東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

高校入試問題R2(5)[筑波大附属駒場高]

2020-03-29 11:00:19 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、令和2年度筑波大附属駒場高入試問題です。

問題は、
「4桁の正の整数があります。この整数に以下の操作を行い、5桁の整数にすることを考えます。

捜査
① 4桁の整数を7で割った余りを求める。
② 7から①で求めた余りを引く。
③ もとの4桁の整数の末尾に②の結果を書き加え、5桁の整数にする。

この操作でできた5桁の整数を《コード》と呼ぶことにします。
例えば、1000を7で割った余りは6なので、末尾に1を書き加え、1000の《コード》は10001です。
また、1001を7で割った余りは0なので、末尾に7を書き加え、1001の《コード》は10017です。

次の問いに答えなさい。
(1) 2020の《コード》を求めなさい。

(2) 85214は《コード》ではありませんが、5桁のうち1桁だけを別の数字に直すことで、《コード》にできます。このように直して得られる《コード》として、考えられるものは全部で何個ありますか。

(3) 4桁の正の整数は9000個あります。これらの整数の《コード》9000個のうち、《コード》を9で割った余りがaであるものの個数をN(a)とします。なお、a=0、1、2、・・・、8です。
N(a)が最も小さくなるaの値と、そのときのN(a)の値を求めなさい。」
です。

2020÷7=288・・・4
から、元の数(2020)の末尾に書き加える数は、
7-4=3
なので、(1)の答えは、 20203 です。

次に(2)です。

4桁の整数
N=1000x+100y+10z+w
を変形して、
N=(7×142+6)x+(7×14+2)y+(7×1+3)z+w
 =7(142x+14y+z)+6x+2y+3z+w
とすると、Nを7で割った余りは、6x+2y+3z+w を7で割った余りと等しくなることが判ります。

これを利用して、85214を調べていきましょう。

x=8、y=5、z=2、w=1の場合
8521を7で割った余りは、6×8+2×5+3×2+1を7で割った余りで、6+3+6+1→2になり、8521の末尾に7-2=5を書き加えた数が、《コード》になります。(1個

x=8、y=5、z=2、(末尾の数)=4の場合
6×8+2×5+3×2+wを7で割った余りは、6+3+6+(wを7で割った余り)→1+(wを7で割った余り)で、これが7-4=3になるので、(wを7で割った余り)が2になります。

したがって、w=2、9のとき、それらは《コード》になります。(2個

x=8、y=5、w=1、(末尾の数)=4の場合
6×8+2×5+3z+1を7で割った余りは、6+3+(3zを7で割った余り)+1→3+(3zを7で割った余り)で、これが7-4=3になるので、(3zを7で割った余り)が0になります。

したがって、z=0,7のとき、それらは《コード》になります。(2個

x=8、z=2、w=1、(末尾の数)=4の場合
6×8+2y+3×2+1を7で割った余りは、6+(2yを7で割った余り)+6+1→6+(2yを7で割った余り)で、これが7-4=3になるので、(2yを7で割った余り)が4になります。

したがって、y=2,9のとき、それらは《コード》になります。(2個

y=5、z=2、w=1、(末尾の数)=4の場合
6x+2×5+3×2+1を7で割った余りは、(6xを7で割った余り)+3+6+1→3+(6xを7で割った余り)で、これが7-4=3になるので、(6xを7で割った余り)が0になります。

したがって、x=0、7のとき、それらは《コード》になりますが、x≠0から、x=7です。(1個

以上から、85214の5桁のうち1桁を直して《コード》にできるものの個数は、8(個) で、これが答えです。

最後の(3)です。

1000から9999までの4桁の整数をM、Mを7で割った余りを7から引いたものをrとすると、《M》=10M+rになります。

ここで、10M=9M+Mから、10Mを9で割った余りは、Mを9で割った余りsと等しくなり、したがって、《M》を9で割った余りは、r+sを9で割った余りと等しくなります。

