東久留米 学習塾 塾長ブログ

東京都東久留米市滝山の個別指導型学習塾 塾長白井精一郎のブログ

中学生でも解ける東大大学院入試問題(208)

2019-04-24 09:21:01 | 数学・算数の話
こんにちは。東久留米市の学習塾塾長です。

今回は、平成31年度東大大学院新領域創成科学研究科環境学研究系海洋技術環境学の入試問題です。

問題は、
「 ある整数Nは、5進法で abc と3桁で記述され、3進法で cdee と4桁で記述される。ただし、aとcは1以上の整数、bとdとeは0以上の整数である。このような条件を満たすN、a、b、c、d、eの組合せを、10進法の表記ですべて示せ。」
です。

abc と cdee はそれぞれ5進法と3進法の表記なので、整数a、b、c、d、eは、
1≦a≦4
0≦b≦4
1≦c≦2
0≦d,e≦2           (1)
を満たします。

5進法で表記された abc と3進法で表記された cdee を10進法表記に直すと、それぞれ、
             


になります。

すると(2)(3)から
25a+5b+c=27c+9d+4e
が成り立ち、これを整理すると、
25a+5b=26c+9d+4e  (4)
です。

(4)を見ると左辺が5の倍数なので、両辺を5で割った余りを調べたくなります。

そこで、(4)を
5(5a+b)=5(5c+d)+c+4d+4e
と変形すると、c+4d+4e が5の倍数になることが判りました。

一方、(1)から
1≦c+4d+4e≦18
なので、
c+4d+4e=5、10、15
です。

ここから c+4d+4e の 値で場合分けします。

c+4d+4e=5 の場合
4(d+e)=5-c
から
c=1
d+e=1
です。

これを満たすc、d、eの組合せ(c,d,e)は(1,1,0)、(1,0,1)で、 これらと(4)を満たすa、b、c、d、eの組合せ(a,b,c,d,e)を求めると、

・(1,1,0)のとき
 25a+5b=35 → 5a+b=7 → (1,2,1,1,0) → N=36

・(1,0,1)のとき
 25a+5b=30 → 5a+b=6 → (1,1,1,0,1) → N=31

c+4d+4e=10 の場合
4(d+e)=10-c
から
c=2
d+e=2
で、(2,2,0)、(2,1,1)、(2,0,2)です。

・(2,2,0)のとき
 25a+5b=70 → 5a+b=14 → (2,4,2,2,0) → N=72

・(2,1,1)のとき
 25a+5b=65 → 5a+b=13 → (2,3,2,1,1) → N=67

・(2,0,2)のとき
 25a+5b=60 → 5a+b=12 → (2,2,2,0,2) → N=62

c+4d+4e=15 の場合
4(d+e)=15-c
を満たすc、d、eの組合せはありません。

以上をまとめると、N、a、b、c、d、e の組合せ(N,a,b,c,d,e)は、
(31,1,1,1,0,1)
(36,1,2,1,1,0)
(62,2,2,2,0,2)
(67,2,3,2,1,1)
(72,2,4,2,2,0)

で、これが答えです。


簡単な問題です。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