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マウスの人口冬眠に成功

2020-07-09 10:28:53 | 自然
マウスの脳神経の一部を刺激して冬眠状態にすることに成功したと、筑波大学と理化学研究所の研究チームが発表しました。

ヒトを人工的に冬眠させる技術の開発につながる可能性があり、チームは救急医療や将来の宇宙旅行での応用に向けた重要な一歩と期待しています。

チームはクマやリスのようには冬眠をしないマウスを実験に用いました。脳の視床下部にある、これまでに役割が明確でなかった神経細胞の集まりを薬剤で刺激すると、マウスの体温は通常時の37℃前後から24℃前後に下がり、心拍数も約4分の1に減少しました。

気温を8〜32℃で上下させても、体温は20℃台前半に保たれ、哺乳動物がもともと持っている体温の「設定温度」が下がったことが確認できました。その間マウスは餌を食べず、動き回ることもありませんでした。

この状態はすべてのマウスで24時間以上続き、「冬眠」と似た状態であり、冬眠中の動物の体温や心拍数は低い状態で一定に保たれることが知られています。この冬眠状態を必要な時間起こすことができるのかという点は、今後の改題かもしれません。

マウスは日常の睡眠とは別に、飢餓や寒さに長時間さらされた時に、数分〜数時間代謝を下げる「日内休眠」をすることがあります。そこで研究チームは、日内休眠をしないラットでも同じ実験をして、冬眠状態に導くことに成功しました。

マウスやラットは時間がたつと冬眠状態から自然に回復し、異常は見られなかったようです。ここも重要なポイントのひとつで、通常の冬眠は気温変化で終わりますが、この人工冬眠は気温ではなく時間で自然に回復するようです。

この時完全に元の状態に戻っているのかの詳しい検証が、この安全性という点では重要と思われます。研究チームは薬剤で刺激した神経細胞の集まりを「Q細胞」と名付けました。

ヒトにもQ細胞に相当する脳神経があり、これを刺激することで人工的に冬眠させられる可能性があるようです。今後よりヒトに近いサルで実験する方針としています。

研究チームは、「脳卒中や心筋梗塞では血管や心臓などで酸素が不足して障害が起きます。速やかに冬眠状態に誘導して酸素の消費を減らせば、障害を遅らせられる可能性がある」と応用に期待しています。

また将来人類が火星以遠の惑星を目指す際、ヒトを冬眠させれば宇宙船に積む酸素や食料を減らし、老化や身体機能の低下を遅らせられるかもしれません。この辺りも人口冬眠は宇宙を旅する際の大きなメリットになるでしょう。

これはサルなどのよりヒトに近い動物での成果が待たれる研究といえるようです。


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