このとき、Mを7で割った余りは、1000から9999まで順に
6、0、・・・、6、0、1、2、・・・、2、3
と循環することから、rは、
1、7、・・・、1、7、6、5、・・・、5、4
と循環し、sは、1000から9999まで順に、
1、2、・・・、8、0、1、2、・・・、8、0
と循環します。

そこで、Mが、M→M+1→M+2→M+3→M+4→M+5→M+6 と変わっていくときのrとsの関係を調べます。

Mのrが7とすると、M→M+1→M+2→M+3→M+4→M+5→M+6 に対して、rとsはそれぞれ
r:7→6→5→4→3→2→1

s:0→1→2→3→4→5→6
  1→2→3→4→5→6→7
  2→3→4→5→6→7→8
  3→4→5→6→7→8→0
  4→5→6→7→8→0→1
  5→6→7→8→0→1→2
  6→7→8→0→1→2→3
  7→8→0→1→2→3→4
  8→0→1→2→3→4→5
になり、rが7→6→5→4→3→2→1と変わる間、rとsの和を9で割った余りは、同じ値になることが判ります。(例えば、r:7→6→5→4→3→2→1、 s:0→1→2→3→4→5→6 のとき、r+sを9で割った余りは、 7→7→7→7→7→7→7 になり、 s:8→0→1→2→3→4→5 のとき、6→6→6→6→6→6→6 になります)

また、rとsの周期はそれぞれ7と9なので、rとsを合わせた周期は7×9=63になります。

それでは、ここから1000から1062までの63個の整数について、aを具体的に調べていきましょう。

1000÷7=142・・・6 → r=1
1000÷9=111・・・1 → s=1
から
r+s=2 → a=2
です。

1001÷7=143・・・0 → r=7
1001÷9=111・・・2 → s=2
から
r+s=9 → a=0
になり、1001≦M≦1007で、a=0です。

1008÷7=144・・・0 → r=7
1008÷9=112・・・0 → s=0
から
r+s=7 → a=7
になり、1008≦M≦1014で、a=7です。

1015÷7=145・・・0 → r=7
1015÷9=112・・・7 → s=7
から
r+s=14 → a=5
になり、1015≦M≦1021で、a=5です。

1022÷7=146・・・0 → r=7
1022÷9=113・・・5 → s=5
から
r+s=12 → a=3
になり、1022≦M≦1028で、a=3です。

1029÷7=147・・・0 → r=7
1029÷9=114・・・3 → s=3
から
r+s=10 → a=1
になり、1029≦M≦1035で、a=1です。

1036÷7=148・・・0 → r=7
1036÷9=115・・・1 → s=1
から
r+s=8 → a=8
になり、1036≦M≦1042で、a=8です。

1043÷7=149・・・0 → r=7
1043÷9=116・・・5 → s=5
から
r+s=12 → a=3
になり、1043≦M≦1049で、a=3です。

1050÷7=150・・・0 → r=7
1050÷9=116・・・6 → s=6
から
r+s=13 → a=4
になり、1050≦M≦1056で、a=4です。

1057÷7=151・・・0 → r=7
1057÷9=117・・・4 → s=4
から
r+s=11 → a=2
になり、1057≦M≦1063で、a=2です。

以上から、1000から1062までの63個の整数に対して、aは順に、
2 (1個)
0 (7個)
7 (7個)
5 (7個)
3 (7個)
1 (7個)
8 (7個)
6 (7個)
4 (7個)
2 (6個)
と出現することが判りました。

すると、
(9999-999)÷63=142・・・54
から、1000から9999の9000個の整数のうち、

・ a=2 になる整数の個数は、
7×142+1=995(個)

・ a=0、7、5、3、1、8、6 になる整数の個数は、
7×143=1001(個)

・ a=4 になる整数の個数は、
7×142+4=998(個)
になります。

以上から、N(a)が最も小さくなるaの値は 、N(2)=995 で、これが答えです。


簡単な問題です。

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