本日、本宅に書いた記事にも絡むことですが、テンヨー社発行の加藤英夫氏著『新版 ラリー・ジェニングスのカードマジック入門』の良さを再発見しました。その理由は、ダイ・バーノンが考案したカードマジックの技法“ダブルカート”ついて、きちんと否定的な文章を掲載していることにあります。

 

この本の29ページに通常のダブルカットの解説文の後に、“備考”に次のことが記されていました。

…ダイ・バーノンが日本に来たときにこういいました。「私の最大のミスは、ダブルカットを世の中に発表したことです。」 

その後には著者・加藤英夫氏の補足の文章が記載されておりますが、バーノン自身がダブルカットを否定してことが窺えます。

 

高木重朗氏が編集をされた東京堂書店刊『カードマジック事典』や『カードマジック入門事典』はそれなりに価値があるマジック書ではありますが、現在に照らした場合、全てが最新の方法(技法)が掲載されてはいないと云うことです。国内のカードマジック愛好家向けに、廉価な『カードマジック技法事典』を、カードマジックの専門家が結集してカードマジックの正しい指針を創られることを望みます。

 

 

*私が所有する『新版 ラリー・ジェニングスのカードマジック入門』の奥付

 1993420日改装新版   2005120日第18

著 者 加藤英夫  編集者 下村知行  発行者 山田 昭

発行者 株式会社テンヨー