このシリーズは難しい。テーマが他の記事にもいえることではあるが、とくに難しいのがコレ。
 作ってるときは楽しいのです。また、比較的短いレビューを重ねていく作業なので、キリのいいところまでいくたびに「息継ぎができる」みたいなラクさも、あるにはあります。そして出来上がったときには、次回が待ち遠しく感じるほどのノリになっています。それが、しばらく経つとテンションがダダ落ちになってしまう。そこから上へ持っていくまでが大変で。
 前にも書きましたが、下準備が面倒というのがあります。テーマに沿った題材を揃えないといけない。ある曲を聴いてるうちに気持ちが盛り上がってきてても、その曲だけがよくてはダメ。コマが足りなければ探さなくちゃならない。ただ揃えるだけでもダメで、全体的なバランス(似たようなものに偏らないのが理想)がよくないと気に入らなくなるんです。
 今回はというと・・・当初、予定していたテーマのものは、あと一歩のところで頓挫しました。そのかわり他のテーマで集めていたものがリーチしたり揃ったり・・・というのが複数組、出ました。
 だけど「どれもこれも、もうひとつパンチが欲しいのぅ~」といった塩梅でおりました。逆に、数がありすぎてどれを削ればいいのかと悩んでしまうものもありました。
 結果的に、なんとかちょうどいい具合にピースを埋めることができたのが【海】だったのですよ。
波
 これでやっと執筆に着手できる。


 

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音譜日髙のり子『初恋サンシャイン<作詞:岡田冨美子/作曲:すぎやまこういち>


 声優で有名な日髙のり子さんです。アイドルとして活躍していたことがあったそうで、そのときのデビューシングルがコレなんだって。
 厳密にはその前に「いとうのりこ」名義で『ふた子のモンチッチのうた』というのもリリースしていたそうなんですが、あらためて「日髙のり子」名義として再出発を図ったのでしょう。
 ただ、彼女は当初、女優を目指していたようです。私はこの方のことをよく知らず、いまだに『タッチ』ですら見たことがありません。でも役者としてなら「伊東範子」名義で『バトルフィーバーJ』へ出演されてたのはぜんぶ見てますので。
 そういえば共演者でもあった伴大介さんが、バトルフィーバーのトークイベント
で当時の伊東範子さんにまつわるエピソードを話してくれてたことがあったっけ。でも内容的に、ここへ書いてもいいものなのかは微妙なのでやめておきます(笑)。
 話を本曲へ戻しましょう。じつはこの曲と遭遇したのはまったく偶然のことでして。たまたま動画を漁っていたときに発見したのですが、最初は(ときどきアメブロ内でやりとりさせてもらってる)日高美子
さんの歌だと思って聴いてたんですわ。「これが日高さんのデビュー曲か。いいじゃん、いいじゃん」って。
 日高美子さんの声もキレイなんです。アニメソングや童謡を得意にされてる歌手ですのでね。でも、なんか違うような・・・と、後になってから別人だったことに気づいた次第。歌手のイメージがまったくなかった日髙のり子さんだっただけに、その歌声の美しさには驚かされたものでした。



 

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音譜Jean-Jacques Perrey『Moog Sensations<作曲:Jean-Jacques Perrey>


 広島県民なら、ほぼ耳にしたことがない人はおらんと思われる曲。広島地方では、かなり長期にわたって流されていた「ヒロツクの子持ち昆布」のローカルCMに使われていたBGMなんでありんす。
 ただしそれは、せいぜい15秒程度で終わってしまうCMです。フルサイズでじっくり聴いたことのある人は、そんなにいないものと思われる。
 よくよく分析してみれば、その15秒だけでも変拍子であることがわかり、それをおそらく昭和40年代くらいからから流されていたと思われるCM曲としてはあまり耳馴染みのない電子音で演奏されるのだから、なかなかサイケデリックなものとして伝わっていたのではないかと予想しますのだ。
 これを作曲&演奏していた
ジャン=ジャック・ペリー氏は、フランスで電子音楽のパイオニアとして知られた音楽家なのでした。よくもまぁヒロツク社が彼の音楽にたどり着いたものだと感心いたします。
 ところが私は広島で生まれ育ったにもかかわらず、ヒロツクのこもち昆布なるものを食べたことがない。いや、食べたことはあるのかもしれないが、ふだんは何も考えずにモノを口へ入れてしまうため気づかなかっただけなのかもしれない。ちゃんと食べなきゃダメだなぁ。画像を見たけど、ごはんにかけて美味しくないわけないぞって思ったよ。
割り箸
 あれって、たらこと昆布を原材料とした佃煮なんだそうですね。たらこと昆布を混ぜ合わせる作業は昆布がちぎれてしまわないよう絶妙な力加減が必要なので、すべて熟練した職人さんの手作業によるものであるとのこと。でも職人さんは5人しかいないんだって。

