小浜逸郎・ことばの闘い

評論家をやっています。ジャンルは、思想・哲学・文学などが主ですが、時に応じて政治・社会・教育・音楽などを論じます。

安藤裕衆議院議員を次期自民党総裁に!

2020年06月10日 19時02分53秒 | 政治


先日、皆さんよくご存じの、池上彰という大ウソツキが、テレ朝の「ニュース、そうだったのか」で、コロナ給付金に関して、「国の借金が1000兆円を超えているんだから、当然増税になる。国民一人当たり10万円給付も、国民が前借しているんだから、いずれ返さなくてはいけない」と言っているのを聞いて、思わずのけぞりました。
「ふうん、そうなんだ」とか相槌を打ってる聞き手も、なんでこんなひどいウソに騙されるんでしょうね。

最近の池上は、どうも自分は間違ったことを言ってるんじゃないかという焦りが顔に出ていて、表情が引きつっています。
どこか体を悪くしているのでなければ、激やせもそのせいかも。

ところで、あいつは20年来同じこと言ってて、どうせバカだから相手にしなくていいよ、と突き放すのもけっこうですが、筆者が危惧するのは、次の点です。
ああいう地上波番組は視聴率も高いから、池上のような大ウソツキが啓蒙家ヅラしてのさばると、愚民がどんどん再生産されるんじゃないか。
もう少し詳しく言うと、あの番組が大衆に受ける秘密は、その形式にあると思います。
優しく(易しく)流暢な調子で、教師という立場から、生徒に質問をしながら「正解はこうです」と余裕たっぷりに説明していく。
生徒はほとんど痴呆状態に置かれて、先生の講釈を感心して聞くほかはない。
誰も突っ込みを入れないし(入れる能力もないし)、議論する余地もない。
この「実演による啓蒙」という演出形式においては、生徒は手品師に引っかかる観客のようなものです。
だから視聴者も素直に「ふーん、そうだったんだ」と受け入れてしまう。
学者が澄まして書いているバカ言説も問題ですが、こちらは読者も多くありません。
だから、池上方式のほうが、学者のバカ言説よりもよっぽど悪影響をまき散らしていると思います。
そもそもこういう番組を作っているプロデューサーは、何を考えてこんなインチキ番組を垂れ流しているのか。
大衆が視聴するTV媒体でこういうやり方を使って、ウソを流し続ける限り、「国の借金で財政破綻、だから増税して財政を健全化、給付金もみなさんの借金」というデタラメは、改まりそうもありません。
まずは池上を潰せ!

ところで、今を去ることわずか2か月半前、『オペレーションZ』という財務省よいしょ小説を書いた作家の真山仁と、財務省事務次官の岡本薫明とが、「日本の財政がわかってない方に教えたい真の姿」と題して、例の「国の借金1000兆円超が国家財政の破綻を招く」というトンデモ対談を平然と行っています。

ご覧になった方も多いことでしょう。
https://toyokeizai.net/articles/-/340525
日本の財政がわかっていないのは、お前たちだろ! と思わず怒鳴りつけたくなります。
真山は本当のバカなのでしょう。
しかし、岡本事務次官がわかっていないはずはないので、西田昌司参議院議員が国会で追及した時に、彼自身が「財政破綻はしません」と答えているのです。
https://www.youtube.com/watch?v=JlvJGc7ohzI&feature=youtu.be
このブログの読者ならとっくにご存知と思いますが、財務省のHPにもそう書いてありますしね。
だから、一般国民相手の場面では、岡本は平然とウソをついているわけです。
国民に平然とウソをつく高級官僚がうようよいるこの国、誰が考えても亡国と言わざるを得ないでしょう。

さて大衆啓蒙家気取りの池上彰、財務官僚トップの岡本薫明、財務省御用学者の小林慶一郎、土居丈朗、森信茂樹、佐藤主光、吉川洋、伊藤隆俊、伊藤元重の面々、朝日の原真人、日経の久保田啓介……。
この緊縮脳に侵された重症患者連中を徹底的に潰さない限り、日本経済に未来はありません。
どうすれば潰せるか。
こちらも執拗に言論と政治実践で対抗していく以外ないでしょう。

ところで、このたび、コロナ禍がもたらした大恐慌危機に際して、「日本の未来を考える勉強会」代表の安藤裕衆議院議員消費税ゼロ、百兆円の国債発行を提案しました。

彼を中心とする若手自民党議員の獅子奮迅の働きによって、この日本経済回復策に賛同する国会議員が80名を超えました。
その結果、まだまだ不十分とはいえ、岸田政調会長、西村経済再生担当大臣らを動かし、真水32兆円の財政出動にこぎつけました。
ことに予備費10兆円の確保は、予備費という名目では、金額的に言って空前の規模です。
もしこれを全額、コロナ禍(というより不必要だった過剰自粛)による民間企業の巨大な損失補填に充てられるなら、その効果はかなり大きいと言えるでしょう。
今回のこの動きは、いままで財務省の言うなりになって眠りこけていた大方の自民党議員の空気を一新するたいへんなことだったといっても過言ではありません。
コロナ禍を奇貨としたというべきでしょうか。

しかし、疫病としてのコロナが沈静しても、一度落ち込んだ経済を回復させるのは、並大抵のことではありません。
けっして忘れてはならないのは、コロナが来なくても、昨年10月の消費増税によってGDPが▲7.1%の落ち込みを見せたという事実、その前から20年以上もデフレから脱却できず、事態はますます悪化していたという事実です。
コロナ禍が去れば、それ以前は経済がまともに機能していたかのような錯覚に陥る可能性が十分にあります。
財務省はここぞとばかり、この錯覚を利用するでしょう。
7月に予定されている「骨太の方針」決定に、はたしてPB黒字化目標がまだ残るのか。
これが残ってしまうようなら、緊縮路線は何ら変わることなく、財務省はコロナ財出で使った分を税金で取り返そうとするでしょう。
今回のコロナ財出でも、消費税には指一本触れませんでした。
そうすると、気違いじみた池上の希望通りになってしまいます。
8月には4月―6月期のGDPが発表されます。
悲惨な数字が出ることは確定的です。
闘いはこれからなのです。
当然、第三次、第四次補正予算を組む方向へと邁進していかなくてはなりません。
この邁進の動力源に誰がなりうるか。
安藤氏とその賛同者以外にはいないでしょう。

山本太郎氏も、この間、日本の貧困化をもたらした勢力を告発するのによく貢献したと思います。

彼はMMTを中心とする積極財政論をきちんと理解していますし、どんな質問にも明快に答えられる優れた政治家です。
しかし野党的立場からの告発と勢力伸長にはどうしても限界があります。
やはり、圧倒的多数を誇る自民党議員に親しく接触することができる安藤氏のような人が、政権与党の内部で粘り強く説得を繰り返し、内部から変革していくのが、一番有利な方法と考えられます。

安倍政権の支持率もだいぶ落ちてきました。
いつとは言えませんが、そろそろ安倍首相の降板も近いでしょう。
しかし国民の意識としては、ほかにもっといい人がいないというのが本音でしょう。
筆者としては、このタイミングで、安藤議員に次期自民党総裁選に出馬していただくことを提案します。
ロートルひしめく党上層部に切り込みをかけても、すぐにはひっくり返らないかもしれません。
しかしこれによって、安藤グループ及びその潜在的な賛同者が、一気に表面化し、安藤氏はその存在感の大きさを示すことができます。
消費税ゼロ、国債100兆円を掲げる安藤氏に、自民党次期総裁の地位を! そして安藤総理大臣の実現を!


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