●前回の話 ゆとりの女…その1
ゆとり「あのね~ちょっと提案だけど…」
「家賃、5千円まけて欲しい」
うーん、痛いところを突いてきやがった
この空室全盛期、借りる方は言ったもん勝ちの値引き要求
千円~2千円の値引きなら、受けようと思う。だが、1万円の値引きなら断る。悩むのはその中間地帯。
33,000円-5,000円=28,000円
全ての大家の悩みだが、空室状態が続くより、家賃を下げても入れた方が長い目で見れば得だ。それはよく分ってる、だが、もしも今住んでる連中にその金額が知れたら超~まずい、絶対にウチもウチもと値下げラッシュになってしまう、仮に6軒を5千円引いたら3万円損失、そんなら空室のままの方がまだマシという事になる。
しかし、目の前にいる入居希望者をここで逃がしたくないのも事実
そこで色々考えて、中間案を打ってみた。
「3千円で、どーでしょうか?」
ゆとり「えー♪いいの~」
「え、ええ、いいですけど、他の部屋の人には内緒でお願いします」
ゆとり「やった!借りる、借りる、借りま~す」
彼女はめちゃめちゃ喜んでる、なんか異常なくらいテンションが高い、何で? そんなにうれしい金額だったのか、いずれにしても、まぁ、よかった
…ただ、気になる事を言い出した…
ゆとり「アタシは5千円でもよかったんだけど」
何言ってんだ、コイツ?
値引き5千円だと、でかすぎるから3千円にしたのに?
そして…言った…
ゆとり「確認するけど、家賃は3千円x12=年間36,000円ネ」
「はぁーーー???」
コイツの真意がやっと分った!
彼女の言う「3千円まける」とは、家賃から3千円を引くんじゃなくて「家賃を3千円にまけてくれ」と言う事だった
「無理です」
ゆとり「だってさっき約束したじゃん」
「33,000円から3,000円引く…と思ったからです、常識で分るでしょ」
言ってから思った、コイツに常識は無かった
ゆとり「ダメですか…」
彼女はしばらく考えてから別の提案をしてきた。
ゆとり「じゃ、こういうのは、どうかな…」
またもや、とんでもない提案をしてきやがった…
…続く
人気ブログランキング