つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

野趣横溢、津幡町の片隅で。

2020年03月21日 21時09分15秒 | 草花
二十四節気のひとつ「春分」の翌日は、朝からいい天気に恵まれた。
夏至にかけ昼間の時間が長くなってゆくこれからは、散歩のオンシーズン。
意気揚々とリードを握り、愛犬と連れ立って歩き始めると、
土の中から顔を出す春のシルエットを発見。

土筆だ。
子供の頃、天ぷらにしてもらって食べた記憶が甦る。
正直、味はよく覚えていない。
そんな思い出に浸るうち、ふとあるアニメ映画を思い出した。

「この世界の片隅に」。

戦時下の窮乏の中、主人公「すず」が、近所で摘んできた野草を調理していた。
タンポポ、スミレ、ハコベ、カタバミ等に混ざって、
土筆が成長した「スギナ」があったはず。
数年前に大ヒットした作品だから、ご覧になった方も多いのではないだろうか。

道沿いの土手で「フキノトウ」を見つけた。
こいつの苦み走った旨さはお馴染み。
やはり天ぷらにしてもいいし、味噌と合わせてもいい。

“春は苦味、夏は酸味、秋は辛味、冬は脂”。

苦味のある春の野草を摂るのは、季節替わりの身体に適していると聞く。
中でも「フキノトウ」は、冬眠から目覚めたクマが真っ先に食べるんだとか?

「フキノトウ」は、漢字で“蕗の薹”と書く。
薹は、花を付ける軸部分を指す。
俗に、若い盛りが過ぎた方を「薹が立つ」と表現するが、
これは、野草の花茎が伸びると固くなる、即ち頃合いを過ぎてしまった。
・・・という事らしい。
ま、今と比べ、寿命が短く、社会通念も異なる時代の物言いである。

土筆、フキノトウと来て「タケノコ」の姿が見たくなり、
毎年、生え出る竹林に目を凝らしてみた。
・・・しかし、まだ時期尚早。
北陸は4月半ば辺りからか。
嗚呼、早く食べたい。
煮物、焼き物、炒め物、和え物、揚げ物、汁物、炊き込みご飯。
和風、中華、洋食と身に纏う味を選ばず受け止めてくれる。
野の恵みの万能プレイヤーだ。

午後、買い物に出かけたスーパーの店頭で鹿児島産のそれを見つけた。
・・・まだ、おいそれとは手が出ない。
値段が落ち着くまで待つとしよう。

やはり「筍」は「旬」がいい。

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