久しぶりの横浜は、潮の匂いと喧噪と来る度に感じる独特の匂い・・

 

 

しねえ。

ぜんっぜんしねえ。

 

ここが横浜なら、

高崎は軽井沢だ。

 

 

6時半ぴったりに家を出て（あすぺなの）2時間。

住所表記上は横浜市かも知んないけどそれ詐欺。

ここ石投げたら相模原だろ。

しかも現場、駅から徒歩20分。今日フル機材なんですけどまぁいいや昼で終わる。駅で待ち合わせしたディレクターと雨の中とことこ。

 

「あ」

「Kenさんごめん」

「間違えた」

「反対方向だ」

 

（・・・あんのなぁ〜）

 

 

 

昨日22時。

あーつっかれたっ 目がちかちかするー このカットの処理終わったら寝よう明日も早いし。

 

！。

 

両目ごしごし。

 

え？

 

Mac再起動「えいっ」

朝7時から15時間画像処理してんだもんなー そりゃ目もMacも疲れてるよなー

 

Mac立ち上がる。

 

えっ

なんで？

えっ

どうしてこんなことが起きるの?! なんで？ ありえないだろ？

 

 

うーわー

ピントねえ。

1カット丸々ピントねえ。

 

 

イスの上で体育座りのまま固まる俺。

眠気が飛んだ。

どーしよー

やっちゃった。久しぶりにやっちゃった。

謝りに行くのやだなー でも謝っちゃえばいいだけだからなー 撮り直させてくんないかなー

 

ちょっとまて俺。

落ち着け俺。

コーヒー淹れて一服しよう。

 

これ。レンズ故障だな。スタビライザーの誤作動か。

んなことはクライアントにはどうでもいいことで。

師匠が良く言ってたな「人は間違える機材は必ず壊れる。だからプロは大変なんだ」と。

「失敗した時のフォローが一番大事。やりように依っては上手く行った時より信用される」とも。

んー・・・どうしたもんかね。

 

寝ちゃえ。

明日だ明日。納期は貰ってるんだ。

 

 

今日雨の中、ディレクターに、

で、あの座ってるカット、無くてもいいんですよね？

 

「あ。あれは要らないです」

 

パンツ見えちゃってるんです。

可哀想だから納品しないでおきます。

 

「・・・それ」

「別のホルダーにして納品してください」

 

（そー来たかぁー）

 

「俺だけこっそり見ます」

 

（あんた新婚だよね？）

で、すみません、ロケの○○のカット、ピンぼけ作りました。

 

「？」

 

かくかくしかじか・・

 

「だぁいじょーっぶっすよ」

「Kenさん写真に厳し過ぎ」

「媒体になっちゃえばわかんないすよ」

「扱い大きくないし」

「Kenさんの「良くない」は他の人の普通」

 

（そんなもんかなぁ）

 

 

帰りの東海道線、おっと湘南新宿ラインの中で考えた。

ピンぼけって言うのは、要は瞳と唇のエッジが鈍いからだろ？ フィルム時代だったらどうしようもないけど、これデジタルだもんな。ってぇことはだ・・フォトショでピクセル等倍で作っちゃえばいいんじゃね？ その上でシャープかけちゃえば。んで最後にぼかしとコントラストで誤摩化して・・

あれ、これ何とかなるんじゃね？

 

ちゃかちゃかきこきこかちかち・・

3時間で出っ来たっ♪

デジタル万歳ぃ〜

 

 

慢心以外の何ものでも無いね。

「俺に任せろ。いい写真撮ってやるから」なんて傲慢だったからだ。

もっと謙虚にならないといけないね「稲は実って頭を垂れる」て言うし。

『謙虚なKenさん』を忘れてたよ。

 

 

僕に任せてください。いい写真撮ってやっから。