本日、亀岡市曽我部町犬飼で発掘調査が行われている
犬飼遺跡現地説明会に行ってきました~
この調査では、13世紀後半~14世紀前半(鎌倉時代終わり~
南北朝時代)につくられたとみられる居館が発掘されました。
雲が広がる中、ご近所さんから京都府外の人まで、集まったのは
200名ほどいたでしょうか。
今回見つかった居館は、巨大な堀で東西2ヶ所に区画されています。
↑色の変わっている部分から下が水があった場所(粘土質)
一つの堀の幅約8m、深さは最も深いところで約2mもあります
このような巨大な堀で区画された居館は「方形館(ほうけいかん」とも
呼ばれ、従来の研究から、武士の居館であったという説が有力。
しかし、今までどの書物にもこの居館の記載は出てきたことがなく、
実際はどのような人物が住んでいたかは明らかではありません。
また、当時の生活道具が数多く出土しました。 茶碗や壺の他、
中国からもたらされた天目茶碗や緑釉陶器(りょくゆうとうき)の「盤」
と呼ばれる焼物も見つかりました。
緑釉陶器は人々が簡単に入手できるものではないため、この屋敷は
かなりの有力者であったと考えられます。
これまで亀岡では遺跡は見つかっていましたが、いずれも一部が
見つかっていただけでした。 今回のように掘と区画の内部を含め
全体を調査した事例は、全国的にみても珍しいんだそうです。
この遺跡の調査成果は、今後、中世の社会を考える上で、貴重な
資料になるのではないでしょうか