ごっとさんのブログ

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薬の効かないインフルエンザ

2019-12-08 10:39:36 | 健康・医療
抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」が効きにくい耐性ウイルスは、薬が効くウイルスと同じぐらい感染力があり、症状が重くなる可能性があることを東京大学の研究チームが発表しました。

これまで耐性ウイルスは感染力が弱いとされてきましたが、専門家は薬の効かないウイルスが広まる恐れがあるので、耐性ウイルスが出やすい子供には注意深く使う必要があるとしています。

研究チームは、昨冬ソフルーザを飲んだ後に耐性ウイルスが検出された患者4人のウイルスと、治療前に採取した耐性が生じていないウイルスを分離しました。それぞれをハムスターやマウス、フェレットに感染させ、感染力や症状を比べました。

耐性ウイルスは、感染したマウスやハムスターに、耐性の無いウイルスとほぼ同じように体重の減少を引き起こし、肺や気管で通常のウイルスと同じように増殖しました。

感染させたフェレットの隣のケージに感染していないフェレットを入れると感染することも確認しました。これが今後問題になる可能性があるとしていますが、私はやや疑問です。

インフルエンザというのは風邪の一種で、風邪の原因とされるウイルスは200種以上とされており、インフルエンザウイルスはその中でやや感染力が強いウイルにすぎません(やや症状も重くなりますが)。

人類の長い歴史の中で、つい最近までこのウイルスをターゲットとした薬は存在しませんでした。それでも人間は自分自身の免疫力によって、暖かくして場合によっては抗炎症剤などの対症療法を使って治してきたのです。

他の病気などで免疫力が落ちている人などは、重い症状になる場合もありますが、通常は2,3日で治る軽い病気であると言えます。

一般的には、ウイルスに感染してある程度ウイルスが増殖してから、32~48時間後には抗体ができ、免疫による攻撃の準備が整うとされています。この免疫力を高めるため若干発熱したりしますが、全く症状が出ないままウイルスの駆除ができてしまう場合もあるようです。

つまり昔からインフルエンザを含む風邪は(昔はインフルエンザを区別していませんでした)、卵酒のような民間療法で十分治る程度の軽い(治りやすい)病気だったはずです。

また有効な抗体は上記のような時間でできるものですので、前もってワクチンで作っておく必要もないような気がします。

従ってタミフルやソフルーザのようなウイルスを攻撃する薬剤が本当に必要かも疑問ですが、免疫力が十分でない人には有効であり、そのような人に使用すべき薬と考えられます。

それをウイルスが検出された人すべてに処方するという、無駄な使い方をして耐性ウイルスを問題にするというのは、本末転倒のような気がします。


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