東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも解ける東大大学院入試問題(220)(つづき1)

2019-08-20 11:21:35 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成30年度東大大学院工学系研究科入試問題のつづきです。

問題は、
「n人の子供が一列に並んでいる。あなたはm個のアメ玉を持っており、列の1番目の子供から順に1個か2個を配布していく。列の最後までアメ玉を配り終えるか、アメ玉が無くなった時点で配布を終了する。このとき、以下の問いに答えよ。ただし、n、mは正の整数とする。

Ⅰ.n=m=4のとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。

Ⅱ.m≧2nのとき、アメ玉の配り方は何通りあるか。

Ⅲ.n≧mのとき、m個のアメ玉の配り方の場合の数を Xm とする。 Xm が満たす漸化式を求めよ。

Ⅳ.問Ⅲの漸化式から Xm を求めよ。

Ⅴ.アメ玉の数よりも子供の人数の方が多い状況を考える。全ての配り方のうち、最後にアメ玉を2個配って終了する配り方の割合をP(m)とする。このとき、mを大きくしていくとP(m)はある値に収束する。その値を求めよ。

Ⅵ.m≧2nの状況を考える。アメ玉の配布において、次のルールを加える。列の1番目の子供は、確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が1個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率1/2で1個のアメ玉、確率1/2で2個のアメ玉をもらう。もし、ある子供が2個のアメ玉をもらった場合、その次の子供は確率3/4で1個のアメ玉、確率1/4で2個のアメ玉をもらう。列のn番目の子供が2個のアメ玉をもらう確率を求めよ。」
です。

今回はⅣです。

Ⅲの答えの漸化式は、
m=Xm-1+Xm-2              (1)
で、この特性方程式

の解は、

です。

これから

になります。

ここで、(2)が(1)を満たすか調べておきましょう。

(1)の右辺に、(1)を代入すると、

になり、さらに

を使って整理すると、

で、(2)が(1)を満たすことが判りました。

次に(2)のpとqを求めるため、X1 と X2 の値を計算しましょう。

m=1のときのアメ玉の配り方は、1番目の子供にアメ玉1個を配るだけなので、X1=1(通り)です。

m=2のときは、1、2番目の子供にそれぞれ1個のアメ玉を配る、または、1番目の子供に2個のアメ玉を配るのいずれかなので、X2=2(通り)です。

これらから

が成り立ち、この連立方程式を解くと、

で、これらを(2)に代入すると、

になります。

ここで、

を使って(3)を整理すると、

で、これが答えです。


次回はⅤです。

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