サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

長く生きないと

2024年03月17日 21時44分39秒 | 私の日記
 サキさんと結婚するときにお願いされました。

「私より一日でいいから長生きしてね

 高橋留美子さんの漫画「めぞん一刻」の中にもあったセリフと全く同じ言葉です。
 漫画の中では主人公の音無響子さんは続けて「もう一人では生きていけそうにないの」と言っていました。

 きっとサキさんも同じ思いだったと思います。

 でも実際には10年以上も前から、サキさんを一人にしてしまいました。精神科の病院に置き去りにしてしまいました。あの時のサキさんの何とも言えない切なそうなまなざしは私の頭から消えることはありません。

 サキさんを一人ぼっちにさせてしまった私に今残されている使命は、結婚の時の約束「サキさんよりも一日でも長生きする」を守る事です。これだけは絶対に守らなければ・・・。

 早くから施設に入所したサキさんは、心配された誤嚥も起こすことなく、管理された食事で私よりはるかにバランスの良い栄養を採っていると思われます。このまま行くと約束を守れないかも知れません。食生活を今まで以上に気をつけていかないと。でも、一人暮らしの気楽さから、どうしても手を抜いた食事になってしまいます。宅配のお弁当でも頼もうかな。今より栄養面は、はるかに改善されると思います。
 何とかしよう。
 何とかしないと。



 娘が緋奈乃ちゃんの写真を大量に送ってきました。離乳食も始めたようです。

 サキさんの為にも、孫の成長を見守るためにも、まず私自身の健康に気をつけよう。

 人間ドックでも受けてみようかな。

赤ちゃんの泣き声に反応しまくるサキさん

2024年03月16日 23時32分03秒 | 今日のサキさん
 久しぶりの投稿になります。

 今日3月16日の土曜日、3週間ぶりとなるサキさんの面会にお義姉さんと行ってきました。


 今日のサキさんの顔は、丸みがかってふっくらとしていました。きっと食事も時間はかかりながらもしっかりと食べられているのでしょう。お腹もぽっこり膨らんでいるようでした。スタッフの皆さん、いつも他の方よりも時間をかけての食事介助ありがとうございます。

 今日もサキさんには、孫の緋奈乃ちゃんの写真をみせたり、スマホの動画を見せたりしました。

動画では、緋奈乃ちゃんの泣き声(私に全然なつかないので)ばかりをサキさんに見て(聞いて)もらいました。孫の鳴き声と認識しているのか、それとも息子か娘の鳴き声と思ったか分かりませんが、少なくとも赤ん坊の泣き声である事はしっかりと認識しているようでした。
 緋奈乃ちゃんの泣き声に切なそうな表情をうかべ、小刻みに手を動かし(普段はほとんど動かない手ですが)赤ん坊をあやそうとしているのか、抱きかかえようとしているように見えました。足までバタバタさせて。

 赤ん坊の泣き声に反応しまくるサキさん、早くもう一度本当に緋奈乃ちゃんを抱っこさせてあげたいです。


サキさん、おばあさんやよ

2023年10月07日 14時10分18秒 | 今日のサキさん
 先週の木曜日の9月28日、無事に娘が出産しました。

 3740g、身長53cmのビッグサイズな女の子です。

 大きくてなかなか降りてこなかったみたいなので、帝王切開での出産となりました。

 さっそく土曜日に面会に行って、いっぱい写真を撮ってきました。「泣き声も反応するよ」とアドバイスをもらっていたので動画も撮ってきました。

 そして今日、サキさんとの面会です。
 面会の時に撮った写真や、娘から送ってもらった写真を印刷しサキさんに見てもらいました。



 今日のサキさんは、目を開けっぱなしでした。
「サキさん、香里が赤ちゃん産んだよ。サキさん、おばあちゃんになっちゃったよ」という声掛けにもしっかり反応。A4サイズに打ち出した写真を食い入るように見ていました。
 そして赤ちゃん(緋奈乃ちゃん)の元気な泣き声の動画を再生し、耳元で緋奈乃ちゃんの名ぎ声が聞こえると、普段はあまり動かない両手がピクンピクンと反応していました。

 サキさん、早くサキさんのお腹の上に緋奈乃ちゃんをのせてあげるでね。もうちょっと待っとってね。クリアファイルに入れた写真を置いてきたで、スタッフさんに見せてもらってね。