 余計な情報かもしれませんけど、ヒロツクの子持ち昆布は「ザ・広島ブランド」なるものに認定されてるらしいのですが・・・ただ、これの素材に使われてる昆布は瀬戸内海で採ったんじゃなくて北海道産にこだわってるそうです。


 

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音譜内山田洋とクール・ファイブ『出船<作詞:千家和也/作曲:浜圭介>



 内山田洋とクール・ファイブのベスト盤CDを聴いていて、もっとも惹かれたのが本曲だったかもしれない。
 三拍子。決定的な証拠はないものの、どこか戦争の香りを感じさせるような重々しさがある。似たような雰囲気を放つ戦後の曲に心当たりがあるからだ。実際、本曲を戦争映画のテーマ曲にしても違和感はないだろう。なのに作詞の
千家和也氏も作曲の浜圭介氏もギリギリで戦後生まれの人だった。
 ある日のこと。いっぺんだけ父の行きつけのカラオケスナックへ連れていってもらったことがある。そこには父の中学時代からの知人と思われる人も来ていて、さらに近所にあった、その人の行きつけのスナックへとハシゴ。こういう店へは行ったことがないので、とにかく新鮮。だからそこにいるのが嫌ではないのだが、それにしても会話に入っていけない。
 この場合、何か歌ったほうがいいんだろうなと思ったのです。それも、その店の空気を読んだうえでの選曲がいいんだろうと考えた。カラオケ本を見ていくうちに、クール・ファイブの覧に目が留まる。たぶん演歌やムード歌謡にかけては父のほうが明るい。なので長年、思っていたことを訊いてみた。「これ(出船)は売れたん?」と。
 父は「ちょっとだけ売れた」と返した。結局それは選曲せず、歌ったのは『中の島ブルース
』のほうでした。
 では実際にこの曲の知名度はあるのか? いまネットで調べてみたらレコード売上げは15.5万枚とのこと。微妙(笑)。もともと有名な曲なら当記事で扱う権利を失ってしまう。ここは知らない人が多数派を占めるものを扱うのが前提の場ですからね。だけど他でスポットを浴びてるのを見たことがないのと、あらためて聴いてみたら前川清の力強いヴォーカルで押し切られるような想いにさせられましたので掲載に至りました。
 なお、クール・ファイブのベスト盤CDはカセットテープのA面に入れて聴いていたのですが、B面に入れてたのはマイケル・ジャクソンの『
DANGEROUS』でした。

 

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音譜新潟市民歌『砂浜で<作詞:富田良子/補作詞:宮柊二/作曲:田沢弘子/補作曲:芥川也寸志>



 昭和44年11月1日に制定された新潟市民愛唱歌とのこと。なんで新潟へ行ったこともない私がこんな歌を知ってるのかと自分で突っ込んでみたりもするが、たぶんこれもネットを漁っているうちにたまたま見つけたんだと思う。動画の音源が割れ気味になってるのもポイントが高くなった要因だったのだろう。
 新潟市民でもない自分にとっては初めて遭遇する曲ではあったが、どこか懐かしく感じられる。見れば補作曲担当者に
芥川也寸志氏の名前があることで納得。『八つ墓村』のサウンドトラックをよく聴いていた時期があるため、よけいに馴染み易かったのかもしれない。
「新潟市民歌」といっても、おそらく新潟県民の大半に知られているものと予想する。身近なところで新潟県出身者といえば、
寝起きの悪さでお騒がせのK籐さんがいる。ためしにこの歌のことを訊いてみたら、歌い出しのところでピンときたもよう。でも、どこで耳にしたのかは思い出せないようでした。
 そこでネットを調べてみましたら、NST新潟総合テレビの日曜朝の番組『新潟市政ニュース』で使われていたものだということがわかりました。
 余談ですが、私は新潟県へ行ったことはないけど行こうとしたことはあるのです。ひとり旅が好きだったころ
佐々木剛さんの自伝本を読み、彼が生まれ育ったという新発田へ行ってみたいと思ったのです。
 青春18きっぷを駆使して乗り継いでおりましたところ、群馬県の水上
で足止めを食らいました。落石があったとかで、しばらく進めないとの張り紙が。なので「しばらく」待つことにした私。ところが3時間ほど駅の周辺をブラブラして時間を潰してたのに、復旧のアナウンスがいっこうに聞こえてこない。
 さすがにたまりかねて駅員に訊いてみたら「あと2~3週間ほどかかる」って言われたのでした。


 

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音譜山本リンダ『私の恋人、たいやきくん!<作詞:中山大三郎/作曲:穂口雄右>



