日本におけるアナウサギの起源 その2 | うさもるねこ生活

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ロップのアポロン、ヒマラヤンのエルピス、ボールドウィンのイリス。イングリッシュのパンドラ、ぺルビアンのアルカス、猫のいかすみ、セキセイインコの(義経、頼朝、政子)、虹の国組はモル×5、うさぎ×2。

前回の続きから。

明治維新の頃には、アナウサギが日本に伝来され、ペットとして(お金儲けのため)ブリーディングもされていたということを前回ブログに書きましたが・・・。

 

そこからさらにさかのぼります。

博物学者の南方熊楠(みなかたくまぐす・1867~1941年)の 「 十二支考 兎に関する民族と伝説 」 によると、「 明の崇禎の初め始めて支那へ舶来、その後日本へも渡ったらしい 」 と記載があります。

明は中国歴代王朝のひとつで、崇禎帝は17代皇帝(1628~1644年)。

おそらくこの頃に、アナウサギは、初めて中国(志那)から日本に伝来したのかと思われます。

 

江戸中期(1781年~1789年)になると、絵画にも目の赤い白ウサギが登場するようになります。

 

画像は、江戸時代中期~後期の絵師である円山応挙(まるやまおうきょ)の絵です。

「百兎図」(1784年)。

 

 

そのタイトルどおり100匹以上のウサギが群れをなしている絵です。

このことから、描かれているのは、群れをなすことがない野ウサギではなく、アナウサギであることがわかります。さらに、黒白のダッチ、白毛で赤目のウサギもいます。

 

 

これらのことをふまえると、1784年にはアナウサギが確実に日本に伝来しており、この頃には、わりと普及しつつあったのかな・・・とも思います。

今のところ、アナウサギ(らしき)が描かれている最古のものが、この円山応挙の絵なのだそうです。

 

円山応挙の作品。

「 木賊(とくさ)に兎図 」 は、地元静岡の県立美術館に展示されているようでした。

県立美術館は行ったことあるけど、作品があることを知らなかったので、改めて、鑑賞しにいってみたいと思いました。

 

 

 

参考:桜井富士朗(アナウサギの日本飼育史)

 

余談ですが・・・。

 

アナウサギは、ウサギ科アナウサギ属一種のみ。

スペイン、ポルトガル、フランス西部、モロッコ北部、アルジェリア北部に分布。

その後、人為的にヨーロッパ各地、オーストラリア、ニュージーランド、日本へ移入されています。

今現在、ペットとして飼われているうさぎは、アナウサギが改良されたものです。

(オーストラリアでは、24匹の持ち込まれたウサギが、8億匹にまでなってしまい、今でも害獣として扱われています。

 

アナウサギをヨーロッパでペットとして飼うようになったのは、16世紀頃と言われています。

世界的にも有名なピーターラビットは、作者のビクトリアスポターの飼いうさぎであったアナウサギのスペインウサギがモデルとなっています。

ピーターラビットは、よくネザーランドワーフがモデルと言われていますが、ポターが生きていた19世紀には、ネザーランドワーフという品種はなく、20世紀初頭になってから、小型のポーリッシュという品種と、小型のアナウサギを勾配させ、誕生したといわれています。

ピーターラビット=ネザーは間違い。

ペットショップや、動物カフェなんかでも、ネザーのことを、ピーターラビットのモデルです・・・と記載されていたり、店員さんが話たりしているのを耳にすると、ちょっと訂正したくなるタチです(笑)。←しないけど。

うさぎ好きや、うさぎ飼いさんなら、知っておきたい事項です。

 

 

ちなみに、日本でウサギと言えば、学校でよく飼育されていた白色に赤目のイメージをもつ人が多いと思いますが、明治の頃に、ニュージーランドホワイト種が日本にやってきて、それが品種改良され、ジャパニーズホワイトとよばれる日本白色種になったといわれています。

 

 

 いまや、人気のペットランキングでも、上位に入るウサギさん。

一種のアナウサギから、今や、多く品種が改良され、ペットとして暮らしています。

 

ペットブームの昨今、珍しい、かわいい、などだけでお迎えして、こんなはずじゃなかった・・・と、飼育ができず、投げ出すことがないよう、お迎えする際は、しっかり考えてからお迎えしたいですよね。

 

 

 

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