 とにかく、今日はとっても反応のいいサキさんでした。
 自分の初孫だよってわかってくれたかな。

サキさん、もうすぐ「おばあさん」やよ

2023年09月23日 17時00分25秒 | 今日のサキさん
 6月以来の久しぶりの投稿になります。

 本日、3週間ぶりにサキさんの面会に行ってきました。いつものように義姉さんと一緒です。


 目を開けていたサキさんでしたが、私の顔を認識するなり一瞬ギュッと目を閉じてしまいました。しかし今日のサキさんは目を閉じっぱなしではなく、目をキョロキョロと動かしお義姉さんと私をしっかりと見てくれました。

 ときおりピクピクっと手が震えるサキさん。私たちの声かけに反応しているような、けいれんのような。


 今日一番反応したのは
「もうすぐ、おばあちゃんになるんやよ」と耳元でささやいた時。ギュッと握ったこぶしをピクリとさせ、少しうなり声のような言葉を発したサキさん。どんな想いなのでしょう?


一カ月前の娘のお腹です。予定日は9月25日。しかし、全然下りてこないのと頭が大きいみたいで難産が予想されるので帝王切開で出産するそうです。来週の木曜日、28日に手術をするそうです。もしその前に陣痛が来ればそのまま出産するそうです。

 どちらにしても、母子ともに無事で産まれてきてほしいです。

 サキさん、次の面会の時には赤ちゃんの写真を持っていけると思うでね。楽しみにしといてね。


 少しの間、何か書くこと、文章に残すことに自信が持てず、また書いたものには(私には)表情やニュアンスがこめられないので、自分の気持ちをうまく表現できずにいました。また書き出すと自分の想いとは違う方向にいったり、想いの一面しか書けないので、書くことをためらっていました。

 しかし、もう66歳。残りの人生はそんなには長くありません。
 これからは、他人にどう受け取られようが気にせずに、思ったこと感じたことを素直に言葉に残していこうと思います。

ヨーグルトの食事介助

2023年06月20日 17時00分44秒 | 今日のサキさん
 「食べられなくなったらどうするのか家族で話し合っておいてください」という事だったので、食事の様子を見せて頂くために、お義姉さんと娘と三人でサキさんの面会に行ってきました。
 朝10時からなので、実際の食事ではなくヨーグルトを持ってきていただき、私たち三人で食事介助をさせてもらいました。


 まずは娘の大きなおなかに触ってもらいました。


 そして一応プロである娘から先に介助して食べてもらいました。

 目を閉じたままなので、なかなか口を開けてくれませんが、ヨーグルトを認識するとおもむろに口を開けてくれます。飲み込むときの時間のかかり方は3年前とさほど変わらない印象ですが、やはり口の中に長い時間ヨーグルトが残っているみたいでした。

 そのあと私、そして最後にお義姉さんにも介助してもらいました。


 3年ぶりの介助なので、しかもたった1回の介助なので何とも言えませんが、やはり食べるのに少し他の方よりは時間がかかる感じです。口の中にいつまでもヨーグルトが残っている感じだったので、飲み込む力は確実に弱まっているのかもしれません。
 実際のスタッフさんによる食事介助では、他の利用者さんの食事より30分早く食事を開始してもらっているようです。そして終了の時間が同じになるように調整してもらっているとのことでした。そんな配慮で時間はかかるけれど完食出来ているという話でした。ありがとうございます。

 そして「食べられなくなったらどうされますか?」に対する結論は、『何もしません』とお伝えしました。実際にはその時にならないとよくわからないとは思いますが、少なくとも『胃瘻はしない』との結論をお伝えしました。「その時がきたら、もう一度対応の仕方を相談させてください。サキさんを自宅に引き取るかもしれませんし」と伝え、今日時点での結論としてお話しさせてもらいました。

 治る見込みのある病気ではないし、サキさんの意識がはっきりし自分の意思を伝えることが出来るようになるわけでもなく、ただただ生きながらえるだけの処置なら・・きっとサキさんも「余計なことはしんでいいから」というと思います。
 今は、一日でも長く今の状態を維持してほしいと願うだけですが、それすらサキさんの意思とは離れているのかもしれません。もしサキさんがしゃべれるようになるのなら、何でもしてあげたいと思うのですが。


 最後に、サキさんとのツーショットを撮ってもらいました。

 本当は二人までなのに三人での面会を許可してくださった施設の皆さん、ありがとうございました。
 時間を掻けて食事介助をして下さっているスタッフの皆さん、ありがとうございます。引き続きよろしくお願い致します。
 本日、ヨーグルトの介助またサキさんに触れることを許可くださいまして、ありがとうございました。

 スタッフの皆さん、これからもお世話になります。よろしくお願い致します。