運動会のときに、万国旗(ばんこくき)を振りますが、これは何故なのでしょうか?
運動会のときに万国旗を振るのは何故?
旧五千円札の肖像として有名な新渡戸稲造(にとべ いなぞう)の、1879年(明治11年)の札幌農学校遊戯会(さっぽろ のうがっこう ゆうぎかい)のスケッチに、日の丸のポールを囲むように10数本の旗が見えます。
これが、歴史に残る「運動会と万国旗」の第一号です。
日本大学文理学部の木下秀明教授は、運動会での万国旗の使用について、以下のように推測しています。
「小学校の運動会に万国旗が登場したのは明治20年代で近代五輪の始まる前。博覧会で万国旗が掲げられた装飾手法が、同じように人の集まる場所にも持ち込まれた」
「装飾手法」ということは、つまりは「華やかなイベントの象徴」という意味合いと思われます。
万国旗を飾ることで、会場が華やかになることは確かです。
「さあて運動会だ。気合を入れて頑張るニャン!」
写真は、こちらからお借りしました。
しかしながら、この万国旗を良く見てみると、実際には20カ国程度の国旗しか使われていません。
これは、国旗がない国に配慮してか、あるいはその国の子どもに配慮してかは定かではありませんが、近年では、運動会に万国旗を飾らない学校や、児童の絵を旗にして振る学校も増えてきているようです。