刑事裁判の歴史と展望あれこれ💖

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しほうちゃれんじ 1149

乙:I'm gonna be strong, I'm gonna gonna be fine
Don't worry about this heart of mine

 

出典:Ace of Base – Don't Turn Around Lyrics | Genius Lyrics

 

感想:heart of mineは不自然と思ったが韻を踏んでいた。

 

 

今日の問題は、司法試験平成29年民法第30問イとオです。

 

 

イ.BがCに対して損害賠償債務の弁済として100万円の支払をした場合には,Bは,Aに対し,40万円を求償することができる。
オ.Bに使用者Eがおり,Eが本件事故について使用者責任を負う場合において,AがCに対して損害賠償債務の弁済として300万円を支払ったときは,Aは,Eに対し,180万円を求償することができる。

 

甲先生、よろしくお願いします!

 

こ、甲先生!?

 

 

甲:brae..

 

 

乙:イについて、最判昭和41年11月18日は

 

「 原審が確定した事実によれば「昭和三四年一月二九日午後一〇時頃、本件事故現
場において、被上告会社の被用者(タクシー運転手)である被上告人Bの運転する
自動車(タクシー)と上告人の運転する自動車とが衡突事故を起した。右事故は、
被上告人Bと上告人の過失によつて惹起されたものであり、これにより右タクシー
の乗客Dは胸部、頭部打撲傷等の傷害を受けた。被上告会社は、Dに対し、右事故
による損害を賠賞した。」というのである。
 右事実関係のもとにおいては、被上告会社と上告人及び被上告人Bらは、Dに対
して、各自、Dが蒙つた全損害を賠賞する義務を負うものというべきであり、また、
右債務の弁済をした被上告会社は、上告人に対し、上告人と被上告人Bとの過失の
割合にしたがつて定められるべき上告人の負担部分について求償権を行使すること
ができるものと解するのが相当である。」

 

 

オについて、最判昭和63年7月1日は

 

「被用者がその使用者の事業の執行につき第三者との共同の不法行為により他人に
損害を加えた場合において、右第三者が自己と被用者との過失割合に従つて定めら
れるべき自己の負担部分を超えて被害者に損害を賠償したときは、右第三者は、被
用者の負担部分について使用者に対し求償することができるものと解するのが相当
である。けだし、使用者の損害賠償責任を定める民法七一五条一項の規定は、主と
して、使用者が被用者の活動によつて利益をあげる関係にあることに着目し、利益
の存するところに損失をも帰せしめるとの見地から、被用者が使用者の事業活動を
行うにつき他人に損害を加えた場合には、使用者も被用者と同じ内容の責任を負う
べきものとしたものであつて、このような規定の趣旨に照らせば、被用者が使用者
の事業の執行につき第三者との共同の不法行為により他人に損害を加えた場合には、
使用者と被用者とは一体をなすものとみて、右第三者との関係においても、使用者
は被用者と同じ内容の責任を負うべきものと解すべきであるからである。
 これを本件についてみるに、原審の確定したところによれば、本件交通事故は、
上告人と被上告人の被用者であるDとの共同の不法行為に該当し、その過失割合は
上告人二割、D八割とするのが相当であるところ、上告人は、被害者であるEら三
名に対し自己の負担部分を超えてその全損害の三〇万一八二〇円を賠償したというのであつて、かかる事実関係のもとにおいては、右に説示したところに照らし、上
告人は、Eら三名に賠償した右三〇万一八二〇円のうち、自己の負担部分である六
万〇三六四円(二割相当額)を超える二四万一四五六円(八割相当額)につき、D
の使用者である被上告人に対し求償することができるものというべきである。」

 

と、判示しています。

 

 

 

したがって、上記記述は、イが誤りで、オが正しいです。