東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも解ける東大大学院入試問題(220)(つづき2)

2019-08-22 10:49:01 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成30年度東大大学院工学系研究科入試問題のつづきです。

問題は、
「n人の子供が一列に並んでいる。あなたはm個のアメ玉を持っており、列の1番目の子供から順に1個か2個を配布していく。列の最後までアメ玉を配り終えるか、アメ玉が無くなった時点で配布を終了する。このとき、以下の問いに答えよ。ただし、n、mは正の整数とする。

Ⅰ.n=m=4のとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。

Ⅱ.m≧2nのとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。

Ⅲ.n≧mのとき、m個のアメ玉の配り方の場合の数を Xm とする。 Xm が満たす漸化式を求めよ。

Ⅳ.問Ⅲの漸化式から Xm を求めよ。

Ⅴ.アメ玉の数よりも子供の人数の方が多い状況を考える。全ての配り方のうち、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方の割合をP(m)とする。このとき、mを大きくしていくとP(m)はある値に収束する。その値を求めよ。

Ⅵ.m≧2nの状況を考える。アメ玉の配布において、次のルールを加える。列の1番目の子供は、確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が1個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が2個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率3/4で1個のアメ玉、確率1/4で2個のアメ玉をもらう。列のn番目の子供が2個のアメ玉をもらう確率を求めよ。」
です。

今回はⅤです。

アメ玉の数よりも子供の人数のほうが多い(n>m)状況なので、Ⅳで求めた漸化式

が成り立ち、すると、m個のアメ玉の配り方は Xm (通り)、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方は Xm-2 (通り)になることから

です。


ここで計算を簡単にするため、

とし、(4)から Xm 、Xm-2 を求めると、

です。

これらを(5)に代入・整理すると、

です。

このとき(6)と(7)から

なので、m→のとき、

です。

さらに、(6)から

なので、m→のとき、

になります。

したがって、mを大きくしていったときにP(m)が収束する値は、

で、これが答えです。


次回は最後のⅥです。

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