ひねもすのたりにて

阿蘇に過ごす日々は良きかな。
旅の空の下にて過ごす日々もまた良きかな。

久しぶりの一品(逸品)

2018年11月09日 | 酒と料理と
新政酒造は、秋田市にある酒蔵で、いま評判の高い酒造会社である。
非常に真面目な酒造りと革新的なネーミングで日本酒会にムーブメントをもたらしている。
秋田には、横手市にある「阿櫻酒造」も非常に美味い酒を醸す酒蔵があり、
さすがの酒所という気がする。

さて、今回の一品は「エクリュ(生成)2017」。
この酒は、あきた酒こまちという米を原料として、麹米50%精米の大吟醸し立てと言っていいが、
大吟醸や吟醸等の表記はない。生酛純米という表記があるのみ。
私はここに新政酒造の酒造りの自負のようなものを感じるのだが、思い過ごしか。


ラベル

生酛作りという製法は自然にいるたくさんの微生物があるが、
その微生物の中で強い乳酸菌をうまく取り込み、育てるのが「生酛」作りと言える。
ちょっと難しいが、明治半ば頃までの酒造りの主流だったらしい。

味は一般的には、濃醇と言われていて、すっきりした酒を好む人はそれだけで生酛作りを避ける人もいる。
しかしである。
その一般的な思い込みを見事に覆しているのがこの「エクリュ」である。

栓を開けると、なにかしらフルーツ香が香る。
残念ながら、私の臭覚をもっては、洋梨かマスカットか、或いはリンゴかパイナップルか、
そこまで判断するほどに匂い立っているようには思えない。

味はとても爽やか。
すっきりしていると言うより、爽やかという表現がぴったり来る。
かと言って、そのまま無くなるというのではなく、余韻はある。
その余韻も重みはなく、あくまでも爽やかな感じに終わる。

な~んて、偉そうな感想を書いたが、要するに旨い。
アルコール度数15度の原酒だそうだが、クイックイッ行ける。
ともあれ、エクリュ、生成という命名がぴったり来る酒。
久しぶりに感激の一品に出会えました。

さて、何をこの酒の供とするか。
生サンマがあったので、これを数尾買ってきて、初日は自分で捌いて、普通に刺身を供に、旨い!

2日目は、サンマの煮物。
これは、圧力鍋に梅干し数個と醤油、味醂と砂糖を適量(目分量)、
身や骨を柔らかくするために黒酢を少々入れて火を入れ、
10分程度で火を消し、そのまま圧力が抜けるまで放っておけば完成。
実はこの料理はサンマが冷えてからの方が美味い。
缶詰同様、骨まで柔らかくなって、身体にも良いし、孫もお気に入り。

初日のさっぱり肴も、2日目の濃い味の肴も、どちらも行けました。
ま、いつものことではありますが・・・。
コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 名も知らぬ駅に来ませんか ... | トップ | サンボープレイクック遺跡に... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

酒と料理と」カテゴリの最新記事