あちこち散歩みち

近畿圏内を小さくあちこち歩き・たまに寺社めぐり・日々のとりとめない暮らしなどを書いています

うつくしきもの

2019年12月12日 | 

枕草子  第151段

うつくしきものの章段の中に

 

二つ三つばかりなるちごの、

いそぎてはひ来る道に、

いとちひさき塵のありけるを目ざとに見つけて、

いとをかしげなるおよびにとらへて、

大人などに見せたる、

いとうつくし。

 

このようなことは、よくあることで

ハイハイしている幼子が、塵か糸くずかを見つけて

小さな指でつまんでまわりにいる大人などに、

「ほら、ほら、あるよ!」とでも言うような仕草がとても愛らしい。

 

何でもない些細な日常の幼子の仕草を、

端的に描き切って、文で残している少納言です。

平安の気位の高い才媛も、やはり人の親で子育ての経験から描き切れるのです。

 

少納言は16歳で橘則光と結婚。男子を産みます。

二度目は藤原棟世(むねよ)と結婚。女子を産みました。

 

時代を経てなお、共感を覚えるほんの一部分です。

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