先日、お医者さんで、孫だろうと思われる耳ピアスの若い男性が、老人を連れてきているのを見た。老人の方は、まだそれほど呆けてはいない感じだが、すべてを孫に任せて、うれしそうだ。
ババモンは、子供や孫に任せることができない。人に世話されることが情けなくてたまらないし、人に迷惑をかけたくない、という気持ちも人一倍強い。
私が、ババモンの代わりに何かしてあげるとき、「自分は知っている」という感じで、絶対、なにか一言は、指示しようとする。たとえば、病院で、
ババモン「診察券は××に入っているやろ!」
まるで、私が初めて、ババモンの診察券を出させていただいたかのように。
ふらつくババモンに手を貸そうとすると、
ババモン「やめて! よけい、歩きにくいねん」
私が着替えの手伝いをするとき、「自分よりずっと若い○○さんもできない」などと、聞きたくもない、同じ言い訳を、ごちゃごちゃ言いたがる。しゃべっているうちに、また被害妄想的、嫌味的な話になってくるから、私は、するべきことをしたら、すぐに逃げ帰ってしまう。
ババモンは、ほんまに世話され下手だ。
娘である私のことはもちろん、孫のことも、いつまでも、未熟な子供として考えたい。誰しもそういうところはあるだろうが、私自身も親になってから、ババモンのその思いの程度は少々異常だな、と思った。
私は、自分の子供が、私が知らないことを教えてくれたり、道を先導してくれたりしたら、大人になったな、と嬉しく感じる。けど、ババモンは、私が何か教えてあげると、どこかで私をバカにして、自分が下にならないようにバランスをとろうとする。
道を歩くときは、絶対自分が前で、「あっちだ、こっちだ」と先導したがる。
孫たちも、いつまでも、上から説教しようとするババモンを世話するのは難しい。
まあ、”かわいいババ”になれないんだね。
ババモンのこういう性格や心理は死ぬまで残るだろうから、私が精神的に介護が楽になる見通しはたたない。