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気づかぬまま進行する誤嚥性肺炎

2020-09-22 10:22:50 | 健康・医療
日本人の死因の上位を占める肺炎ですが、なかでも誤嚥性肺炎は飲み込む力が低下する高齢者に多く発症し、治療後も繰り返します。

高熱などの典型的な症状が現れにくく、気付いた時には病状が進行していることが少なくありません。ものを飲み込む働きを嚥下といいます。

誤嚥性肺炎は、本来食道へ運ばれるはずの唾液や食べ物が気道に落ち、中に含まれている細菌やウイルスが肺に炎症を起こす感染症です。日本人の肺炎死亡者に占める65歳以上の高齢者の割合は、97.9%と極めて高く、その多くが誤嚥性肺炎です。

80代以上の肺炎は、ほぼすべてが誤嚥性肺炎といわれています。通常飲み込むときには気管がフタ(喉頭蓋)で閉じられ、同時に食道が広がるので、食べ物や唾液が気管に落ちることはなく、落ちかけたとしても反射的に咳が出て口に戻ってきます。

しかし加齢や病気で嚥下機能が低下したり、咳反射が鈍くなったりすると誤嚥を起こしやすくなります。高齢者は肺炎球菌が鼻や口に住み着いている人が多いだけでなく、歯周病の罹患率も高いなど口の中は誤嚥性肺炎の原因菌が繁殖しやすい環境に傾いています。

誤嚥というと食事中にむせる様子を想像しがちですが、実際は睡眠中など知らず知らずのうちに口の中の細菌が唾液と共に機関や肺に流れ込み、じわじわと肺炎を発症するケースが多くを占めています。

高齢者の肺炎は呼吸不全になりやすいだけでなく、心不全を伴うこともあり早めに発見して治療することが重要です。

よく見られる症状は、37度台半ばの発熱、呼吸が浅く速い、体がだるい、食欲がないという状態ですので、いつもと違うと感じたら早めに受診するべきです。治療は軽度なら飲み薬が使われ、中等度〜重度の場合は注射薬(点滴)で行われます。

高齢者は症状が軽くても入院になることが多いのですが、適切な抗菌薬治療をすれば炎症は治まり、1~2週間で退院できるようです。

しかし誤嚥性肺炎を発症する人は、元々加齢などによって嚥下機能が低下しているため、肺炎の治療後も誤嚥を繰り返します。そのため栄養管理やリハビリで嚥下機能を維持することが重要です。

高齢者が誤嚥性肺炎で入院すると安静が指示され、食事をやめて腕からの点滴で栄養を補給することが多いようです。寝たきりで体を動かさない状態が続くと、筋力はどんどん低下しますし、口から食べなくなると嚥下機能も落ちていきます。

こういったことから、一度誤嚥性肺炎になると寝たきりなる可能性は高いようです。嚥下機能を維持する方法なども書かれていますが、あまりスッキリしたものはなく、結局三度の食事をしっかりとることが基本なのかもしれません。


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