伯爵家の長男に生まれ賢者として実績を積みながらも、魔族とのハーフであることを理由に疎まれ義母と義弟の策略で未開拓の辺境に左遷されてしまった主人公。彼によって生命を吹き込まれたホムンクルスのおしかけ家臣と共に赴いた領地に待っていたのは、研究バカの主人公の好奇心をくすぐる事象の数々で…

というわけで、左遷されたけどむしろ生き生きと研究に邁進している主人公の辺境開拓記。彼考案のオリジナル魔法<手乗り図書館>が便利すぎて欲しくなるレベルです。

「チート」という言葉が入ったタイトルですが、ありがちな転生とかの要素は一切無いです。主人公が一から身に付けた努力の賜物です。あと運。本人気付いてないけど、この人、出会い運がめちゃくちゃ良いですよね…。

純粋に新たな知識を取り込んだり実験したり観察したりという行為が好き過ぎて人間として何か足りないレベルまでいっちゃってる主人公が素敵ですね。知識マニアというか研究バカというか、ここまで突き抜けられるといっそ清々しいです。頭脳だけじゃなく実際に行動に移せるアクティブさとどんな事態に陥っても自信に満ちて冷静に行動できる所も頼り甲斐がある感じ(変人だけど)だし、「未知の事象も知識の積み重ねと検証によって既知になれば対処可能」と言い切り実際に対処してみせるのもカッコイイです。変人だけどな!(大事な事なので2回)
質問に答えるのが生きがいで存在意義、という悪魔マルコシアスも可愛い。ワイルドエルフ兄妹もいい味出してます。最初は主人公を警戒してたけど、付き合ううちにすっかり絆されちゃってますね(笑)
あと、主人公を疎んで色々仕掛けてきてる義弟側の視点も見てみたいです。まぁ主人公が既に”考察”という形で義弟の考えている程度の事は丸裸にしてる気がしないでもないですが(笑)

これは続きも読んでみたいと思わせる話でしたね!

ただ一点残念なのは…挿絵が「コレジャナイ」感が凄すぎなこと。仮にも貴族で、一人称が「私」で知的(ブッ飛んではいるけど)で落ち着いている設定の主人公にこの容姿は無いわ…。特に髪型。粋がってる不良ガキってわけじゃないんだからさ…。




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