東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

整数問題(56)

2020-10-01 09:36:22 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、2015年AIMEの整数問題です。

問題は、
「正の整数において、nの各桁の数の和をs(n)とする。
s(n)=s(n+864)=20
を満たす最小のnを求めよ。」
です。

nが2桁の整数の場合、s(n)≦18(等号はn=99のとき成立)なので、nは3桁以上の整数になります。

そこで、
n=100a+10b+c    (1)
として、条件を満たすnが存在するか調べていきます。このとき、a、b、cは,
1≦a≦9
0≦b,c≦9         (2)
の整数です。

ここで(1)から、
s(n)=a+b+c=20
で、これから、
a=20-b-c≧20-9-9=2
b=20-c-a≧20-9-9=2
c=20-a-b≧20-9-9=2
になり、これらと(2)から、
2≦a,b,c≦9       (3)
と、a、b、cの範囲が判りました。

続いて(1)から、
n+864=100a+10b+c+800+60+4
     =100(a+8)+10(b+6)+(c+4)       (4)
で、ここから、右辺の各桁の繰り上がりの有無を調べていきます。

① 下3桁目(百の位)
(3)から、
10≦a+8≦17
なので、下3桁目は必ず繰り上がります。

したがって、
n+864=1000+100(a-2)+10(b+6)+(c+4)  (5)
になり、このとき、0≦a-2≦7 なので、下2桁目が繰り上がっても下3桁目は再度繰り上がることはありません。

② 下2桁目(十の位)
(3)から
8≦b+6≦15
なので、
㋐ 下1桁目からの繰り上がりがない場合
8≦b+6≦9 → 2≦b≦3 のとき ⇒ 繰り上がりなし

㋑ 下1桁目からの繰り上がりがある場合
8≦b+6≦8 → b=2 のとき ⇒ 繰り上がりなし
         
㋒10≦b+6≦15 → 4≦b≦9 のとき ⇒ 繰り上がりあり

③ 下1桁目(一の位)
(3)から
6≦c+4≦13
なので、
6≦c+4≦9 → 2≦c≦5 のとき ⇒ 繰り上がりなし
10≦c+4≦13 → 6≦c≦9 のとき ⇒ 繰り上がりあり
になり、①②③をまとめると、

〈1〉 2≦b≦3、2≦c≦5 の場合
下3桁目:繰り上がりあり
下2桁目:繰り上がりなし
下1桁目:繰り上がりなし

〈2〉b=2、6≦c≦9 の場合
下3桁目:繰り上がりあり
下2桁目:繰り上がりなし
下1桁目:繰り上がりあり

〈3〉 b=3、6≦c≦9 または、4≦b≦9、6≦c≦9 の場合
下3桁目:繰り上がりあり
下2桁目:繰り上がりあり
下1桁目:繰り上がりあり

〈4〉4≦b≦9、2≦c≦5 の場合
下3桁目:繰り上がりあり
下2桁目:繰り上がりあり
下1桁目:繰り上がりなし
になります。

すると、〈1〉、〈2〉、〈3〉、〈4〉のそれぞれに対して、(5) と s(n+864)は、
〈1〉 2≦a≦9、2≦b≦3、2≦c≦5 の場合
n+864=1000+100(a-2)+10(b+6)+(c+4)
で、これから、
s(n+864)=1+a-2+b+6+c+4
        =a+b+c+9
        =29
        ≠20
になり、条件を満たすnはありません。

〈2〉 2≦a≦9、b=2、6≦c≦9 の場合
n+864=1000+100(a-2)+10(b+6)+10+(c-6)
     =1000+100(a-2)+10(b+7)+(c-6)
で、これから、
s(n+864)=1+a-2+b+7+c-6
        =a+b+c
        =20
になり、これは条件を満たします。

このとき、nが最小になるのは、bとcがそれぞれ最大値(b=2、c=9)をとる場合で、これから、a=20-b-c=9 になり、したがって、nの最小値は 929 です。

〈3〉 2≦a≦9、b=3、6≦c≦9
  または、2≦a≦9、4≦b≦9、6≦c≦9の場合

n+864=1000+100(a-2)+10(b+6)+10+(c-6)
     =1000+100(a-2)+10(3+6+1)+(c-6)
     =1000+100(a-2)+100+(c-6)
     =1000+100(a-1)+(c-6)
で、これから、
s(n+864)=1+a-1+c-6
        =a+c-6
        ≦9+9-6
        =12
になり、条件を満たすnはありません。

〈4〉 2≦a≦9、4≦b≦9、2≦c≦5の場合
n+864=1000+100(a-2)+100+10(b-4)+(c+4)
     =1000+100(a-1)+10(b-4)+(c+4)
で、これから、
s(n+864)=1+a-1+b-4+c+4
        =a+b+c
        =20
になり、これは条件を満たします。

このとき、nが最小になるのは、bとcがそれぞれ最大値(b=9、c=5)をとる場合で、これから、a=20-b-c=6 になり、したがって、nの最小値は 695 です。

以上から、条件を満たすnの最小値は 695 で、これが答えです。


簡単な問題です。

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