今朝は雨が降っていたんです。

 

起床予定の時間に

なかなか起きられなかった、ぽよくん。

 

私も雨の日の起き抜けは

 

温かい泥の中で

こんこんと眠りこみ

もったりとした膜に包み込まれているような

心地よさと、けだるい重さがあって

 

身を起こしたくないことが多いから

ぽよくんもそうなんかなあ…

 

なんて思いながら

二人でしばらく布団の中で

ウダウダしてから

 

ギリギリの時間にやっと起きた。

 

 

 

 

起きてからは ぽよくんは

気分を損ねることなく

ご機嫌さんで登校の支度をし

 

ランドセルを背負い

元気に、玄関を出ていきました。

 

多少は撥水効果があるだろう

薄手のウィンドブレーカーを上着に着せて

ちゃんと傘を差すように

言い渡してから送り出したのだけど

 

窓から様子を覗いていたら

 

案の定、かなりの雨降りで

班の他の子どもたちが

皆傘を差している中

 

ぽよくんだけが、傘をささずに

(傘は手に持っている)

濡れながら登校しているものだから

 

慌てて、窓を開けて

家の中から

 

「ぽよくん!傘をさしなさーい!」

 

と大声を上げたけど

 

聴こえたのか、聴こえていなかったのか

チラリとこちらをふりむいたものの

ぽよくんはそのまま行ってしまった。

 

 

雨足は強くなっている。

 

 

慌てて髪と服の体裁を適当に整えて

上着を羽織って

私も傘さして、自転車に飛び乗って

ぽよくんを追いかけた。

 

ほどなくして班に追いつき

 

やはり、傘を手に持ったまま

濡れて歩いているぽよくんに

 

「傘!傘をさして!」

 

と声をかけると

黙ったまま、どこか睨みつけるように

私の顔をじっと見て

ノロノロと傘を開き始めた。

 

遅いよ!

 

その手から傘をぱっと取って

手早く開いて

ぽよくんに手渡した。

 

「なんで傘ささへんの!アホかお前はー!」

 

思わず、安全帽子の頭を

軽く「ペンっ!」とはたいて

 

ぽよくんが

傘を維持したまま歩き出すのを

ふりかえりながら確認し、

自転車で引き返した。

 

 

最後まで、ぽよくんに笑顔はなく

一言も言葉を発さなかった。

 

 

家に帰宅してしまってから

ふと

 

家を出た時の笑顔が嘘のように

押し黙ったまま登校し

 

班の皆のだれも

ぽよくんが傘をささずに歩いていることを

注意したり、

サポートしてあげようかな

という気配もなく

 

ほうっておかれて登校していることや

 

基本、近所の子は

ぽよくんのことを面倒くさがっていて

特に意地悪とかをしてくるわけではないけれど

よっぽど危険のある時以外は

距離をおいて傍観している…

そういう感じです(^^;)

 

だいぶ上手になってきているとはいえ

もともと、ぽよくんが

傘をさして歩くことが苦手であることや

 

ちゃんと、傘をさして

登校している時もあるのに

 

なぜ、今日にかぎって

なんともいえない表情で

傘を手に持ったまま、歩いていたのか

 

ぽよくんには、ぽよくんなりの

何かの心理的な

事情があったのではないか

 

とか…

 

いろんなことが思い出されて

 

 

傘をさすように促しに行ったあの時

 

どうして私

もっと優しい言い方で、やり方で

教えてあげなかったんだろうな。

 

毎日、学校に行っているだけでも

ぽよくんはすごく頑張っているのに

 

あたたかな声がけで、応援しながら

送り出してあげればよかった。

 

 

と…

とても

いたたまれない気持ちになりました。

 

 

 

「ぽよくんが雨に濡れて風邪を引いてはいけない」

「傘をさしてほしい」

「何度も促したのに、ぽよくんが指示を聞かず

傘をささない」

 

ということばかりを見ていて

 

ゆとりある視点で 広く物事を見て

「なぜ」の背景を感じようとすることを

すっかり忘れていたんです。

 

 

いや、忘れていたというより…

怠慢というか…

ずぼらになっていたのかなしょぼん

 

 

朝、起きたのがギリギリで

急いでバタバタしていたこともあって

 

外にまでついていって

 

傘を差すのを見届けてあげる

という

ちょっとした私の付き添いの行動を

面倒くさがったせいでもあり…

 

今度から

雨の日は、一緒に傘を差して

班登校がスタートするまで

そばにいてあげよう。

 

って、思った。

 

 

 

ぽよくん、ごめんね。

 

学校で、元気に楽しく過ごしているといいな。

大好きだよ。

ほんとに、ごめんね。