かーちゃんはつらいよ

キャンプでのそうちゃんは、「手がかからなかった」そうで。
夜寝るときも、9時半過ぎには布団に入って「おやすみ～」と言ってすぐに寝入ったとか。

誰の話じゃそれ？

と思うけど、「いつもニコニコしてた」と聞けば、それは間違いなくそうちゃんだな、と安心する。
児童精神科ドクターにも、「彼は人生を楽しそうに過ごしてますね。」とお褒めの言葉をもらえたようです。
ともかく父子ともに無事に過ごして帰ってこられて、よかったよかった。

帰宅後は夫を昼寝させてあげようと、そうちゃんと二人で買い物に出かけました。
盆休みでレジが混んでいて。
待ち時間が、長い長い。
そのうちにそうちゃんが歌い出した。

　ほら　のぞいてごらん　
　そっと　みんなにだけみせてあげるよ
　自然や動物たちが　ずっといつまでも
　世界じゅうの　人たちと　なかよく助けあって　
　みんなを愛しながら
　くらしてゆきたい

だんだん大声になってきて、周りの人が振り返る。
この歌を止めるかどうかは迷うところ。
歌を歌っているからこそレジの順番が待てているのであって。
無理に止めるとパニックになりかねない。

迷いながらも、そっと「小さい声で歌って」と言うに留めることにした。
ニッコリ笑いながら平和な歌詞を口ずさんでいる子どもに、世間様はやさしい。
振り返った人もそうちゃんの姿を確認するとすぐに元の方向を向く。

買い物のあと、そうちゃんのワードが変わった。
「おでんくんって　まんがのこと？」

そう。
さっき歌ってた歌の歌詞は、「おでんくん」のアニメの挿入歌なのでした。
きっとこの歌をデイで歌ってて、「それ何の歌？」と聞かれ、「おでんくん」「おでんくんって漫画のこと？」と会話が続いたのだと思われる。
つまり、そうちゃんの独り言のほとんどは脳内ビデオの再現。
「それ、誰が言ってたの？」と聞くと、ほぼ正確に「〇〇さん」と言える。

キャンプで「よそゆき」だった分なのか、今日はずっと一人でお話しっぱなし。
歌ったり、話したり、声を立てて笑ったり。
そんなそうちゃんが、おうちに帰ってきてくれて嬉しい。

おかえり。

最後に、昨日横浜で撮った写真を。

わかるかな？
カモメが等間隔に止まってるの。
♪カモメのすいへいさん
思わず歌ってしまう私は、やっぱりそうちゃんのかーちゃんだな。