真夏のレバニラ。 | け?

け?

「こんなに馬鹿だと思わなかったからさ」

 

 

レバニラ炒め定食が食べたい。

ご飯は要らないから。

 

お袋に線香上げ行った帰り。

手を合わせながら苦笑い。

何とかやってる。当分そっちに行けそうにない。

饅頭置いてく。どうせ食べはしないだろうけど。

 

陽射しを逃げて誰もいない駅前。

通り向こうの中華料理屋。

そっちに行こうか? どうせ空いてるだろうから。

 

ちょっと待て。

座って頼んでレバニラ来るまで何してる?

背筋を伸ばして両手を膝に俯いてる?

文庫本は持ってない。

俺はひとりだし。

俺はひとりで食堂に入れない。

 

仕方なく弁当屋。

どうしてことごとく不味いんだろう?

揚げ物に牡蠣の匂い。

季節外れの苦い香り。

ねぇ? ばばあ?

どうしてレジ脇のソファ、荷物も置いて独り占め?

みっともないけど鈍い痛み。

座りたくなる腰の痛み。

ねぇ?ばばあ?

人の痛みってわかるかい?

そんな今日はずっと昔に見えなくなった人の誕生日?

どうせ二度と会うことはない。

 

 

今日の俺をシカヲ風に♪〜