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高いと危険か、正常値信仰のワナ

2020-11-24 10:26:14 | 健康・医療
今年はコロナ騒ぎで健康診断などを受ける人減っているようですが、秋冬の健診や人間ドックが増える時期になりました。

ここで数値が高いとなれば、すぐに治療したいとなりますが、検査には有効性に疑問があるものやかえって害になりかねないものもあります。

特に生活習慣病といわれる項目には、見直す機運も高まっているようです。血圧は「正常値」の範囲が厳しすぎるという指摘があります。日本高血圧学会は昨年正常血圧の範囲を引き下げ、74歳以下で130/80(74歳以上は140/90)を降圧目標としています。

実に日本人の成人の約4000万人が高血圧の対象になる値です。例えば英国の治療基準は、最高血圧が160以上で心筋の肥大など臓器障害のある人となっています。

日本のように正常値を下げれば当然治療対象は増えてしまいますが、加齢とともに血圧が高くなるのは自然なことという見方も出てきました。降圧剤を飲んで血圧を20以上も下げると、10程度下げたケースと比較して、死亡率が1.5倍になるという製薬会社のデータもあるとしています。

血圧が上がって一番心配なのは脳内出血ですが、1960年ごろからその数は一貫して減っています。栄養状態がよくなり、血管が丈夫になったことが考えられます。もちろん血圧が高すぎる人には治療が必要ですが、治療薬によって脳梗塞が増えているのであれば本末転倒といえるでしょう。

コレステロールの項目も数値が高いと心筋梗塞になるリスクが高まるとして、正常値が厳しく設けられています。しかし現在では、血中コレステロールが高いと動脈硬化を起こすという説は否定されているようです。

高めの方が長生きをするというデータもあり、米国政府は卵などのコレステロール摂取制限を撤廃しています。むしろ血圧やコレステロールなどが正常値ならば安心してしまうということが、健診の死角となると指摘され始めました。

血液検査が正常でも動脈硬化を起こす人はおり、心筋梗塞が心配ならば5年に1度くらい心臓ドックを受けて、冠動脈の狭窄が起きていないか調べる方が合理的です。日本は先進国の中でも心筋梗塞が最も少ないのに、血圧やコレステロール値にナーバスになりすぎといえるようです。

正常値信仰をそろそろやめるべきという意見も出ています。また糖尿病の指標である血糖値も、治療による下げ過ぎを懸念する声も上がっています。

私はこのブログでも再三述べているように、特に高齢者は生活習慣病など問題にすべきではないと思っていました。今回のような見直しが広まって、正常値信仰がなくなることを願っています。

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手近の書店に出ていないため、やや面倒ですがよろしくご購読をお願いいたします。



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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-11-28 23:02:01
https://dot.asahi.com/wa/2020111100024.html

この投稿はAERAdot.より盗用したものです。

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