東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも解ける東大大学院入試問題(209)

2019-04-26 10:54:55 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度東大大学院新領域創成科学研究科環境学研究系海洋技術環境学の入試問題です。

問題は、
「 互いに異なる正の整数の書かれたカードが3枚ある。A、B、Cの3人がこのカードを1枚ずつランダムに選び、カードに書かれた数を自分の得点とするゲームを行った。このゲームを複数回行った後、A、B、Cそれぞれが取得した得点の合計はそれぞれ10点、8点、18点であった。なお、Bは2回目のゲームでA、Cよりも高い得点のカードを選んだことが分かっている。このとき、1回目のゲームにおいて3人の中で2番目に高い得点のカードを選んだのは誰か、理由とともに答えなさい。」
です。

3枚のカードに書かれた数を小さい順に、p、q、r、これらの和をS、行われたゲームの回数をn(≧2)とすると、
S=p+q+r 
S×n=10+8+18=36    (★)
が成り立ちます。

このとき、p、q、rは 1≦p<q<r を満たす整数なので、
S=p+q+r≧1+2+3=6
になり、この条件の下、(★)を満たすSとnの組合せ(S,n)は、
(6,6)、(9,4)、(12,3)、(18,2)
です。

ここから、上記の4つの場合について場合分けして調べていきましょう。

(S,n)=(6,6)の場合
S=6 から、p=1、q=2、r=3 です。

ここでCの合計得点は18点で、これを実現するためには、Cは3点のカードを全ゲームで選ばなければなりません。ところが2回目にBが3点のカードを選ぶので、Cの合計得点は18点未満になり、(S,n)=(6,6)は条件を満たしません。

(S,n)=(9,4)の場合
Bが1回rのカードを選び、残りの3回はpのカードを選んだとすると、
8=r+3p≧r+3
が成り立ち、これから
r≦5
です。

また、Cの合計得点は4r未満でなければならないので、
18<4r
が成り立ち、
r>4.5
です。

したがって、r=5 で、さらに p+q=4 から p=1、q=3 になります。

このとき、Bの合計得点が8点になるためには、表1のように、Bは1、3、4回目のゲームで1点のカードを選ばなくてはなりません。


▲表1.各ゲームでのBの得点が判りました

さらに、Cの合計得点が18点になるためには、表2のように、Cは1、3、4回目のゲームで5点のカードを選び、2回目のゲームで3点のカードを選ぶ必要があります。


▲表2.各ゲームでのCの得点が判りました

最後に、Aが選んだ残りのカードの合計得点を計算すると、それは10点になり、(S,n)=(9,4)は条件を満たします。

(S,n)=(12,3)の場合
Bが1回rのカードを選び、残りの2回はpのカードを選んだとすると、
8=r+2p≧r+2
が成り立ち、これから
r≦6
です。

また、Cの合計得点は3r未満でなければならないので、
18<3r
が成り立ち、
r>6
です。

したがって、(S,n)=(12,3)は条件を満たしません。

(S,n)=(18,2)の場合
Bが1回rのカードを選び、残りの1回はpのカードを選んだとすると、
8=r+p≧r+1
が成り立ち、これから
r≦7
です。

また、Cの合計得点は2r未満でなければならないので、
18<2r
が成り立ち、
r>9
です。

したがって、(S,n)=(18,2)は条件を満たしません。

以上から、1回目のゲームにおいて3人の中で2番目に高い得点のカードを選んだのは で、これが答えです。


簡単な問題です。

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