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膵臓ガンはお腹のカビが原因

2019-12-04 10:07:48 | 健康・医療
膵臓ガンは腸内に生息するカビ(真菌)が膵臓に移動し、正常な細胞をガン化させたせいかもしれないという報告がニューヨーク大学の研究グループから発表されました。

膵ガンにカビの関与が示されたのは初めてで、5年生存率が5%以下という致死率の高い膵臓ガンの予防法や治療法が向上する可能性があります。

研究では、7カ月半にわたり膵がんマウスと健康なマウスの糞を採取し、真菌の種類と数を調べています。正常な細胞がガン化する際に真菌叢の組成も変化するかを確認するためのようです。

蛍光タンパク質で印をつけた真菌をマウスの腸に注入し、真菌が腸から膵臓へ移動する様子も観察しました。その結果膵ガンマウスの真菌の数は健康なマウスに比べ、およそ3000倍に増えていて、真菌叢の組成も大きく異なっていることが分かりました。

特にマラッセジア属と呼ばれる真菌の数が急増しており、これは膵ガン患者の膵臓でも見られる現象のようです。このとき膵ガンのマウスに抗真菌剤を投与して、真菌叢を変化させたところ、30週間でガンの量は20~40%減少しました。

マラッセジア属の真菌は皮膚や頭皮から検出されることが多く、脂漏性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬などの原因になることが知られていますが、最近の研究では皮膚ガンや大腸ガンにも関与している可能性が報告されています。

研究グループはお腹のカビとガンとの関連について、真菌が免疫系に影響を与えることで異常な組織の増殖を招いているのでは、との見方を示しています。

人間は真菌の分解力を利用し、真菌を腸内に住まわせて栄養を与える代わりにタンパク質をアミノ酸に分解したり、脱水したり、デンプンをブドウ糖に分解したり、ビタミンを作り出したり、ミネラルを吸収しやすくするよう働かせています。

それでも人間が許容するカビの量はわずかで、その増殖は腸内に数多く寄生している細菌により制御されています。腸内には有益な「善玉菌」と有害な「悪玉菌」、さらにはどちらにもなり得る「日和見菌」があり、健康なときはそのバランスが取れています。

少しでも悪玉菌が増えると日和見菌がそれに近い働きをするため、数%の悪玉菌が増えることで、結果的には数十%の変化が起きてしまいます。腸内でカビが増えることは、その分人間に有益な善玉菌が減ることを意味し、多くの弊害が現れることになります。

身体の免疫力の7~8割を担っている腸の機能が低下してガン化しやすい環境になってしまうだけでなく、さまざまな病気の原因になるという事でもあるようです。

腸内細菌叢を整えるのはかなり難しいことですが、腸の健康が全体の健康の基本といえるのかもしれません。


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