
ということぐらいの差です。

ですので原則雨天走行後でも通常の洗車とやることは変わらず、特別なことが必要になるわけではありません。

オイルを除去後じゃぶじゃぶ洗って、綺麗にします。

あとは普通に水分を飛ばして、水抜きして、オイル塗布、これで終了です。
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これで次回いつでも出撃できる状態です。

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※雨天走行は特にカーボンリム用のシューが減りますので残量を確認しておくとよりベターです。



あとは先日も質問を頂いたのですが、水が抜けにくいフレームは?ということですが、
通常車体の一番下側、BB付近に水抜き用の穴があったりしてフレーム内部に水分が入りこんでも抜けるようにできているものが多いですが、そうではないフレームもあります。(cervéloはサドルの櫓に水溜りができます。。。)
その際は洗車後にシートポストを抜いて逆さまにしたり、傾けて置いておいたり、フレームの設計に合わせて良い方法を選択するのがいいでしょう。

またそういった癖というか個性がある際にはオーバーホール時などにお店に相談して、別途対水対策をしておくといいと思います。

ともあれこれから暖かくなれば雨が降っても問題なく走れる時期がやってきます。
雨でも大丈夫なように対策をしておく、そして雨の走行後は適切なメンテナンスをすることで良い状態を保つことができます。

ということで、今回はロードバイクで雨天走行後のメンテナンスをする。そんなお話でした。

雨天走行後に一品あると便利な水置換性のオイルスプレーです。
ディレイラー等にふわっとかけて、水抜きに使えます。

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