 日本レコード史上、最高の売上げ枚数をスコアしたことで知られる『およげ!たいやきくん』。本当はB面へ収録されていた『いっぽんでもニンジン』のほうが人気が高かったからではないかという説もあるにはあるが、いまはそこを検証するつもりはありません。
 本曲は『およげ!たいやきくん』のアンサーソングなのであります。ジャケットだけを見たら、どこかのグラビアに載ってたリンダの顔を切り抜いて貼っただけの2~3分で作ったような安っぽさを感じさせるかもしれないが、曲じたいは真面目なラブソングとして作られている。
 詞の内容は、海に飛び出した「たいやきくん」を追って「たいやきちゃん(?)」も海へ出ていくという展開。しっぽが切れるわ、クジラが怖ろしいわ、たいやくきんにはたどり着けないわ・・・と、外の世界での洗礼に身も心もボロボロになってゆくたいやきちゃん。
 やがて、たいやいくんの末路を知ったのであろう。「おじさんわたしも すぐにたべてよ おなかの中で 会えるから」・・・と懇願するという、なんとも哀しくせつない結末なのでありました。本家『およげ!たいやきくん』も「脱サラした人が外の世界へ出たときの厳しさを歌ったもの」と深読みされることもあるので、その続編としてはよく出来た歌詞だと思います。
 フルートの音色が印象的なジャズ風の構成であり、キワモノ歌手だと思っていたリンダの歌唱が本曲では彼女本来のナチュラルモードで表現されているのもポイントなのであろう。
 あゝそれなのに、それなのに。『夜のヒットスタジオ』でリンダと子門真人を競演させるなどの話題づくりも敢行されていたにもかかわらず、残念ながら『ひらけ!ポンキッキ』での採用は叶わなかったもようです。番組のメインターゲットとされる幼児層には難しいと判断されたのだろうか? も~う、リンダ困っちゃう!

 

 

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  以上、5曲。いいのはありましたか?

 

 今年は暑くなるのが遅い夏でしたが、代わりに盆を過ぎても猛暑が続きそう。いっぽうで季節外れのマスクブームが当分、終わりそうもありません。
 そして海開きが中止とのことで。理由は、お魚さんたちに迷惑がかかるからだと思います。
うお座


かお

 

かお

 

かお

 

かお

 

かお


 ・・・う~ん、やっぱり全体的になんか弱いね。もうひとつ、何かが欲しくなる。
 また追加かよって言われそうなんですけど、これには少々勇気が要る。当コーナーではとくに文字数オーバーになってしまう傾向が強い。そうなってしまえば編集作業がかなり面倒なことになるからです。
 ですが朗報が入りました。アメブロでは2020年5月27日から、それまで40000文字だった文字数上限が60000文字に変更されたそうなのです。これでだいぶゆとりを持てるようになりました。
 なので遠慮なく追加曲を掲載いたします。さらに探してみたところ、うまいこと海にまつわる曲がありましたので。


音譜サーカス『風のメルヘン<作詞:山川啓介/作曲:佐藤健>


 コーラスグループの先駆者とされる、サーカスの15thシングル曲。
 1983年4月から1年間ほど放送されたアニメ『
まんが日本史』のエンディングテーマだったそうなのですが、私はこの番組を見たことがなかったので、つい最近まで本曲のことも知りませんでした。ある方のブログへ掲載されていたのを拝見し、お気に入りになった曲なのであります。
 当記事作成にあたり動画サイトを漁ってみましたら『まんが日本史』の第1話があったので見てみました。そしたら原始時代から話が始まりました(笑)。でも『ギャートルズ
』のようにサングラスをかけたモグラは出てこないし、大声を出しても固まった文字が飛んでいったりはしません。きっと米づくりを覚えたり農業が全国に広がっていく描写があったので、ギャートルズよりは後の時代だったのが要因でしょうね。
 その後は奈良時代、戦国時代、江戸時代などを経て、最終的には明治維新の時代まで作られたもよう。絵のタッチが親しみやすさ優先なので面白みに欠けるが、内容的にはハードなことも描かれているようだ。そして本曲、である。これが、どう考えても都会的としかいえないような曲なのだ。一つひとつはいいとしても、この組み合わせでは「ちゃんとバランスを考えてのことなのか?」と突っ込みたくなるのでありますね(苦笑)。
 だからこの番組を見ていたみなさんに伺いたい。違和感はなかったんですか? と。
 ところで。当コーナーではアニソンを出すとき、まともなのではなく「パチソン」にしてしまうことが多い。本家の歌い手が歌ったものをそのまま扱うときは、それだけ筆者にとってインパクトが高かったってことなんですよね。




 

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 海開きが中止というのは海水浴場の設置(更衣室・シャワー・トイレの開設、監視員・ライフセーバーの配置など)がない状態のことを指しますので、自己責任であればそういう場所へ立ち入ってはいけないということではないそうです。
 だからいまからでも海水浴がしたいという方は勝手に行けばいいんだと思いますが、お魚さんたちに迷惑なので、泳いでるときもマスク着用でお願いします。
 ついでに今後、水泳の選手は競技中もマスク着用を義務づけていただければと思います。あと、お魚さんたちにもマスクの着用とソーシャルディスタンスを徹底するような法律を作ってほしいです。とくにイワシのみなさんには強い意識改革を求めます。