●前回の話 ヤバイ奴…その7
T「うん、その件だがな…
いくつかのパターンの答えを予想していたが、それらとは全く違う答えが返ってきた!
T「てめー何、睨んでんだよ」
ヤツは私の胸倉を掴んできた。
そのまま、押し出される形で2人で表に出た。
T「なんじゃい、その目は、やるのか!
やるんなら、やってやるぜ」
なんとTは、チンピラだった
職人には、昔ヤンチャしてた連中多いが、みんな大人になるとまともになる。しかしコイツは50代半ばになってもやっぱりチンピラのまま…
Tが大声で威嚇してるから、近所の人が何人か窓越しにこの騒動を見ていた。
Tは、完全に頭に血が昇って拳を握り締め、今にも殴りかかって来そうな一触即発状態。
修羅場になりそーだったが、私は冷静だった。
なぜなら、Tは痩せた小男だ。
身長160cm前後、体重は50kg程度だろう。
ちなみに私は彼より一回り以上でかい。
殴り合えば絶対に私が勝つ
ボコボコにしてやってもいいんだが、正当防衛を主張するには、まず最初に私が殴られなくてはいけない。
観客(窓から覗いてる人ら)が何人かいるから誰か証言してくれるだろうが、こんなヤツに例え1発でもパンチ受けるのイヤだ。
何かいい案ないか冷静に考えていた。
ヤツが私の胸倉を掴んでいるので2人の距離は約50cm。この至近距離ではパンチや蹴りはさほど効かないが、ただ1つ効果的な手段がある。
頭突きだ。
…大阪の十三で育った波乱の少年時代(中学)
学校同士の抗争に明け暮れるまさにクローズZEROの世界。さほど腕力がなかったが、石頭で接近戦の頭突きは得意だった。
普通、頭突きは自分の頭で相手の頭を狙う。相手も痛いが自分も痛い。そこで私は相手の鼻を狙う戦法をとった。これは頭ほどの大ダメージではないが、相手にダメージを与えられて、自分はさほど痛くない。
相手の鼻を直撃、当たりがよければ出血する、しかもかなりの量、相手はその血を見て戦意喪失する必殺技。
見ている観客は、ちょうど私の背後になるので、頭突き入れても頭を少し前に傾けた…くらいにしか見えないだろう。
仮に頭突きが見えたとしても足がもつれてTに方に倒れ、たまたま頭がTの鼻に当たったといういい訳ができる(頭いい)
店子と喧嘩…
大家としてどうか、とか社会人としてどうかとか、批判する人もいるだろう。だがここは絶対に引くなと自分の本能が言っている。今までそーやって生きてきたんだから。
先制攻撃を掛けよーとした寸前、Tが何か言った。
…続く
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