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藤沢周平著 獄医立花登手控え(二) 「風雪の檻」

2020年07月01日 11時58分11秒 | 読書記

当地今日は 雲の流れが早く、雨が激しく降ったかと思うと薄日が射したり 変わりやすい天気になっている。
「雨読」と決め込んで 図書館から借りて 読みかけになっていた 藤沢周平著 「獄医立花登手控えシリーズ」第2弾目作品「風雪の檻」(文春文庫)を 読み終えた。青年獄医立花登が 数々の難事件に挑み、解決していく、傑作連作時代小説である。

藤沢周平著 獄医立花登手控え(二)「風雪の檻」

◯目次
 「老賊」「幻の女」「押し込み」「化粧する女」「処刑の日」

◯主な登場人物
 立花登(主人公)・・医者、22歳、幼い頃から柔術鍛錬、鴨居道場三羽鴉の一人、
 小牧玄庵・・登の叔父、江戸福井町の町医者・獄医
 松江・・玄庵の女房、登の叔母、
 おちえ・・玄庵の娘、登の従妹、16歳、
 おきよ・・小牧家の女中、
 鴨居左仲・・登の師匠、神田若松町の起倒流鴨居道場主、
 奥野研次郎・・鴨居道場師範代、鴨居道場三羽鴉の一人、25~26歳、
 新谷弥助・・鴨居道場三羽鴉の一人、22歳、
 園井・・鴨居左仲の孫娘、師範代奥野研次郎と結婚が決まっている、
 土橋桂順・・小伝馬町牢獄の獄医、登と同僚、
 藤吉・・八名川町の岡っ引き、
 直蔵・・藤吉の下っ引き、手先、
 平塚・・牢屋同心、


「老賊」
獄医として牢屋巡回中、登は 重い病におかされた入牢中の捨蔵から別れた娘おちかを探して欲しいと頼まれる。おちかを探し回る内に 守宮の助五郎という凶悪な人物が浮かび上がり・・・。捨蔵とは何者なのか?、一方で 鴨居道場三羽鴉の一人、新谷弥助が道場に現れなくなり・・・、

「幻の女」
新谷弥助は実家にもほとんど戻らず 登は情報収集に走り回る。腹の具合が悪くなった入牢中の巳之吉を診察中、登はおこまという女の話を聞かされ、気になり出す。おこまの消息を追う登、遠島になってしまった巳之吉、実は おこまは 同じ屋根の下に・・・。何故?

「押し込み」
盗み癖が有り、裏店と牢屋を行ったり来たりを繰り返す鋳掛け屋の父親平助を待つおしん(19歳)が働いている水茶屋しのぶを登が訪れた時、三人の男達が何事かを相談をしていたようだが・・・。入牢中の男金平に 登は呼び止められ「じゃまが入った、やめろ」と 保次郎源次に伝えて欲しいと頼まれる。おしづとは?、むささびの七蔵とは?

「化粧する女」
吟味与力高橋甚左衛門が一囚人房五郎を常軌に逸して責め立てることに不満をいだいた登、真相解明に動く。房五郎とは何者?、女房おつぎは?、芳蔵は?
一方で 鴨居道場に現れない新谷弥助は 村谷徳之助の身代わりで良からぬ連中の用心棒になっていることが分かる。

「処刑の日」
妾殺しの容疑で死罪が決まっていた大津屋の主人助右衛門には、養女おゆき(16歳)が有り 手代の新吉と結婚させ、跡を継がせることしていた。絶望からやせ衰え、無実を訴える助右衛門、助右衛門の女房は?、真相探索に動く登。従妹おちかの一言から 真犯人を突き止め、岡っ引き吉次と踏み込み捕らえる。助右衛門死罪執行当日・・緊迫したシーンとなる。「お待ち下さい。死罪はなりませんぞ」、登から凄まじい声が出た。
一方 岡っ引き藤吉の下っ引き直蔵の探索で、高利貸の市之助に使われている男達が、鶴屋に立ち退きを迫りにくる日時を突き止めた立花登と奥野研次郎は 深川門前仲町に向かった。店の前で大乱闘の末、新谷弥助を我にかえらせ、連れ戻す。
おちえ「わたしが教えたこと、役立った?」「役立ったとも」「ごほうびくれないの?」「ごほうびはこれだぞ」(中略)・・・これまでふれたことのない甘美なものにふれた感触が唇に残っている。


藤沢周平著 獄医立花登手控え(一)「春秋の檻」 → こちら


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