東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

高校入試問題R2(4)[灘高]

2020-03-27 10:53:51 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、令和2年度灘高入試問題です。

問題は、
「下の図のように、中心がO、半径が1の円Kの周上に点Pをとり、円Kの内部に点Aをとる。


半直線OA上に、線分OAの長さと線分OBの長さの積が1となるような点Bをとる。

(1) △OPB∽△OAP となることを証明せよ。
(2) 半直線OAと円Kの交点をCとおくと、∠APC=∠BPCとなることを証明せよ。
(3) 図のように円Kの周上に点Qをとり、直線PQに関して点Aと線対称である点をDとおくと、△DPB∽△QOB となることを証明せよ。」
です。

図1のように、OA=k とすると、 OA×OB=1 から

です。


▲図1.OA=k とすると、OB=1/k です

そこで、△OPBと△OAP に注目すると、それぞれ、


OA:OP=k:1
になり、
OP:OB=OA:OP
が成り立ちます。

また、∠POB=∠AOP なので、△OPBと△OAPにおいて、2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しくなることから、△OPB∽△OAP を証明することができました。

次に(2)です。

図2のように、OA=k とすると、

で、PB=l とすると、△OPB∽△OAP から、PA=kl になります。


▲図2.OA=k、PB=l として、OB、AC、BC、PAをkとlで表しました

すると、
PA:PB=kl:l=k:1
で、一方、

から、
PA:PB=AC:BC
が成り立ちます。

したがって、角の二等分線定理の逆から、∠APC=∠BPC を証明することができました。

最後の(3)です。

図3のように、△OPBと△OAP の相似比をkとすると、
PB:AP=1:k
で、このとき、△PADは二等辺三角形なので、 AP=DP から
PB:DP=1:k    [1]
です。


▲図3.△OPBと△OAP の相似比をkとしました

また、

から

で、これと[1]から
PB:DP=OB:QO   [2]
です。

一方、(2)から
∠APC=∠BPC
で、さらに、直線PQが∠APDの二等分線であることから
∠APQ=∠DPQ
になり、したがって、
∠BPD=2∠CPQ   [3]
です。

このとき、∠CPQと∠COQはそれぞれ弧CQの円周角と中心角なので、
∠COQ=2∠CPQ
で、∠COQ=∠BOQから
∠BOQ=2∠CPO   [4]
です。

したがって、[3]と[4]から
∠BPD=∠BOQ
になり、これと[2]より、△DPBと△QOB において、2組の辺の比とその間の角がそれぞれ等しくなることから、△DPB∽△QOB を証明することができました。


簡単な問題です。

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